- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043943890
作品紹介・あらすじ
伝説のベストセラーがついに文庫化。「泣いてみた」「海の守り神」「眠れぬ夜」「英雄」「心の扉」など38編に加え、新作7編を収録。世界一強い男のピュアな内面が繊細な筆致で表現された傑作詩集。
感想・レビュー・書評
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R3.3.19 読了。
言わずと知れた偉大なプロレスラーのアントニオ猪木さんの言葉。短い文章なのに心を揺さぶられました。
あの有名な「この道を行けばどうなるものか…。」で始まる『道』という詩が、まさか一休禅師の詩だとは知らなかった。
「馬鹿になれ」「歩け!」「蜃気楼」「駄洒落の神様」「感謝の階段」「今日も歩いている。」「開けゴマ」「それでいい」「ほんとうの自分」「人が好き」が好きな詩ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
角川文庫の出版案内を見て、驚きのあまり思わず買ってしまいましたー。ポエム界でかつて一世を風靡した、「あの詩集」の文庫版です(笑)。
有名な「サンタモニカの朝に」はやっぱり、猪木エッセンス満載で素晴らしい(笑)。この言葉のチョイスは、狙ってんのか、天然なのか?日々のひとこまを拾った詩のポエミーな言葉運びには、笑っちゃいかんと思いながらも笑ってしまいます。「カストロの葉巻」の、締めにはびっくり!それって、オチかよ〜。
それに対して、ご自身のルーツや若き日の思い出をつづった詩は、そのハードボイルドな描写に、思わず真剣に意識を集中してしまう。ブラジルへの移民船での出来事を描いた「海の守り神」は、あまりにも劇的で、猪木氏の歩いてきた厳しい道が、こんなにも早く始まっていたことに衝撃を受けたりしました。一編ずつにつけられた写真も、単純に見ても結構素晴らしいと思うんだけど、よーく目を凝らして見ると、被写体のせいもあるのか、なんだか遠近感が狂って見えるところもあったりして(笑)、楽しめます。
ポエミーというか、スットコな詩をメディアで紹介されたこともあって、面白ツッコミどころが強調されすぎてるきらいがあるようにも思います。たしかに、ツッコミどころは満載だと思いますが、あとがきの端正さに、猪木氏のあまり知られていない、内面の豊かさが盛り込まれていたりして、思わず尊敬度がアップ(笑)するようにも感じたり…なんか不思議に、あとをひく詩集です、はい。 -
猪木さんの詩集が文庫で登場。
詩の才能があるとかないとかそういう話は
どうでもよくて、稀代のストーリーテラーで
あり、ストーリーメーカーであるアントニオ
猪木の声を聴く。
時には檄をとばし、時には優しく包み込み、
時には怒り、時には涙する。
文章ではなく、詩という形で表れる声を
聴く。
それで元気になるならいいじゃないか。
それで力が湧くならいいじゃないか。 -
馬鹿になれ‼
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以前ネットで「心の扉」という詩を見て素晴らしいと感動したのを思い出して手に取った。最後の2行でハート鷲掴み。
新たに“感情にメロディを与えてくれた”のは「生き地獄」。新川和江さんが巻末の対談でおっしゃっているように、普通の人にはできないことを経験しているからこそ拾い上げることのできる題材で、猪木氏の素直で飾らない言葉だからこそ、実際にその地獄を見ているわけでもない私たちの胸にストレートに響いてくるのだと思う。
プロレスのこと、世界のこと、自分のこと、愛する人のこと、全部詰まった好感の持てる詩集。 -
アントニオ猪木はなぜ力道山を殺さなかったのか
猪木には信じている言葉がある
猪木のおじーちゃんは海の守り神であり
ということは猪木の帰る場所も海なのであって
魅惑のイノキアイランド
パラオの海は竜宮城なのだった -
猪木特有の茶目っ気やひとりよがり全開の詩も多々あるが、長い間猪木ファンだった自分としては、『眠れぬ夜』『師匠』に目頭が熱くなった。
許せぬものたちが時を経て、許せるものとなる。それらを回想して涙を流せた時、人は誰もが詩人となるのではないか。
冷蔵庫の納豆
食べちゃってごめんね -
詩について自分はよくわかりませんが、読んでいて心にググッとくる詩が多かったです。
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3つほどの詩を立ち読みし、おっと思って買ってみました。
内容は人生訓もあり、近親者の死を忍んだものもあり、わかり易く、親しみ易い作品でした。
使用している語彙や韻の踏み方もセンスいいですね。