機動戦艦ナデシコルリAからBへの物語 (角川スニーカー文庫 93-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044193034

作品紹介・あらすじ

地球と木連との戦争が終結を迎えようとしていた頃、アキトやユリカたちナデシコのクルーは艦を離れて自分たちのそれぞれの進むべき道を模索していた。だが唯ひとり天涯孤独のルリだけが行き先が決まっていなかった。引き取り手が見つからないのではない。あまりに希望者が多くて決まらないのだ…。ホシノ・ルリがナデシコA艦を離れ、B艦の艦長になるまでの、TVと映画の「ナデシコ」をつなぐ「空白の3年間」を完全小説化。

感想・レビュー・書評

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  • TVアニメ版と劇場版の間、所謂空白の3年間をつなぐ小説版「機動戦艦ナデシコ」。
    同じ時期を取り扱ったものにセガ・サターンのゲーム版があるが、オリジナルキャラなど独自要素もあったりのあちらに比べると、小説版は取材を受けた佐藤竜雄監督の名前も作者としてクレジットされた、文句無しの正統中継ぎ。
    否定的意見も多かった劇場版の如きハードな展開は皆無の上、ナデシコクルーはイズミ以外ほぼ全員登場、内容もアニメ版に準じたコミカルなものに。
    それにしてもジュン……自分がメインの話ですら、とことん損な役回り。

  • ナデシコ
    アニメの延長にある感じがして、良かったです。
    ノリも勢いがあり、文章も読みやすいしイメージがしやすい。
    けど単なるアニメの延長として終わらせないのは、この作品に魅力があるからでしょう。

    第1章
    出だしからアキト・ユリカ夫妻(仮)の営むラーメン屋にナデシコの面々が来てガヤガヤやったりと、アニメの賑やかな雰囲気が容易に脳内再生できました。
    ルリの引き取り手の話から、ミナトさんとユキナちゃんの家族愛のようなお話。
    ルリちゃんの引き取り手志願者が数多というのは凄くよく分かる。
    自分だってお家に迎えたいもの!な、何なら僕が
    それはともかくとして…ユキナの葛藤や嫉妬は女の子らしくてとても可愛らしい。
    ユキナちゃんにとってミナトさんがかなり大きな存在になっていたのは、
    兄を失った境遇を知った者としては大変嬉しかったり。
    フクベとホウメイそれとプロスペクターが良い味出してるのはTV版から変わらずの安定感。
    ルリを引き取るのは、ミナトさんでなくユリカのミスマル家のほうが様々な事情で良いと初めから考えていたプロスさんはさすがだ。
    誰も傷付かず丸く収まるべく大岡裁きを考案するところに、彼の手腕や思いやりが伺えてますます好きなキャラになっちゃいました。
    ナデシコの良いところは大人が本当に良い味を出しているところ、しかもあれこれ言いつつも互いを思いやり信頼し合えているところかな。

    第2章
    ユリカが父コウイチロウと喧嘩して家出するお話。
    結局はユリカに振り回されるジュンが可哀想だけど、トホホな立ち位置が彼には似合っていて哀愁深い。
    あと言葉に出てるわけではないが、何だかんだでルリが幸せそうに見えた。

    第3章
    アキトがユリカにプロポーズするためにガンバルお話。
    そして二人の結婚をユリカの父コウイチロウに認めてもらうために、アキトがラーメンを作るお話。
    ドタバタで読んでるほうも楽しい。
    ウリバタケが良きアドバイザーになってる。
    アキトがプロポーズしようとするところでルリが出てくるのは、ルリなりの反抗でもあったのかな?と思うととても可愛らしく切ない。

    第4章
    山場というかシリアスに終わる最後が『機動戦艦ナデシコ』らしい。
    全体的に明るい物語だったからこそ、最後の方であっさりと語られるテンカワ夫妻の事故は悲しい物となっている。
    この作品全体がモラトリアムとして機能していたんだと、読んでる側もナデシコの面々とともにモラトリアムを味わいたかったんだったんだと、思いました。
    ホウメイとプロスペクター、ジュンとユキナ、リョーコとエリナ、メグミとルリ、それぞれの会話。
    モラトリアムとの決着の付け方がみんな違いつつも、ナデシコという存在がいかに彼らにとって大きなものだったか窺える。
    悲しいけど、ルリが自分の居場所を見つけられたのはせめてもの救いか。

    この小説はナデシコのアニメや映画を観た人ならきっと満足出来るものだと思います。
    またこれから映画を観る方にもオススメです。
    これを読んで『機動戦艦ナデシコ』のことますます好きになりました。
    登場人物すべてに見せ場があって各々が生き生きとした素敵なキャラクターだったなと実感させられた。

  • ナデシコ大好き!

  • 急に自分の中に到来したナデシコブーム。
    それを満たすために読んだ。

    TVシリーズと劇場版の空白の3年間を埋める作品。
    ザクっとした感じで感想を。

    ミナトさんは、いい女だと思っていたけど、ユキナへの移住の際の愛情でますます惚れました。
    フクベ提督復活には驚いたなぁ、ユキナにハッパをかけるためだけに復活って(笑)

    その後の結婚のドタバタはナデシコだなぁ~と
    そんな日常が「いつまでも続けばいいと思う」アキトには胸が痛んだ

    リョーコとエレナの女の友情の芽生えは少し驚いた
    合わない二人だと思ってたから、アキトを介して繋がるとはなぁ

    ルリルリ、いい娘に育ったなぁ
    自分の居場所を掴み取る姿は涙だよ。
    アキトとユリカとルリは、また一緒になるべき!!

    劇場版の続きが気になるよなぁ
    去ってしまったアキトを、ユリカとルリが追い続けてるんだろうなぁ~
    ま、二人から逃げられるとは思えないから・・・(笑)

  • 懐かしくなって再読。テレビ版ノベライズの時はルリの一人称の語りだったが、こちらは三人称の語り。どちらかと言うと読みやすい。ユリカは相変わらず非常識というか、どこか足りない。最後はそれぞれがナデシコから「卒業」という形になった。劇場版を知っているせいか、こんなコメディ生活の裏で火星の後継者達が…と思うと、ちょっと苦しいかも。

  • 4044193037 254p 2002・6・5 8版

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