T.R.Y (角川文庫 い 50-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 537
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043582013

感想・レビュー・書評

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  • これはホント面白い。何より痛快。
    映画も見たけど、やっぱりこっち。
    いやー、一本取られた!

  • 1911年、上海。服役中の刑務所で暗殺者に命を狙われた日本人詐欺師、伊沢修は、同房の中国人、関に助けられる。その夜、伊沢は革命家である関からある計画への協力を要請された。暗殺者から身を守ることを交換条件に協力を決意した伊沢は、関たちとともに壮大な計画を進めていく。計画の目的とは。そして、そのターゲットとは──。

    日本と中国、韓国をめぐる歴史の上で決して軽視することのできない時代を舞台にした物語で、ここ最近の日中関係についてもそうだし、いろいろと改めて考えさせられることもたくさんあった。
    自分自身が中国とつながりを持っているということもあり、革命派の考えに同調できる部分も少なからずあった。
    詐欺師の騙し騙され、裏をかき、裏の裏をかく、という心理戦には、正直舌を巻いた。よくこんな考えが思いつくなぁと素直に感じて、おもしろい小説だった。
    個人的には、関の人柄にとても好感が持てる。

  •  とても痛快で、理屈抜きで楽しめた本である。舞台は日露戦争後の中国と日本。主人公である詐欺師が、中国の革命を助けるため、日本陸軍の有力者から武器をだまし取る話である。
     もともと、こういった詐欺の話は大好きで、目についたものはだいたい読んでいるつもりだ。名作といわれるものはたくさんあるけど、これも引けを取らないと思う。仕掛けから意外で皮肉な結末まで、ある意味ではお約束通り、でも鮮やかに決めてくれる。特に結末に向けて、様々な要素が入り組みながら進んでいく感じは、とても読むのが中断できる感じではなかった。読み終わって、「ああ楽しかった」とため息をつく本は久しぶりである。
     映画化もされていて、その主演男優のファンだという人から借りた本だったから、どうも主人公が「目に浮かんで」しまいすぎるところがちょっと欠点。が、最近読んだ本の中では、すこぶるヒット作である。

  • 読み始めてから、読み終えるのにずいぶん時間がかかってしまった本。
    終わりのほうの騙し合いはかなり盛り上がっていておもしろかった。ほろりとした人間関係もあって感動した。
    映画でも見てみたいと思った。

  • 同じサークルのYくんに借りました。
    ありがとう!

    日本人、伊沢修が赤眉(チーメイ)という
    暗殺集団に狙われたことによって、
    中国の革命集団に加担し詐欺を働いていく、
    というストーリー。
    東を欺く場面は何度読んでもドキドキしちゃいます。

    でも、最後の方(一番肝心なとこ…)に
    出てくる人物がたくさんいすぎて、
    誰が誰なんだかさっぱりわからなくなったりw
    私が深く読んでいないのか記憶力が薄いのか、
    それともトリックが微妙なのか…
    よくわからなくなったりして。

    ドキドキ感が一番体感できたのは
    真ん中より後ろあたりかなぁと個人的には思いました。

  • 映画にもなった小説.

    映画は見ていないがこの内容を再現できているとは到底思えない.もし再現したとしてもしょぼい内容に落ちるのではないかと思う.建物とかの映像とかは少し見たい気もするが...

    スピーディーな内容でさくさく読んでいったのを覚えている.
    ただ,時代背景を余り知らなかったのでもう一度時代背景を知って読み返してみたいと思った.

  • 第19回横溝正史賞受賞作品。
    中国の革命前夜、清王朝を倒すため武器を手に入れようとする中国の革命家と日本人の詐欺師、仲間の朝鮮人などなど。
    舞台は日本、陸軍参謀次長を詐欺のターゲットに据えて、はたして成功するのか、ラストは怒涛の展開、最後まで安心はできない。詐欺師伊沢の命を狙うキムが、上海から日本に連れて来たさよこを残し絶命する。さよこはそうとは知らずに、キムと出会った上海へふたたび舞い戻る辺りはジンとくるよ。

  • ものすごい早さで読んでしまいました。早い話が「面白い!」です。とにかくグイグイ読ませるストーリーが魅力です。そして個性あふれる登場人物。特に主人公の詐欺師・伊沢修がかっこいい!詐欺が進んでいく過程も目からウロコの展開ずくめで、読み手を飽きさせません。映画もやっていましたが、内容が結構異なっていたので「まずは原作から」がおすすめです。続編も出ているので、そちらも早く読みたいです!

  • 内容とは関係ない一言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・映画キャストが表紙のものを購入。映画を観てからこそ購入したものだから、それでいいじゃない、と。わからんでもないですがね

  • 革命に巻き込まれてしまった?詐欺師が主人公の話。
    ラストの連続どんでん返し、凄かったです。
    ただ、序盤、なぜかストーリーに入っていけませんでした。

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著者プロフィール

1959年、神奈川県を経て、放送作家となる。99年「T.R.Y.」で第19回横溝正史賞正賞を受賞。著書に「C.H.E.」「キャピタル ダンス」「リスク」など。

「2017年 『ポーツマスの贋作 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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