闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫 レ 6-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042791027

作品紹介・あらすじ

写真を送りつけ、脅迫を繰り返した後に被写体を殺害する事件が続発。パトリックも捜査にかかわるが、次に写真が送りつけられたのは、相棒のアンジーだった!

感想・レビュー・書評

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  • パトリックとアンジーシリーズの2作目。私立探偵対マフィアものでページを捲る毎に怖さが増した。主人公だから絶対に大丈夫とは分かっていても見えない敵に付き纏われる恐怖がひしひしと伝わってきて気が気ではなかった。男女に関係なく惹かれる作品だと思った。

  • パトリックとアンジーのシリーズ2作目。

    知人の紹介で大学生の警護を引き受けたはずだったが、
    連続殺人がパトリックにからんできて、
    幼なじみであるアンジーと元夫になったフィルも巻き込まれて行く。

    冒頭でパトリックのもとをアンジーが去ったと書かれていたし、
    シリーズ2作目にして、
    かなり主人公二人の過去と現在に踏み込んだ話になっていたので、
    惹き込まれるように読んだ。

    「死のピエロ」の噂話におびえていた、
    子供の頃のパトリックとフィルが印象的。
    私たちは口裂け女だったよ。
    実際に二人は「死の道化師」に出会い、
    今回の事件の重要なパーツだったので余計に印象的だった。

    アンジーがマフィアのドンの孫娘だったことは意外だったし、
    ちょっと残念な気がした。

    思わず二度読んでしまったのは、
    陰惨な連続殺人の話にも関わらず、
    ラブストーリーでもあったからだと思う。

  • マフィアに狙われた人間の依頼を受けることは自殺行為だ。マフィアとのトラブルを抱え息子の命を脅かされていたディアンドラの依頼に躊躇う探偵パトリックの背中を押したのは相棒のアンジーだった。「永遠に生き続けるつもりなの?」と言って。しかし、そこには、ふたりの覚悟が揺らぐくらいの、長年にわたり隠蔽されてきたこの街の深い闇が待ち受けていた。90年代最高のハードボイルドの書き手であり、チャンドラーのようなしゃれた文体を武器にエンタメ要素満点の探偵小説が書けるレヘインの極上ミステリ。文句なしです。

  • なかなかグッチャリとする展開。しかしこうやって米国のバイオレンス小説?みたいなのを読むと、まぁしかし彼の国で生きるのはなかなか恐ろしいよなぁと思うわけで。そりゃ平和ボケするわよ日本人、てなもんで。
    しかし主人公は友達100人できるかな、と、警察やらその他にも頼れる仲間がいっぱいで、更にはブッバさんとか強烈なサポーターもいたりして、このチート感が!実は兄がヤンキーで!みたいな日本の漫画みたいな設定が、、いや嫌いではないな。でもどっちかというとハンターハンターのキルアの太った方のお兄ちゃんみたいな感じかなぁ。
    まぁ脇役なんだけどね!

  • シリーズ第2弾。
    いやはや、前評判は聞いていたけど、なんとも凄惨なストーリー。
    一皮剥くごとに見えるものがそのたび恐ろしく慄く。
    鍵は過去にあった、とはある意味当然だけど、ここまでこじれることになる理由はどこにあったのか。
    しかし、後味が悪い、とは言えないのが、さすがル(レ)ヘイン。

  • 一作目もよかったけど、それに比べて大幅にパワーアップしたなと。まさにページを繰る手が止まらない。

    描写の力も前作より増して、前半の平穏なはずの日常に少しずつ異常が混じりこんでいく様、最後の凄まじい悪との対決など素晴らしいとしか言えません。
    先に四巻目を読んでいたため犯人ははじめからわかっていたのだけど、それでも十分に楽しめる最高の一冊でした。

    これまた4年以上前
    このシリーズは二冊目と4冊目が白眉だと思う

  • シリーズ中、これが一番好き。誰もが心に暗い部分を抱えているものだが、常人の理解を超えた悪に捕らわれた人間が、パトリックとアンジーと対峙する。徐々に真相が分かっていく過程はスリリングで途中でやめられない。依頼人の事件に巻き込まれたと思いきや、パトリックたち自身の過去との関係が浮かび上がる。ホントにうまいなって感心するしかない。

  • パトリック&アンジーシリーズ二作目。ブッパの扱いがすこしかわいそう。もうちょっと優しくしてあげてほしい。

  • パトリック&アンジーの探偵シリーズ第2弾。

    前回は、突然マフィアが出てきたりして多少突拍子もない展開も否めないところだったが、今回はさらに怒涛の展開をみせ、それがうまくはまっている。

    息子宛に脅迫電話がかかってきた、という相談を、精神科医のディアンドラから受けるふたり。
    その相談内容から、どうもマフィアがかかわっているらしい、とわかり、気が進まないふたりだが、調査を引き受ける。
    その事件が解決したかと思われる頃から、圧倒的なスピードで物語が急展開していく。ただの相談者(=被害者)であったはずのディアンドラが、実は……。

    そしてこのシリーズの根底に流れている、パトリックと彼の父親との関係(父はすでに死亡している)が、大きく影響していることが判明する。街ではヒーローと呼ばれたパトリックの父親を、パトリックは憎悪している。そのパトリックの感情が、今回の事件ではどうなっていくのか。

    ちょっと読むと、一時期はやったサイコキラーもののようだが、レヘインはサイコキラーになったその原因(たとえば虐待にあっていたとか、なんとかそういうトラウマもの?)ではなく、サイコキラーになってからの心情と、彼が原因で起こる、恐怖の感情についてを前面に書いている。

    伏線、伏線の連続で、息もつかせぬ、とはこのことか、という作品。

    ラスボスの彼の怖さ、というのがちょっとつかみにくいのだが、それが主眼ではないのだろう、たぶん。

  • 探偵パトリック&アンジーシリーズ第2作。
    この作家初読である。

    解説ではチャンドラーを継ぐハードボイルドの新鋭として捉えらていたらしいが、本作を読む限り作者にその意図は無いようだ。

    主人公を含め、主要な登場人物全てが過去になんらかの傷を持っている。最初から最後まで暗く重いムードが漂い、容赦のない人間の暴力への衝動を生々しく描き出す。

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