- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041704066
作品紹介・あらすじ
喫茶店『ドールズ』の経営者・月岡の七歳になる娘・怜は、交通事故で言葉を失い、一方で”人形”に異常な関心を示しだす。巧みな構成と斬新な着想で、恐怖小説の第一人者が贈る傑作長編。
感想・レビュー・書評
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少女怜の中に蘇った江戸の人形師目吉が事件の謎を解くミステリー。
1.ドールズ/2.闇から覗く顔/3.闇から招く声/4.月下天使詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
殆ど申し分なく面白い作品なのですがラストの終わらせ方だけにはすこしがっかり感がありました・・・。
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感想。恐怖小説というワードがあったので少しびびっていたのだが全然怖くなかった。グロくなかったし、心霊系でもなかったし。どちらかといえばミステリーかな?ミステリー色は薄いけど。
交通事故に遭った7歳の少女が目覚めると口を聞かなくなり、血圧異常や動脈硬化など身体の異常をきたしその理由を探っていくと、彼女の身体には別の何かがいるのではないか…?となりその何かが何なのか突き止めていくという話。その何かを追う為に調べていく話が歴史的史実なのでその辺、今はスマホでなんでも調べられるから検索しつつほほぅ…となりましてですね。
画像でみても凄いので実物見てみたいものだと思いましたよ。彼女の中の何かへの謎、彼女を交通事故で引いた犯人についての謎の2点を追いかけるミステリーではあるんだけどその中の何かについての描写がホラーとかオカルトに寄っているので恐怖小説系に分類されているのだろうか?
怖くはない。全然。この面白さは何処からくるのかな?しっかりとした歴史的描写軽いミステリー色、そして何かが判る迄のその娘の周りにいる人々が感じている恐怖感、その辺りが上手くミックスされているので止まらない感じだったね。
全5作のシリーズだそうなので続きも読もうと思うけど、レビューを見る限りジャンルが変容していくそうなので25年かけて5冊だして1冊目と5冊目はまるで別物なんだって。2作目は面白いらしいし、とりあえず2と3は読んでその先は考えるって感じでも良いかも。
1冊目のこの本はとても面白かったのでお勧め。 -
季節外れの大雪に見舞われた盛岡で、夜間、7歳の少女がひき逃げに遭った。はねられたのは、喫茶店「ドールズ」の経営者である月岡真司の娘・怜。彼女は言葉を失い、一方で“人形”に異様な関心を示しだす。喫煙をはじめとする怜の信じがたい奇矯な行動。さらに医学の常識をこえた不可解な症状が彼女の肉体を襲う。少女の心の闇に何がひそんでいるのか。
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どうやら少女に霊?が憑依しているらしい、という怖い設定ながら、江戸文化の方に興味が奪われて、いつの間にか憑依は完全に前提条件として違和感なく受け入れてしまっていた。
この時点で既にこの後に続くシリーズの世界観に取り込まれてしまっていたのだと、後になって気付きました。
高橋さんといえば東北か江戸のイメージが強かったのですが、今回は珍しく熊本まで手を広げたのですね。氏の知識と取材力なら、もっといろんな地方の伝統を取り上げて欲しいと思います。 -
高橋克彦氏の著作は、短編をちょこちょこ読んだだけで、初めて長編を読む。
少女に霊が……というのは「エクソシスト」を意識しているのだろうが、
それを「生まれ変わり」と結構簡単に納得してしまっているところや、
意識/無意識の反転をあんなに軽々しく処理してしまうのは、
大いに不満。
しかしそれゆえにテンポよく進行する、というメリットも生まれている。
個人的に熊本にはゆかりがあるのだが、熊本観光も、
なんでそんなにのんびりしているんだ!? とやきもきしてしまう。
娯楽小説のいい点と悪い点が同居している感じ。 -
一応ホラーに分類されるそうですが、ミステリに近いかな??
江戸時代の人形師が現代の女の子の中に甦るという何とも魅力的な内容。
いやー、もっともっと掘り下げて欲しかったなぁ。
でもこのくらいの方がサラリと読めていいのかしら。
次作もあるみたいなので期待。