- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043604029
作品紹介・あらすじ
新解さんとは、『新明解国語辞典』(三省堂刊)の愛称です。何ごとも独自の視点で説く孤高の新解さんは、例えば、凡人-自らを高める努力を怠ったり功名心を持ち合わせなかったりして、他に対する影響力が皆無のまま一生を終える人。と力一杯説明します。新解さんは人間臭い、読んで楽しい辞書なのです。新解さんを敬愛し、その存在感を世に広めた鈴木マキコこと夏石鈴子が、新解さんに徹底的に迫り、新解さんの魅力を伝道します。
感想・レビュー・書評
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日本で一番売れている辞書“新解さん” 9年ぶり改訂で「忖度」の用例が変化していた! | 文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/41723?page=1
新解さんの読み方 夏石 鈴子:文庫 | KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/200301000429/ -
三省堂から出版されている辞書『新明解国語辞典』を敬愛している著者が、その魅力を余すことなく伝えようと奮闘しているのが、本書。
他の辞書にはない、人間臭い用例や、版数が変わることで変化する用例を事細かに紹介してくれる。本書では第5版までをカバーしている。
未知の言葉に出会ったときに、人は辞書を引く。そして、辞書に書かれている、その短い説明文を汲み取り、未知の言葉が、既知の言葉へと召喚されることになる。説明文が、実感を持って想像できて、思わず「なるほど」と言いたくなるような辞書の一つが「新解さん」なのでしょう。
自宅にある辞書が、どんな辞書なのかを調べてみてはいかが?
個性的な辞書は世にあふれているのでいくつか紹介
・美しい日本語の辞典(小学館)
・たとえことば辞典(東京堂出版)
・てにをは辞典(三省堂)
・英語便利辞典(小学館)
・日英比較ことわざ辞典(創元社)
・県別罵詈雑言辞典(東京堂出版)
辞典、事典の面白さを教えてくれた本も合わせて紹介
『教養は「事典」で磨け ネットではできない「知の技法」』成毛眞(光文社新書)
『使えるレファ本150選』日垣隆(ちくま新書)
成毛さんの本で、辞典への意識がかわり、新しい世界が広がったと思っている。
好奇心の赴くまま、言葉の森を散策する気分で、数多の辞典と戯れる週末を過ごすのも悪くない。 -
辞書の解説というより解釈本?新解さんを人にたとえて紐解いていく内容。辞書ってそんなこと書いてたのか!って、驚きあり笑いあり。語釈や用例も突っ込み所満載。新解さんの人柄(?)、おもしろすぎます。『舟を編む』を読んだ後だけになおさら楽しめた。
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(著者はかつて鈴木マキコの名前で、赤瀬川原平の「新解さんの謎」の続編を書いていたという。)新明解国語辞典は実に楽しい「読み物」であるということが楽しく語られている。一度そのような目で「読んで」みたいと思わされる。「新解さん」と親しみを込めて呼ぶ気持ちは凄く分かる。用例が楽しく、田中さん、山田さん、中村君が出てくるかと思えば、そもそもの説明文が紋切り型ではなく、実に細やかな感情のこもった文であり、感情を分析するとこのようになると勉強になる。それにしても新解さんの「女好き!」な面が、本文からも用例からも読み解いていく著者の説明が興に乗っている!
【政界】<3版の解説>(不合理と金権が物を言う)政治家どもの世界
【マンション】<初版、2版の解説>スラムの感じが比較的少ないように作った高級アパート
【恋】<5版の解説> ◎特定の異性に深い愛情を抱き、その存在を身近に感じられるときは、他 のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感・充足感に酔って心が昂揚 する一方、破局を恐れての不安と焦躁に駆られる心的状態。
そして著者の説明は以下。「五版の新解さんは、どうやら恋に生きるらしい。四版での恋は、たったの漢字二文字で 説明がついていた。けれど五版では満足感や充足感、そして破局の心配までして大忙しで 。目もだえている。誰か好きな人ができたのでしょうか。」
なお、次の2つはぜひ覚えておきたい言葉である。
【退耕】<4版の解説、5版では消えた!>勤めをやめて、百姓などをして悠々自適すること。
【辞書】 ある観点に基づいて選ばれた単語(に準ずる言葉)を、一般の人が知っている引きやすい順序に並べて、その発音・意義・用法などを書いた本。 〔広義では、ワードプロセッサーや機械翻訳などでコンピューターにより自然 言語を処理する際に用いるファイル形式のものをも指す〕 -
トイレに置いてちまちま読んでいた積ん読本。『新解さんの謎』が大好きなので買ってたんだけど、この人SM嬢、新解さんを見出した人でこの本が面白くないわけがないんだけど、新解さんそのものはやっぱり面白いんだけど、でもなんとゆーか前作は赤瀬川原平が書いたから面白かったんだろうなと思ってしまったよ。
巻末がほんとに本編よりもごーか。
リターンズも積んでるので、またトイレ置いて読もう。 -
赤瀬川原平氏著「新解さんの謎」に続く作品。
新明解国語辞典が持つ日本語への拘り、用例の奥深さ、辞書なのに強すぎる意思を持った表現、版を重ねるごとに何故か微妙に変化する妙など、新解さんに対する愛情が余すところなく綴られており、よくぞここまで徹底的に読み尽くしたものだと感心します。
根を詰めて読むのではなく、毎晩少しずつアタマをリラックスさせながら楽しむ一冊です。 -
新解さんの謎の方がインパクトはあったな。一気に読むものじゃなくてちまちま酒のつまみのように読むものだな。ふっと笑ってまた明日。
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「新明解は読み物として面白いんだよ」ってことを紹介した本。確かに面白い。
しかし、語釈が偏っているというか、極端なところがあるので、子供にこの辞書を使わせたいかと言われるとちょっと困るかもしれない。 -
映画「舟を編む」を観て辞書に興味が湧いたので、長い間積んでいた本書を引っ張りだした。とっても面白かった!ぷっと吹き出したりニヤニヤしたりすることの連続。新解さん、人間臭すぎる。
語釈や用例の中に新解さんの考えが現れていて、私の辞書のイメージとは異なっていた。そんな新解さんに突っ込みを入れたり同意したりする夏石さんも面白い。確かに新解さんは、辞書を「ひく」というより「読む」というのがぴったりだなぁ。新解さんが猛烈に欲しくなった。ので、買った。 -
高校生時代に書店でこの本を買って、新解さんに大ハマリ。時を経て現在。しばらく辞書のこともこの本のことも忘れていたんだけど、何かがきっかけで新解さんの魅力を思い出し、当時の新解さんを実家で探したものの見つからず、新解さん第7版を購入。最近この本を見つけて(他に読まねばならむ本があるにもかかわらず)再読して、新解さんの魅力を再発見した。
いいですね、編集者の思いがにじみ出てくる辞書って。人の考えを聞いたり読んだりするのはいつも興味深いものだけれど、新解さんはちょっとした事にも自論を展開するから。その意志の強さ、素敵です。表現もうまくて惚れ惚れする。評判なのは3,4版らしいんだけど、この本の中に「辞書は最新版を買ってこそ」みたいな文言があったと思うので、それを私も教訓にしたい。そして新解さん第8版が出たらまた買いたいな。
猫は新解さんファンです。最近では明鏡も使ってます。
猫は新解さんファンです。最近では明鏡も使ってます。
ニャ!
ニャ!