ニーベルングの指環 上 (角川文庫 ん 14-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041995013

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  •  ワーグナーが作曲だけでなく、台本を書き、そのための劇場まで作った、オペラ「ニーベルングの指環」。ぶっ通しで演じれば、15時間以上はかかるというこのオペラをCDで、聴き始めてしまった。当然映像はないので、対訳などを見なければどこがどこの場面か分からないのだけれど、輸入盤でそんなものは無いし(あっても多分見ないし)、せめてストーリーだけでも頭に入れるのにちょうど良い、このコミックが見つかった。
     そんな大作をあずみ椋さんが思いきって削るところは削り、加える所は加えて、分かりやすく、面白く上下2巻にまとめてくれたもの。
     この上巻は、「序夜・ラインの黄金」と「第一夜・ワルキューレ」。
    簡単に書くと
    「ラインの黄金」
     ラインの乙女たちに恋したニーベルング族(侏儒族)のアルベルヒは彼女たちにからかわれ、侮辱されて振られる。悔しい思いをしている時に「ラインの黄金」の秘密を聞いてしまう。「ラインの黄金で指環を作る者は無限の力を与えられ、世界を手に入れることが出来る」ただし、「愛の喜びを断念した者だけが指環を鍛える不思議な力を得ることが出来る」と。
     アルベルヒは「どうせもてないなら、愛の喜びなんか捨てて、指環を鍛える不思議な力を手に入れ、世界を手にしてやる」と、ラインの黄金を盗み、指環を作ってしまう。
     それを聞いた、神々の長、ヴォータンは「アルベルヒなんかにラインの黄金の指環を持たしておいてなるものか。世界の権力を握る指環は、わしの物だ!」と盗人から指環を盗む。
     しかし、その時にアルベルヒは指環に呪いをかける「それを持つ者は心痛に苦しみ、人殺しの手にかかれ。持たぬものは欲して嫉妬に狂え、そして皆指環の奴隷となって死の運命に陥るのだ」と。
     そこへ、巨人族のファゾルトとファフナーが表れ、「天堂(ワルキューレ)の建築費としてその指環で支払ってもらいましょう。さもなければフライア(ヴォータンの義理の妹)をもらいます。」と脅し、指環を持っていってしまうが、ファゾルトとファフナーはその場で殺しあう。

    「ワルキューレ」 
    時はたち、浮気性のヴォータンは、フリッカ(結婚の女神)という妻がありながら、エルダ(大地と知恵の女神)との間にワルキューレ(9人の勇敢な娘たち)と人間の女性との間にジークムントとジークリンデという双子の兄妹をもうける。ジークムント、ジークリンデ、そしてワルキューレのなかの一人、ブリュンヒルデはヴォータンの希望の星であったが、ジークムントとジークリンデが兄妹でありながら契を結んだためにヴォータンの妻であり結婚の女神であるフリッカの怒りを買い、ジークムントを殺さねばならなくなる。“権力”と“愛”の両方を手に入れようとした神ヴォータンの国は滅びかかっていた。
    ブリュンヒルデはヴォータンからジークムントを殺すよう命じられるが、ヴォータンの本心を知っているのでそれが出来ない。ジークリンデがジークムントの子を宿していることを悟り、ジークリンデだけは助けたがそのことがヴォータンの怒りを買う。そしてヴォータンはブリュンヒルデを岩の中に閉じ込め、たまたま通りがかったどこの馬の骨とも分からない奴と結ばれよ、と呪いをかけるが、ブリュンヒルデが「お父様、それはあんまりです。それならば、私が眠る岩の回りを燃えさかる火で囲って下さい。その火を越えてくる勇敢な男だけと私は結ばれたいのです」と頼む。そして、ヴォータンは泣く泣く愛する娘、ブリュンヒルデを岩に閉じ込め、その回りを火で囲む。

     上巻はここまででした。
    因みに、私が昨日聴いたのはCD14枚組の1枚め(約70分)だけで、「序夜・ラインの黄金」のシーン1だけでした。

  • 『序章 ラインの黄金』

    『ワルキューレ』

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