- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041653081
感想・レビュー・書評
-
持統天皇の代となってから、朝廷内で新羅派と唐派の抗争が激化します。新羅派の高市皇子は、飛騨に流罪となっていた新羅出身の行人にひそかに命を下し、彼を故国へと帰らせて新羅とのつながりを密にしようと考えます。ところが、その動きを察知した唐派の藤原不比等は、行人と確執のあった宇宙皇子の心情に付け入り、彼に行人を討たせようとします。こうして宇宙皇子は、行人との因縁に決着をつけるため、たった一人で金剛山を旅立ちます。しかし高市皇子も、行人を宇宙皇子から守るために、山瀬部馬手(やませべのうまて)をはじめとする舎人たちを差し向けます。
宇宙王子は行人の行方を追いつつ、かつて大和に立ち向かった両面宿儺の伝説を引き継ぎ「今宿儺」と呼ばれている栃林百川(とちばやし・ももかわ)の知遇を得たり、大蜘蛛や「温羅」(うら)と呼ばれる大鬼を退治したり、さらに子狐に「飛騨麻呂」と名前を付けて旅を共にすることになります。
本巻全体を通じて宇宙皇子が一人旅を続けていくことになるのですが、物語中では9か月という長い時間が流れており、その間に朝廷の権力抗争やその中で自分が置かれている位置について十分に考察を深めることができたにも関わらず、行人を討つという目的に疑いの目を向けることが少ないことに苛立ちを覚えてしまいます。宇宙皇子がしだいに成長していくための一階梯だとしても、少しずるずると引っ張りすぎのような気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
狐を人質にとるとか、ありえないでしょ。。。あほくさ。
巻を重ねる毎に面白くなくなっていくのはどういうこと?