大学・中庸 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044000103

作品紹介・あらすじ

『大学』では、国家の指導者を目指す者たちは、単に学問を身につけるだけでなく、自己をよく修養し、徳を身につける必要があることを説く。
『中庸』では、人間の本性とは何かを論じ、いわゆる「中庸の徳」(いかなる場合でも、感情が動く前の偏りのない静かな状態である「中」を守ることのできる徳のこと)を説く。

本書では、初心者でも抵抗なく読めるよう、活字は大きく(本文14級)、読み下し文は総ルビとし、一語一語の解釈を学ぶのではなく、現代語訳で全体の意味を理解できるようにした。

目 次
『大学』『中庸』解説
大学
1 『大学』のエッセンス――経の一章
   ■コラム1 二宮尊徳の読む本は何?――『大学』にもとづく実践哲学
2 明徳を明らかにするとは(釈明明徳)――伝の第一章
3 民を新たにするとは(釈新民)――伝の第二章
   ■コラム2 二宮尊徳の道歌――和歌で説かれた『大学』『中庸』の教え
4 至善に止まるとは(釈止至善)――伝の第三章
5 本末とは(釈本末)――伝の第四章
6 物に格りて知を致すとは(釈格物致知)――伝の第五章
   ■コラム3 朱子の「格物補伝」
7 意を誠にするとは(釈誠意)――伝の第六章
8 心を正し身を修めるとは(釈正心修身)――伝の第七章
   ■コラム4 王陽明の『大学』説
9 身を修め家を斉えるとは(釈修身斉家)――伝の第八章
10 家を斉え国を治めるとは(釈斉家治国)――伝の第九章
   ■コラム5 帝王学の教科書から現実政治の書へ
11 国を治め天下を平らかにするとは(釈治国天平下)――伝の第十章
   ■コラム6 『大学』にもとづく江戸の経世論――熊沢蕃山の『大学或門』
     中庸
1 『中庸』思想の原点――第一章
   ■コラム7 懐徳堂の『中庸錯簡説』
2 孔子の説く中庸――第二章~第十一章
   ■コラム8 『中庸』と郭店楚簡「性自命出」と
3 広大明白な現象(費)と隠微な原理(隠)――第十二章~第二十章
   ■コラム9 霊魂は存在するのか――『中庸』の鬼神章をめぐって
4 孔子が哀公に説く政治論――第二十章
   ■コラム10 日本人の心性に合った「誠」
5 子思の説く誠――第二十一章~第三十二章
    誠よりして明らか、明らかなるよりして誠(第二十一章)/至誠の聖人は天地と6 結び――『詩経』の言葉とともの――第三十三章
   ■コラム11 漱石『それから』のキーワードとなった『中庸』

感想・レビュー・書評

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  • 2024.05.06 読書開始

  • 『大学』は全文収録、『中庸』は全三十三章のうち二十七章を収録している。書き下し文・返り点のついた漢文・現代語での意味・解説が書かれ、大きなまとまりの冒頭では、何章〜何章でこんなことが語られる的な解説も入って、非常につかみやすい印象。漢文と現代語での意味を読んでて強く思ったのは、原文があまりにもシンプルすぎて、たくさんの補足が入った現代語での意味を読まないと何を言わんとしているのかが難解だなと。だからこそ、様々な解釈や論争がおき、それでも長い間読み継がれているものなのかなと。これ全部実践できたらそれこそ聖人だと思うけど、目指す姿に近づけるように努める心構えは持てるようにしたい。

  • 朱子学は緻密な論理体系を持っているが、やはり根本の所は宗教であることを改めて思い知った。万物に神が宿ると考える日本人にも馴染みやすい思想だと思うが、結果的に仏教を捨ててまで儒教を取り入れることがなかったのは何故なんだろう。この本では大学、中庸の構成と各章の概要を知ることはできるが、大学、中庸を俯瞰した思想を知るには不向き。

  • 東2法経図・6F開架:123.8A/Y16d//K

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著者プロフィール

1964年生まれ、大阪大学大学院文学研究科哲学哲学史専攻修了。現在、四天王寺大学人文社会学部教授。専攻は中国哲学。共著に『名言で読み解く 中国の思想家』(ミネルヴァ書房)、『初級中国語華本』(駿河台出版社)、『白川静の世界1 文学』(平凡社)ほか。

「2016年 『大学・中庸 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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