ラス・マンチャス通信 (角川文庫 ひ 19-1)
- 角川グループパブリッシング (2008年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043905010
作品紹介・あらすじ
姉の体の上に息荒くのしかかる「アレ」に手を下した瞬間から、僕の人生の歯車は大きく狂い始めた。施設に収容され、理不尽な仕事でこき使われ、刻印された黒い染みに翻弄される、切なくも数奇な運命。ついに流れ着いた山荘で見た衝撃のものとは…。無垢な魂がさまようカフカ的幻想世界を、圧倒的なマジックリアリズムで描く異形のビルドゥングスロマン。第16回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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先だって氏の手になる新書を読み、本作は是非と思っていたもの。ファンタジー大賞受賞作ってことで気になってはいて、もともと手元にあったものを読了。乱暴にくくればファンタジーってことになるかもだけど、ジャンル不詳な雰囲気が〇。ホラーな味わいも良い塩梅。恒川や飴村あたりが脳裏をよぎりました。インパクトは、語り起こしにとどめを刺すんだけど、終始飽きさせられることのない種々の奇矯な事象もいずれ捨て難い出来。でも件の新書を紐解くと、スタンスとしては飽くまで純文学、とのこと。エンタメ感たっぷりだけど、そう言われてみれば、村上文学に通じるところもあるような気が。まあ面白ければいいので、本作はバッチリです。
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自分の血肉となった作品や、琴線に触れる作品を改めて選び直しています。そんな折、手にした1冊。
「次の奴」に朧げな記憶があるだけでしたが、それも結局は森見登美彦『きつねのはなし』とゴッチャになっていたりで、ほとんど初読状態。
でも「畳の兄」の箇所だけは、やはり鮮明に記憶に残っていました。
次の奴から鬼やら無毛の覇者やらが出てきて、グロテスクなのに帰巣本能が刺激されてもぅ…人には奨められないけど(^^;;、ほんっと面白かった!(笑)
小嶋さんの山荘に、間取りフリークの血が騒ぎます。
おなじく記憶にべっちょりと残る作品、桜庭一樹『ファミリーポートレート』も購入して読み返したくなっちゃった。
マイ本の有栖川有栖『赤い月、廃駅の上に』も。
カフカ+マルケス…と評されているのも嬉しい♡
平山瑞穂さん作品はコンプリートしていませんが、ダントツこれが好き!
ダークファンタジー好きにはオススメできるであろう1冊♪ -
ある少年の不思議な生涯を記した短編集。
としか紹介できませんw
わけのわからない物体が出て来て、抽象的な表現、謎が謎のまま物語が進むんだけど、そこに不思議な吸引力がある。
読みやすいし理解しやすいのに、わけがわからないという奇妙な感覚に陥りました。
この話はどこに向かってるのだろう?みたいな。
この不安定感はちょっと他の作品では味わえません。おすすめです!
第一章から引き込まれること間違いなし!!
ところで、目的買い以外でこのタイトルで手に取る人はいるのか?w -
仕事が忙しくなって来たのに、睡眠時間を削って読んでしまった。
ものすごい吸引力だ。
わけのわからないものがたくさん出てきて、私はたぶん全ては想像できていないのに、何と言えばいいのか、そこから目が離せない。
タイトルをどこかで見かけた時にちょっと気になっていた本だったけど、こんなことならもっと早く読めば良かった。 -
「SFだったのか!」と最後に分かるけど、拍子抜け。
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こいつは……、久々に……、
病んでる文章に出会ってしまった。 ←褒めてる
特に第一章「畳の兄」のパンチ力がスゴイ。
二章くらいまではぞわぞわが止まらない。
終盤、主人公が成長するにつれて
行き場のない不安感は影をひそめますが
不気味さは根底に流れ続けます。
ぞわわ、ぞわわ(違) -
文体、世界観と衝撃を受けた作品。ザ・マジックリアリズム。
物語は「僕」の実家時代から始まって、家を出されどこかの町で仕事についたり施設に入ったりと舞台はぽんぽん変わるが、歪なおぞましい世界はどこまでも広がる。
どこまでも救いようのない陰鬱で痛ましい世界だが、くせになってひきこまれる小説。 -
絵面が合わなく、挫折。話の面白さを味わうまで行きませんでした。
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姉の体の上に息荒くのしかかる「アレ」に手を下した瞬間から、僕の人生の歯車は大きく狂い始めた。
施設に収容され、理不尽な仕事でこき使われ、刻印された黒い染みに翻弄される、切なくも数奇な運命。
ついに流れ着いた山荘で見た衝撃のものとは…。
無垢な魂がさまようカフカ的幻想世界を、圧倒的なマジックリアリズムで描く異形のビルドゥングスロマン。
第16回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作、待望の文庫化。 -
表紙イラスト:榎本耕一
単行本はだれ?