- Amazon.co.jp ・本 (535ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043755042
作品紹介・あらすじ
狂熱の80年代なかば、米国の投資銀行は最先端の金融技術を駆使し、莫大な利益を稼ぎ出していた。旧態依然とした邦銀を飛び出してウォール街の投資銀行に身を投じた桂木は、変化にとまどいながらも成長を重ねる。一匹狼の日本人起業家に翻弄されながら進めてきた買収案件に調印する寸前、世界を揺るがす金融不安が…。虚々実々の駆け引きから、複雑な取引の仕組みまで、投資銀行業務をガラス張りにした経済小説の金字塔。
感想・レビュー・書評
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結構分厚い単行本でしたが読み始めたら止まらなくなりました。証券取引と金融工学の専門用語は、難解で正直理解出来ない部分がありますが、主人公の桂木だけでなく世界有数の欧州、米国系投資銀行で働く人の思考や会話、振舞いの描写がリアルで、当時の欧米を中心とした金融業界の様子がわかります。
私が特に好きな下りは、人の名前を全てジョンと呼ぶ桂木の上席の米国人が、「朝起きて何をする」、「その次は」「その間何をする」と聞き、彼自身は朝の身支度をしながら「今日一日自分はどんなことして、どんな展開になるかアンティシペイトする」と答えます。そして桂木に「アドレナリンは毎日流れているか」と聞きます。
NYCにはこうした人種は沢山いるだろうと思うと同時に、やはりこれぐらい情熱とパワーを持って仕事に取り組む姿勢が大事だと思いました。毎日自分にアドレナリンが流れているか自分自身に問うこと、それ自体が自身を鼓舞していくのではと思います。やはり仕事は信念と情熱を持って取り組みたい。そんな彼も途中数年の休暇を取り、「人間はやりたい事をやるのが一番」と別の機会に桂木に言います。
熾烈な競争社会で揉まれ成長していく桂木を中心に世界、特に欧州、米国及び日本の社会情勢や政治、そして金融業界とフィクションとノンフィクションが絶妙なバランスで描かれている国際経済小説で、勉強にもなります。
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金融小説好きな読者にとって最高峰の作品ではなかろうか。狂熱の1980年代から憔悴の2000年代にかけての日本経済の変遷を外資系証券に勤めるM&A、ディーラー、セールス3人を通して描く。上巻はバブル崩壊直後までの物語。
フィクションとノンフィクションが巧みに入り混じった内容で面白い。プラザ合意後の低金利政策を背景とした地価高騰とそれに伴う上げ潮のブル相場も、蓋を開ければ勘と浪花節の「Japan As No.1」経営であった。稚拙な日本式経営に対して外資証券の科学的な米国式経営に金融市場が弄ばれる様は日本人としては何とも哀しい。「損失先送り」の商品を買うバイサイドの愚かさも当時としては必至だったのだろう(その「帝王」の金融工学もLTCMを吹っ飛ばした1997年アジア通貨危機とリーマン・ブラザーズを発端とした2008年金融危機でその脆さを露呈する)。しかしマーケットで奮闘する3人の姿に高揚感も覚えるのも事実だ。
下巻が楽しみである。 -
金融の知識はわからないが、熱量や駆け引きが面白かった。またそこで働く人々の生活も垣間見えて、楽しく読めた。
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モデルとなる人物や企業があり、証券会社は実在のまま描かれているので、面白い。
野村vsソロモンのバブル崩壊の瞬間が手にあせ握る感じのなか、
竜神宗一が痺れるほどカッコ良い。
モデルは伝説のトレーダー明神茂さんだそう。
下巻が楽しみです。
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バブル期以後の日本企業と投資銀行のお話。面白いのは面白いのだが、なぜこの三人が主人公で、なぜ結末がこうなのだろうか、というところは少し。ストーリーではなく、エピソード集という感じ。別にそれはそれでもいいんだけどさ。
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(上下巻合わせてのレビューです。)
上下巻合計1000ページの大作ですが、とても面白い。
就活時代、投資銀行を受ける人の
バイブル的な本となっていた本です。
投資銀行の実情、日本のこれまでの歩みが詳細に記述されていて、
とっても経済の勉強になります。
一部、フィクション
一部、実話の構成ですが、
僕はあとがきを読むまで、
どこまでがフィクションで、
どこからが実話かがわかりませんでした(汗)
また、細かいスキームなんかも
完全理解とまではいかず。。
べ、勉強不足ですね。。
仕事柄、ある程度の理解も必要なので、
これからしっかり勉強ですわ。
外資の儲かればええやん主義は
個人的にはあんまり好きじゃないんですが、
にいいようにカモにされる日本企業も悲しいというか、
自己責任というか…。
情報やノウハウがなかったので、
仕方ないとは言え、もっと研究してよー、
見栄え気にしてる場合じゃないでしょ…って感じです。
色々と考えさせられた本です。 -
目に見えないものにうまれる価値。
株とお金は怖い、怖い。 -
下巻にまとめて記載。
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リアルに描かれている
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面白い。
金融知識があると尚更面白い。
投資銀行に憧れてしまう。