成澤准教授の最後の恋 (角川ルビー文庫)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044550042
作品紹介・あらすじ
フランス文学部准教授兼有名翻訳家の成澤は、強い雨の夜、非常階段で死のうとしていた蒼井を助ける。彼は馴染みの出版社の新米編集者だった。なぜかその時の思い詰めた表情が気になり、次の仕事を受ける代わりに、無理やり蒼井を担当に指名した成澤。厭世的で人との関わりを避けてきた自分とは違い、純粋で常に前向きな彼に、恋に堕ちたと自覚した成澤は、どうしても君が欲しいと、蒼井に想いを告げる。しかし、頑なに自分を拒む彼には、癒えない心の傷があると知り…。准教授×新米編集者の身も心も捧げる、最後の恋。
感想・レビュー・書評
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フランス文学専門の准教授の成澤は「何もかもがつまらない」日々を過ごしていた。
ある夜非常階段から飛び降りようとしていた新人編集者の蒼井を助けるが飛び降りようとしたのではなく「ただ雨に濡れたかった」だけと蒼井。
そんな彼に次第に成澤は…。
誰にも執着せず恋愛に関してもクールに徹してきた成澤が地味でどこに惹かれる要素があるのか悩みながらも、蒼井の本質を知っていくうちに好きになっていく所が良かった。
蒼井の心に住む想い人への気持ちの重さに成澤が心乱され嫉妬し、そして取った行動。
最後蒼井がそれに応えて受け入れてお互いに「好き」だと言えてホッとしました。
「恋なんて最低だ」の後の
「もうこれで最後にしたいね」
グッときました。
SSの蒼井目線でのラストの
「けっこう、かなり…」最高!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
攻め:准教授・成澤恵
受け:編集者・蒼井友也
顔よし、女性の扱いも上手い、若いのに准教授、三拍子揃った成澤は相手に事欠かない。
なので、最初はほんの遊びのつもりだったのだ、蒼井とのことは。
しかし蒼井は抱いても抱いても雨の日は自分を見ていなくて、それを何とかしたくて躍起になってしまう。
そうこうしているうちに、実は蒼井の失恋の相手がすでに亡くなっていると聞かせれて、、、。
切ないお話です。
攻めが受けの心を自分のものにできないのも切ないし、受けが過去に囚われていてそこから出てこれないのも切ない。
でも、成澤のお陰でやっと明るいところに出てこれた、引っ張り出された。良かったです。
やっと幸せになれるね。
そして、お姉さんとの話ではつい、うるっと来てしまいました。これもいい話だった。これでやっと蒼井は過去から解放されたんだと思います。 -
私も片想いの相手はもしかして・・・と思っておりましたが、世の中そんな甘くないっすね(笑)
最後の方はどんどんとシリアスになっていくのに、独占欲の強い攻めに癒されました。 -
やっぱり高遠さんの文章好きだ~って確認した。
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作者史上一、二を争う(らしい)地味な受けちゃんwwwまったくその通りだったけどなんかカワユク感じられて私的に美味しく頂きました。フランス文学ネタも最近の某アニメを思い出して冒頭からちょっとニヤリ。別の意味で楽しんでしまいました。スミマセンw
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十五年ぶりぐらいに購入したルビー文庫。やっぱり高遠氏のお話は素敵ですね。
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フランス文学の准教授ということもあって
気障なセリフもなんだかハマってた。
蒼井の高校の時の話が切なかったので蒼井視点なら泣けたかもしれない。攻め視点だと入り込み辛いので(私が)最後まで客観的に読んでたw