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- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043757022
作品紹介・あらすじ
山本五十六連合艦隊司令長官と、身分を隠し諜報員として活動した実在の予備役海軍中尉――非情な歴史の転換点に立ち会った二人の海軍軍人の姿に、壮絶な近代日本の宿命を重ねて描く長編。
感想・レビュー・書評
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真珠湾攻撃という太平洋戦争初期のエポックメークな戦闘に焦点をあて、日本が米国との全面戦争に突入に至る様々な背景を織り込んだ佳作。山本五十六が海軍次官のポストにあり、開戦に及べばアメリカには敵わないとの信念のもと、時の内閣内で陸軍省や海軍省内の艦隊派などの開戦派を相手に微妙な綱引きを演じていた海軍次官時代、一挙に開戦に傾き、開戦後の早期幕引きを考えていた連合艦隊長官時代と生々しい迫力で書き上げている。開戦の選択肢は不可避であった時如何なる戦略とシナリオで戦争に突入すべきであるのかを山本五十六は必死に考えたのであろう。しかし、目的が共有出来なかった南雲中将は、空母を取り逃がしながら緒戦の勝利に満足してさっさと戦地を離脱してしまった。この緒戦の失敗がミッドウェー海戦での太平洋戦争の方向性を決めてしまう大失敗へとつながっていくのはなんとも皮肉な結果である。何れにしても勝てない戦に日本を巻き込んでしまった山本五十六の悔悟の想いは彼
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