TOMORROW (角川ルビー文庫 1-11 終わりのないラブソング)
- KADOKAWA (1996年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044124120
作品紹介・あらすじ
2年目の夏が来た-。二葉、22歳。横須賀の小さなアパートで竜一の帰りを待ち、愛を交わす毎日。このまま、どうなってしまうんだろう。これからどこへゆくんだろう-。そんな漠然とした思いのなか、優しく真摯な画家との出会いが、二葉の心に明るさを与えてゆく。だが同じとき、危険な目をもつ同じアパートの住人が二葉をじっとうかがっていた…。予期せぬ波乱、そして終わりなき2人の愛のあしたを描く、書き下ろし特別編。
感想・レビュー・書評
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最終巻です。
画家の大野さんが出てきます。大野さん、なんだか作者のように見えてきた。どうしようもなくグダグダしていて、何も進展しない二葉君に業を煮やして、作者自ら助け船を出したように感じました。そして最後はちょっと良い感じの終わり方になりましたね。それにしても、ちゃんと自立しようよ、二葉君。
しかしここまで9巻、結構読むのしんどかったですね。やはりこういう話しは私には向いてないっぽい。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終わラブの最終回。この巻は男どうしカップルの危険性というか、異常性というか、そういうものが現れている。最後はかなり明るく終了。この作者のこの流れのは暗く、悲惨に終わるものが多いイメージだが、これは結構明るく終わる。中間ぐらいは男同士カップルの問題も(完全にないわけではないが)あまり深くはなく、最初と最後がきついぐらい。どうしてこういう風な話になったか洞察できたら面白いかも。
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二葉が色んなことに感謝できるようになった。もう二葉はひとりぼっちになることはない。時間による変化も受け入れられる。何より、愛することができる。
二葉のラブソングは終わらない。それが二葉が生きているってことなんだろうな。
竜一とも、いつか穏やかな時間を2人で過ごせることを祈る。
しかしこのシリーズ、面白くなる要素はたくさんあるのに竜一と再会してから特にこれといった見せ場だったり山場がなかったのが残念。2巻の後半が一番面白かったかも。笑 -
いつもいつも、与えられる厚意を何の感慨もなく、当たり前に受け取って厚意を返すことも考えすらしなかった二葉。
自分から電話して消息を知らせたりするという、普通の付き合い方を学んでいき、心が豊かになる。
一見、マイナスに思える事柄も、そのことがあったからこそ次のプラスの事柄を受け止められる。そんな風に考えられるようになった。
成長したなぁ、二葉。
なんか、二葉の成長物語という感じだった。 -
人を愛すること、信じることを知らなかった二葉が生きはじめる物語。
最初にこの小説を読んだのは中学生の頃。一巻だけを最初に買ってその衝撃に撃ち抜かれ、あっという間に読み終えてその足で当時出ていた三巻までを買いに本屋へ再び向かったほどでした。
これほど影響を与えられた本はないでしょう。二葉の痛み、悲しみ、そして喜びに一喜一憂し、その幸福を心から願いました。
全八巻ともう一冊、『TOMORROW』が出ています。