運のいい人の法則 (角川文庫 ワ 6-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042982258

作品紹介・あらすじ

世の中には、「運のいい人」と「運の悪い人」がいる。英国の心理学者リチャード・ワイズマン博士は、幸運と不運を隔てるものに興味を抱き、「運の科学的研究」を開始した。ちょっとしたアンケートから始まった調査は10年の長期に及び、協力者は数百人に上った。その結果、博士は「運のいい人」に共通する"四つの法則"に辿り着く。さらに、運は考え方と行動で変えられるという-。世界30カ国でベストセラーとなった"運"の科学書、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 自分のことを「運が良い」と思っている人と「運が悪い」と思っている人の違いを調べ、特徴をまとめた本。「運の良さを調べる」というと胡散臭く感じる。しかしこのワイズマンは、超常現象を疑問視し、ニセ科学を鋭く批判する人である。本書はスピリチュアルな内容ではない。

    結局、運の良い人と悪い人の差は、自己肯定感の差と言って良さそうだ。運が良いと思っている人は、自己肯定感が強いため、人脈を広げることを恐れず、何事にも挑戦し、成功すると信じて粘り強く取り組む。その結果、何かしらを獲得することができるため、自分のことを運が良いと思い込み、自己肯定感がさらに高まる。運が悪い人はこれが逆に働く。マタイ効果は運勢にも働くのだ。

    そういう意味では、人の運勢は文化資本に近いのかもしれない。自分の運は良いと幼い頃に思い込めた人は、その思い込みによって人生の運を高めていける。救いがあるのは、現在運の悪い人でも、意識して行動や思考様式を変えることで、運を良くすることができることである。俺自身は自分のことを運が良いと思っているタイプだけれども、より運勢を良くするために、この本に書かれている内容をいくつか実践しようと思う。

  • この本を読んでも、必ず宝くじが当たるわけではない。
    だが、今より運がよくなることは間違いない。

    運がいいと思っている人は、人から見て羨む結果を持っていることがある。
    また逆に、運が悪いと思っている人は、不運な事故に見舞われていることが多い。
    これらの全ては本当に運・不運で発生してしまったものもあるだろう。
    だがそうではなく発生しているものが、実は数多くあるということだ。
    そのことをたくさんの実験を通し、説明してくれている。

    そして、それらの結果と自分と照らし合わせると、
    運をよくするために必要な行動がわかる。
    後は行動するだけ。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○心理学の世界では長年の研究から、
     私たちの性格はわずか五つの特性によって説明できると考えられている。
     五つの特性の組み合わせによって、一人ひとり性格が違うというわけだ。
     これらの特性は一般に、「協調性」「誠実さ」「外向性」「神経症的傾向」「開放性」
     と呼ばれている。(P.59)
    ○「対人関係の磁石」も、偶然のチャンスに出会う確率を高める。(P.64)
    ○そう、どれも違うカードだったのだ。(P.73)
    ○運と直感についての調査からは、
     運のいい人がさまざまな方法で自分の直感を高めようとしていることもわかった。
     頭をからっぽにするだけの気分転換もあれば、
     時間をかけて本格的な迷走をする人もいる。
     静かな場所を探したり、日をあらためて問題点を考えなおしたりするのも効果がある。
     (P.146)
    ○幸運が目の前にあるのに気づかない人もいる。
     そういう人は窓を見て、「ああ、今日は雨か」と思う。
     でも僕は、雨が降っていたら、「明日は庭の花が咲くだろう」と喜ぶんだ。(P.163)
    ○アメリカの高校教師を対象にした有名な実験がある。
     心理学者は教師たちに、クラスの生徒数人が心理学的に見ると「大器晩成型」で、
     将来は何か大きなことを達成するだろうと説明した。
     実際は、それらの生徒には何も特別なことはなく、無作為に選んだだけだった。
     それから数か月間、教師は無意識のうちに、
     大器晩成型の生徒をほかの生徒より励ましたりほめたりして、
     授業中に質問する回数も多かった。
     その結果、無作為に選ばれた大器晩成型の生徒は周囲よりも成績が大幅に上がり、
     知能テストの得点も高かった。(P.169)
    ●ゴミの山から宝物を探す(P.250)
     ★状況がさらに悪くなった場合を想像する。
     ★運の悪い出来事が、あなたにとって本当に重要か考える。
      財布を落としたとしても、長い人生を考えたら、たいしたことではないかもしれない。
     ★自身より不幸な人と比べる。

  • 自分は運がいい、と言う人には共通した法則がある。その法則に従って行動し、意識を変えれば運を鍛えることができる。

    ▪︎運のいい人は、偶然のチャンスを最大限に広げる
    ・親しみやすく、人との交流が盛んで、多くの人と連絡を取り続ける
    ・肩の力を抜いて生きている
    ・新しい経験を喜んで受け入れる

    ▪︎運のいい人は、直感と本能を信じて決断をする
    ・直感を高める方法を知っている

    ▪︎運のいい人は、将来に対する期待が目標の実現をうながす
    ・幸運が将来も続くことを期待する
    ・対人関係が上手くいくと思っている

    ▪︎運のいい人は、不運を幸運に変える
    ・不運のプラス面を見ている
    ・長い目で見れば不運な出来事も最高の結果になると信じている

    自分は運がいい方だと思っていたが、偶然のチャンスを最大限に広げるための努力はもう少し必要だと感じた。特に、肩の力を抜いて視野を広く持つこと、多くの人との交流を盛んにすること。

  • 運のいい人はとにかく外交的。
    ・チャンスがあれば知らない人に話しかける
    ・週一回新しいことにチャレンジする
    ・直感を信じて心の声に耳を傾けている

  • やすらぎの刻という最近のテレビドラマの主人公がつぶやく「ついていない」というのは運がないということなのでしょうか?
    そして、その運は変えられるものなのでしょうか?
    その「運」の解明に迫ったのが本書ですが、運のいい人は確実に存在するし、運の悪い人も存在する、そして運の悪い人が考え方や習慣を変えるだけで運が向いてくるというのも事実のようです。
    要は、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」というテーマを少し統計的に検証した本のようです。
    例えばよく世間で言われる、失敗し続けてもあきらめず、成功するまでやり続ければそれは成功なのですが、それって卑怯じゃない?
    いつ成功するかわからないから人は諦めを受け入れるわけで、いくらやり続けても成功が100%約束されているわけでもありません。
    実際にやり続けて成功した人のみが、成功体験を語っていることを考えれば、その途中で刀折れ矢尽き野垂れ死にした無数の失敗者がいるわけです。
    もちろん、その失敗は運だけではなく、様々な他の要因が考えられるわけですが、成功のみ強運で語られるのもちょっと違うような・・

    いろいろと考えさせられる本ではありました。

  • 確かに世の中には、運がいい人も運の悪い人もいる。その違いを本当に調べて科学的に明らかにしようとする人もいる。その調査の結果と結論を紹介するのが本書。
    大半のまともな人が想像する通りその結論は明確です。著者の言葉を引用すれば、
    「運は魔法の力でも、神様からの贈り物でもはい。そうではなく、心の持ちようなのだ。どのように考え、どのように振る舞うかなのだ。」
    ということ。そりゃあそうでしょう。やっぱり。要はプラス思考の人の方が運が良くなる。それを科学的な調査から明らかにしたのが著者の研究の面白いところですが、それだけではなく、その調査結果から、運のいい人が運の悪い人と異なる性格・振る舞いを抽出して、4つの法則として分かりやすくまとめているのも本書の面白いところです。例えば、懸賞に当たるためには、たくさん応募すること。運のいい人はやっぱり沢山応募している。確率は誰にでも同じでも、運のいい人はそのチャンスにトライしそのチャンスを見逃さない行動と考え方を持っているようです。さらに本書では、著者の調査結果をもとにした、運を高めるためのワークショップを実践できるように構成されています。運が悪いと思っている人はもちろん、そこそこ運が良いと思っているひとでも、本書にしたがって実践してみることができます。

  • 大一番の仕事でセンシティブなときに購入して、すぐに読破。
    よくある自己啓発系だが、アカデミックに運をとらえ、アンケートを取った結果などから定量的に傾向把握をしているところが面白い。

    ポジティブに物事をとらえ、常に感謝をして、無理に自分の思い通りにすべてをしようとしない、そして周囲を見渡す余裕を持つこと、そしてオープンマインドで人と人脈を作ること
    みたいなことが、運を良くする法則らしい。それは確かにそうだろうなあ…と。

    ポジティブ→物事を良い方向にとらえるので、運が良く感じやすい
    感謝をする→人が助けてくれやすい
    無理に思い通りにしない→ダメというライン強くない
    余裕を持つ→視野が広がり、チャンスを見つけて良い方向に進みやすい
    人脈をつくる→頼れる人が増える
    みたいな因果関係を持っているように思う。

    この本のお陰で、仕事を楽しむことできて感謝。

  • 運のいい人と運の悪い人がいる。その違いは何か?を、すごく真面目に、心理社会学の観点から研究した本。
    本書は、運を高める法則がある、というし、高めるためのトレーニングまで紹介している。
    読み物としても面白いけど、読み終わった次の日に私(評者)の身に起きた楽しい=運のいい偶然を考えると、確かに「運のよさ」というのは変えられそうだ。

    著者のまとめとは異なる観点だが、私なりに整理すると、こういうこと。

    (1) 発生する確率そのものは変わらないが、運のいい人と悪い人では試行回数が違う。
    運のいい人は、いいことに出会う「確率」は同じでもいいことに出会う「回数」が多い。
    確率が1%だったとして、運の悪い人は数回であきらめるので何も起きない。運のいい人は100回1000回10000回やってみるので何か起きる。

    (2) 目の前のチャンスに対する食いつきが違う。
    運のいい人はいいことに対する受け入れ準備ができている。ちょとしたきっかけや変化に気がつき手に入れる。
    運の悪い人はいいことに対する受入準備ができていないので、目の前にあるチャンスを見落としてしまう。自分に自信がないので自分の直感に耳を傾けず、その結果悪いことに引き寄せられてしまう。

    (3) 出来事についての受け取り方が違う。
    運のいい人は、よいことは「ラッキー♡」といってありがたく受取り、よくないことは「そういうこともあるさ」と受け流す。
    反対に、運の悪い人は、よいことがおきても「こんなことは続かない」とか「変なことで運を使い果たしてしまった、この後どんな悪いことが起こるんだろう」と思ってしまう。悪いことが起きると「やっぱり」「どうせ私は」と必要以上に重く受け止めてしまう。

    (4) 好循環and/or悪循環する。
    以上のことがぐるぐるフィードバックされるので、運のいい人はますます幸運に、運の悪い人はますます悪運に、引き寄せられるようになる。
    ポジティブシンキングや楽観的な姿勢は、この循環を好循環側に回すのに非常に効果がある。


    というわけ。
    まとめると、著者は「運がいい人」という状態には、本人がまったく関与できない部分=ある事象が起きる確率と、本人が関与できる部分=試行回数・チャンスへの準備・起きた事柄の受け止め方、の両方があり、後者は努力によって変えられる、といっている。
    なるほどね〜

    なので、占い師に「こうするといいよ」と言われてその通りにしたら開運したとか、神社で願掛けしたらかなったとか、十分、科学的に、あり得るんです。


    本書には「あなたも自分の運のよさをチェック」がそこかしこに登場する。
    やってみると、私は、平均よりはやや未来について楽観的で、それがまあままいい結果につながっているみたいだけど、もっともっと「運がいい」状態にもなれそうだ。
    それなのに、結果さえよければよいか、というとそれもまた違って、エンジニア気質な私の中のもう一人の私は「自分でたぐり寄せた普通またはちょっと不幸のほうが、根拠のない降り掛かってきただけの幸運よりも望ましい」と言っている。もう信念に近い。
    その信念が、まだ本書を「ズルが書いてあるから受け取れない」と言っている。ただし、もうちょっとオープンになり、もうちょっと新しいことや人に関わってもいいんじゃないかとも言っている。
    その小さな声に従って見ようと思う。

  • ・世の中ではとにかくお金を稼ぐことが重視されすぎている。

    ・幸運はどこにでもある。

    ・欲しいものが具体的に特定されているよりも、肩の力を抜いて許容範囲を広げていると、すべてのことがもっとよく見えてくる。

    ・どのように見るかではなく、どこを見るか。

    ・運のいい人は、対人関係がうまくいくと思っている。

    ・最愛の妻と出会い、どんな仕事も楽しんできたエリックの人生も常に前向きだ。雨が降っても、明日は庭の花が咲くと喜ぶような人だから。

  • 今日は運がいい
    自分は運がいい
    と思うことにする。

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著者プロフィール

ロンドン大学で心理学を専攻。エジンバラ大学で博士号を取得。本作が30カ国でベストセラーに。

「2011年 『運のいい人の法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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