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- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044054045
作品紹介・あらすじ
国民歌を作詞せざるを得なかった斎藤茂吉、愛息を失った悲しみを日本最長の長歌に込めた窪田空穂。歌人たちのありのままの生活や想いを、新聞や雑誌、個々の歌集に戻りながら再現。一首一首を丹念に読み解くことで、彼らの内面と戦争から敗戦を経て占領期へと変遷する、時代の空気や閉塞感を浮かび上がらせる。既存の短歌史には収まらない、著者渾身の新しい試み。第56回芸術選奨文部科学大臣賞(評論その他部門)ほか受賞作。
感想・レビュー・書評
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読んでいて眩暈を感じるほどの名著。
歌論の中でも白眉中の白眉だと思う。
昭和の短歌を、思想、特に戦争とかかわりから精密に論じている。短歌が果たした戦争賛歌を積極的に見直した点は特にすばらしい。それもちろん戦争賛歌を肯定することではなくて、かえって強い反戦と表現の自由を守ることへの強い意思表示となっている。
我が国を「普通の国」にしようという政治姿勢がまかり通る今日この頃、今こそ読まれるべき本だと思った。
文庫本のあとがき(2012年1月)で著者が述べた言葉
「今、人々は東日本大震災の困難の中にあり、そこからの新たな一歩を手探りする多くの短歌が詠まれている。日々の暮らしの心の中を映しだす短歌の特徴がそこにも表れているが、人々のその手探りに、戦中戦後の人々の魂の声が遠く呼応しているように感じる」
まったく、その通りだと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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