- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041736067
感想・レビュー・書評
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アニメの印象が非常に強かったが実は直木賞も受賞した名文学作品。前半はどこからか来たプレシオサウルスの生き残りを思わせるCOOと少年との邂逅を丁寧に描いていく。ここだけならばファンタジー小説なのだが、中盤以降は当時の世界情勢も絡んでくる冒険小説に変化していく。結構に重たいのだが、COOの存在が綺麗に中和出来ているように思える。文章がちょっと説明くさい部分もあるのだがラストのシーンなんかは叙情たっぷりで読ませる。意外にも大人な雰囲気をもった作品だった。
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こういった幻獣と少年が出会うファンタジーは話の種類としては嫌いではないが、描写などに所々対象年齢の低さが出ていて、そろそろ30代に足をかける自分には少し退屈に感じてしまった。
終盤の緊迫感も自分的には置いてけぼりを食らった形だった。 -
1988年上期の直木賞受賞作。イルカとイヌと少年とCoo‥‥異種生物交流譚のジュブナイル的部分があまりにも心地よくて、それ以外のシリアス・パートへの熱量がつい醒めてしまった。
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再読です。
結構昔の直木賞受賞作品。
既視感のあるストーリーが、再読だけが原因ではなく、のび太とピーちゃんのドラえもん映画を彷彿とさせ、全体的にラノベっぽい印象です。
環境破壊とか原発とか、当時の世相を表していそうですが、アクション部分も含めて後半は展開に無理がある気がして興ざめでした。。
と少々辛辣な感想ですが、オープニングシーンはよかったし、少年がクーの他、2頭のイルカやレトリバーと交流するフィジーでの生活は瑞々しくいかにも楽し気で、南国の風を肌に感じ、とてもリラックスして読むことが出来ました。
賞は取れなくなってしまうのかもしれないけれど、この雰囲気のまま終盤まで展開する物語が読みたかったな。 -
普通、がっかり
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前半が好き。最近の作品だとここまで環境問題を押し出してこられるとどうしても鼻についてしまう部分が大きいのだけど、少し前の作品だとどこか素朴な感じで読める気がする。あー、環境テーマにした作品多かったなあ…しみじみ。って感じで。
ほのぼのふれあい→冒険活劇という展開も、一種のラノベとして考えるとなじみ深くて楽しめました。 -
序盤からだれる。
眠い小説。 -
解説で田辺聖子が書いているように評価が分かれると思う。前半の少年と恐竜の話は、この本より先に世に出たドラえもんの長編「のび太の恐竜」と重なってしまうし、後半のフランス軍との恐竜争奪戦やフランスの核実験への意思決定のあり方はリアリティに欠けるような気がした。もっとも良かったのはプロローグで、傷を負ったプレシオザウルスの母親が何としても胎児を守ろう、産もうとする姿だった。このプロローグが物語全体のベースになっているからこそ評価が上がったのだろう。
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少年がプレシオザウルスの子孫と思われる、cooと出会い
国の都合でcooが連れ去られ、取り戻す物語。
いつかこの本を読みたいと思っていて、やっと読んだのだが、ミステリーとしても少し物足りなく、冒険小説としても物足りなさがあった。
少年とcooのふれあいに安らぐ物語として読んだらいいのかと言えば、それだと戦闘シーンなどが生臭く感じてしまう。
全体に楽しく読めるのだが、やっぱり物足りなさは残ってしまう。