- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041643204
作品紹介・あらすじ
「サンマル」ブランドで知られる食品メーカー大手の東邦水産は、即席麺の米国工場建設を目指していた。「人を大事にする」経営理念のもと、市場原理主義の本場・米国進出に賭けた日本人ビジネスマンの奮闘!
感想・レビュー・書評
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学生時代に購入して読了していたのを、最近良く食べているマルちゃんのカップ麺を見て思い出し再読。前作である『燃ゆるとき』よりは堅苦しくなく、読みやすくなっているので割とスラスラ読めた。
日本国内でも土地が違えば文化も違ってくるけど、異国となると丸っきり違うし、加えて言語も違うから意思の疎通の難しさは比べるべくも無いだろうなと痛感しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『燃ゆるとき』の続編だが、こちらは 東洋水産の米国進出をモデルにしつつも、フィクションの体裁を取っている。主人公・高森は架空の人物だし。
『燃ゆるとき』のタイトルで映画化されたのは、この続編のほうである。
中井貴一主演の映画版『燃ゆるとき』とは、かなりストーリーが違う。映画も地味だったが、この原作はさらに地味だ。
正直、まったく面白くなかった。
「日本型経営とアメリカ型経営の衝突、そして和解」というテーマ設定はよいのだが……。
「据え膳食わぬは男の恥」なんてフレーズが臆面もなく出てくる「昭和のおじさん」感にも、げんなりさせられる。 -
"久しぶりにいった古本屋で購入。
読み始めてすぐに、まるちゃんで有名な東洋水産の話だとわかった。友人もつとめている。こんど、実態を聞いてみたい。" -
東洋水産をモデルにした小説第二弾。今回は、実名を使わず、東洋水産は東邦水産、森社長は高木社長、深川専務は深井専務。そして架空の人物、川森潔を主人公としてリアルなエピソードを展開させたという。
舞台はアメリカ。アメリカに進出を果たした東邦水産が、セクハラ訴訟、ユニオン対策など、異文化の軋轢を何とか乗りきっていく、逞しい姿が描かれている。
日本からの出向社員は、ことごとく誠実でタフ。一朝事あれば何を差し置いても駆けつけ、不眠不休で事に当たる、滅私奉公当たり前の超人たちだ。
確かに、隙あればつけこまれ、闘わなければ自らの権利を守ることすらできない、厳しいアメリカ社会にあっては、ここまでやらないとビジネスでの成功が覚束ない、というのも分かるけれども、ちょっとやり過ぎなんじゃないなあ。これじゃあさすがにしんどすぎる。 -
少し読みにくい。
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燃ゆる時の続編。東洋水産がアメリカに進出し、インスタント麺市場でNo1メーカーになるまでの軌跡をつづったもの。苦労を跳ね返し、成果を上げて内容に、元気をもらえる一冊。
文化や考え方が異なる国で、いかにして東洋水産は快進撃を進められたのか、それは「人を大事にする」という日本企業が持つ強みを十二分に活かしたから。理解に苦しむ出来事に七転八倒しながらも、失敗した人にもチャンスを与え、人を信じ、人に任せることが成長に繋がる。文化の壁はコミュニケーションで乗り越える。文字にすると当たり前なことかもしれないが、この当たり前のことを非凡なレベルで愚直に追い続けたことが、成功の要諦。
組合対策の詳細記述何かは、海外勤務をする際に非常に役立ちそう。 -
「マルチャン」の東洋水産の海外発展の関連の本。 社会人なりたての一時期、ひたすら高杉良さんの本をいくつか乱読したが、社会人10年経験して、またふらりと読みたくなった。 大企業で10年くらいやっていて、閉塞感を感じているころなので、読んで力をもらいました。 と同時に、自らがおかれた立場にどう展開できるか、少し考えさせられてしまいました。
本自体は、かなり実話にそった内容で、アメリカ進出時のセクハラ問題やユニオン問題、異文化ダイバーシティなど、グローバル化が進んだ今でも十分読みごたえのある本です。 -
小説というよりは、企業経営者向けの海外展開時のマニュアルといった感じ。
小説のモデルは「マルちゃん」ブランドのあの食品会社社長とのことだが、こういう小説を読んで、しかも面白いと思える年齢になってきたという点でも感慨が。
初の高杉良だったがなかなか気に入った。