きみが見つける物語 十代のための新名作 放課後編 (角川文庫 あ 100-102)
- 角川グループパブリッシング (2008年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043894024
感想・レビュー・書評
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10代のための短編集。
放課後編は浅田次郎さん、石田衣良さん、橋本紡さん、星新一さん、宮部みゆきさんの作品をそれぞれ1編ずつ収録。
こういったアンソロジーが素敵なのは、まだ読んだことのない作家さんの作品に触れることができること。
5編の作品のうち、読んだことがあるのは宮部みゆきさんの「サボテンの花」だけでしたが(もしかしたら星新一さんの「門のある家」を読んだことはあるかもしれないけど覚えていませんでした)、5編ともそれぞれ魅力のある作品ばかりでした。
特に気に入ったのは、浅田次郎さんの「雛の花」
霞町の写真館に生まれ育った主人公が、強く美しい祖母の思い出を描いた作品。死に向かったときの凛とした姿勢を持った祖母の美しさに引き込まれてしまいます。
石田衣良さんの「西一番街テイクアウト」はドラマ化された池袋ウエストゲートパークシリーズの一作。
喰わず嫌いならぬ読まず嫌いで読んでいなかったのですが、興味が沸きました。
星新一さんの「門のある家」は、短い作品の中にSF(スコシフシギ)どころかIF(イッパイフシギ)の詰まった作品。
住宅街の一角に不思議な世界への門が開いていて、読んでいる自分が今にもその世界に引きずられてしまいそうな心持ちになってしまいます。
橋本紡さんはお名前すら知らなかった作家さんですが、「地獄の詰まった箱」は不穏な雰囲気が妖しい魅力をたたえる秀作。箱の中に詰まった地獄と、その中で生き残った一匹の猫、切り取られた物語の全体を読みたくなってしまいました。
宮部みゆきさんの「サボテンの花」は好きな短編の一つ。
定年を迎える教頭先生と、とげとげとしたサボテンのような小学生たちのひととき。ミステリ作家らしい謎解きのある作品です。
ただ、「門のある家」は主人公は30歳と放課後編として収録するには無理があるのがちょっと気になるところ。
これは娘に読ませたい短編集だなぁ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どの辺が放課後編なのか‥ちょっと小一時間程問い詰めたい。
コンセプトとセレクトが合っていない気がするが、何気にみんな初作家さんで概ね満足。
星新一さんの『門のある家』がすごく好き。
普通に考えたら不気味でしかないのに、居心地がいい場所として彼が当たり前に受け入れて振る舞う姿に、家の魅力というか魔力を感じた。
そんな幻想的で不思議な家に惹かれる。 -
星新一の作品が私の知っているものの雰囲気ではなく面白かったです。
掲載作品
『猫泥棒と木曜日のキッチン』橋本紡
『ごたごた気流』星新一
『骨音 池袋ウエストゲートパークⅢ』石田衣良
『霞町物語』浅田次郎
『我らが隣人の犯罪』宮部みゆき -
学校から一歩足を踏み出せば、そこには日常のささやかな謎や大冒険が待ち受けていた!?いま旬の作家が集結、彼らが描いたそれぞれの「放課後」のカタチとは?いまどきの名作を厳選、超豪華ラインアップでおくる短編小説集『きみが見つける物語 十代のための新名作』。「放課後編」には、浅田次郎、石田衣良、橋本紡、星新一、宮部みゆきの傑作短編を収録。
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5作あるうち、「門のある家/星新一」と「サボテンの花/宮部みゆき」が私は面白かったと思う。
石田衣良の「西一番街テイクアウト」も読みやすくて好きけど、私好みじゃなかったな(笑)
短編小説で好きな作品やキャラクターを見付けても、読み終わった時にすぐお別れみたいで寂しい。
キャラ読みするならやっぱ長編だね。←←
逆に、予想外のオチがある短編小説は面白い。
改めて星新一のショートショートが一番だなって思った。 -
これ、てっきり《10代の学生たちが繰り広げる放課後の物語》かと思ってました。
じゃなくて、《10代の子たちにぜひ読んでほしい、オススメの作家の物語》だったのですね。
期待していたコンセプトとは真逆だったので残念。
というか、よく見ればちゃんと『十代のための~』と書いてありますね( ̄∀ ̄;)
10代で読んでいたら読んだ印象も全然違ったのだろうな。
ラストの宮部みゆきさんの作品で、多少助けられたという感じ。 -
これは「放課後」なのか?
橋本せんせーネコすきすぎーー。 -
「放課後」という割には、放課後っぽさがあまり感じられなかったし、中途半端な印象がある作家さんもいたりして。
入門編。というか、きっかけ。的なシリーズなんだなと。
星新一さんの話が一番好きかもしれない。 -
相変わらず星新一さんの短編は才能を感じる。
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宮部みゆきさんはもちろん、
星さんの作品はやっぱり素敵だ。