池上彰×津田大介 テレビ・新聞・ネットを読む技術 (中経の文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046018397

感想・レビュー・書評

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  • 難しくない。技術といえるほどでもない。

  • あの池上彰が、テレビは全然見ない。
    自分が出演したテレビですら見ないとはっきり言っていた。

    テレビから2時間で受ける情報はたいへん少ない。
    その上テレビは2時間ずっとその前に座っていなければならない。
    それならば2時間本を読んだ方がよほどの情報量が手に入る と 断言している。

    津田大介に至っては、情報の3割がネット、三割は活字、4割はいろんな人に出会ってその人から貴重な情報を仕入れるといっていた。

    やはり実際に人に会って人から聞く情報というものは、
    大変貴重だということだ。そしてそれに池上彰も強く同調していた。

    TBSは、テレビ事業は、赤字。不動産業の赤坂サカスは 好調。読売新聞も 新聞事業が 不振だから、新社屋をたて不動産業で 稼ごうとしている。
    でも、「新聞社の土地は、政府からの払い下げが多いから、公平ではない。」「そもそも 公共の電波を使って得た金で不動産収入を得るのはどうなのか。」「そうしたビジネスモデルでは新規参入ができない。」
    という意見も はっきり 記している。
    そうなんだ。そんな中で 今 報道してるんだ。

    また リーマンショック後 優秀なテレビ制作会社の人々は
    民放から NHKに行ってしまったとのこと。

    そんな 環境で 同じような 情報の垂れ流しが おこるのか。


    ただ1度ネットに載せたものは永久に残ると思われていたが、実はどんどん上書きされて埋没し消えてていくことがわかった。
    今までGoogleの検索エンジンとしての機能が素晴らしく5割ぐらいの有効率があったが、
    Twitterなどのsnsも検索エンジンに乗せるようになってからは2割ぐらいの有効性しかない。
    確かに自分で調べようとしても、Twitterばかりが上位に上がってきて正確な情報が、わからなかったという現実がある。
    かくなるうえは自分で自分が知りたいことは、やはり本を読んで調べて、自分なりにファイルしていくという必要性を痛切に感じた。

    社会部と政治部は仲が悪いというのは事実だ。
    社会部出身の池上彰は語る。
    何万人もの人に自分の名前を書かして出てくる政治家というのはたいした魅力がある。
    その魅力にのまれないようにしなくてはとも言っていた。
    何より政治部の記者というのは政局ばかり書かず、政策を書いて欲しいとも言っていた。

    一般の国民はTPPが何かもわからない。原子力の安全性についても可能性についてもわからない。北朝鮮の潜在的脅威についても、ヨーロッパ諸国の難民問題についても、・・・
    それを噛み砕いて、専門家にも聞いて勉強してそれが、政策についての報道となってくる。

    ただ何でも簡単ではないのだ。
    イエスかノー白か黒かではっきり分かれる問題ばかりではない。
    世の中というのはたいそう複雑にできている。
    複雑なものは複雑だとはっきりそのことを伝えて欲しいとも言っていた。
    本来は複雑であるばかりのものそのものをシンプルに白か黒かつけようとすることに感情論が走り間違いが起こる

    池上彰は真実という言葉が嫌いとも言っていた
    自分は真実でなく 事実を伝えたいと言っていた

    真実という言葉には、感情的な、「私こそ正しい」と言えるような何か熱いものが伝わってきて、予断を許さないイエスノーを求めるようなところがある。
    事実というのは、もっと客観的でおおらかなものの見方ができるような気がする。

    これから価値観が多様化し、ますます複雑化している世の中で
    多様性を受け入れていくのは 真実でなく事実を受け入れていくというスタンスなんだなと 実感した。

著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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