証し 日本のキリスト者

著者 :
  • KADOKAWA
3.87
  • (5)
  • (6)
  • (2)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 211
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (1096ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046019004

作品紹介・あらすじ

「証し」とは、キリスト者が神からいただいた恵みを言葉や言動を通して人に伝えることである。


本書は、北海道から沖縄、五島、奄美、小笠原まで全国の教会を訪ね、そこで暮らすキリスト者135人に、神と共に生きる彼らの半生を聞き書きしたものだ。自然災害や戦争、事件、事故、差別、病のような不条理に直面してなお、彼らは神をどうして信じられるのか? なぜ、信仰は揺るぎないものであり続けるのか。


回心、洗礼、家族、献身、開拓、奉仕、社会、差別、政治、戦争、運命、赦し、真理、そして復活……。それぞれの章で語られる「証し」のなかで「信仰とは何か?」という有史以来の謎に向き合い、終章の「コロナ下の教会、そして戦争」で、日本におけるキリスト教の現在地をも筆者は照らし出す。


構想10年、取材6年。1000ページを超える圧倒的なボリュームで綴る渾身の長編ノンフィクション。


〈目次〉
この本について――まえがきに代えて

第一章 私は罪を犯しました
第二章 人間ではよりどころになりません
第三章 神様より親が怖かった

十字架の風景1 兄弟姉妹

第四章 お望みなら杯を飲みましょう

十字架の風景2 教会とカウンセリング

第五章 神を伝える

十字架の風景3 宣教ブーム

第六章 自分の意思より神の計画
第七章 教会という社会に生きる
第八章 神はなぜ私を造ったのか
第九章 政治と信仰

十字架の風景4 夫婦と教会

第十章 そこに神はいたか
第十一章 神はなぜ奪うのか
第十二章 それでも赦さなければならないのか

十字架の風景5 宣教の終わりと始まり

第十三章 真理を求めて
第十四章 これが天の援軍か
終章 コロナ下の教会、そして戦争

あとがき

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本人にとって「信仰」とは何か?――『証し 日本のキリスト者』最相葉月さんインタビュー | インタビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/747649

    「証し 日本のキリスト者」 最相 葉月[ノンフィクション] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321610000779/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【書評】最相葉月著『証し 日本のキリスト者』 : 書籍 : クリスチャントゥデイ
      https://www.christiantoday.co...
      【書評】最相葉月著『証し 日本のキリスト者』 : 書籍 : クリスチャントゥデイ
      https://www.christiantoday.co.jp/articles/31917/20230124/testimony-christians-in-japan.htm
      2023/01/31
  • 最近ずっとキリスト教について考えているので、読んでよかった。
    教文館での最相さんのトークイベントでは、訪れた教会や地域の特色についてのお話を聞けた。

    信仰との出会いは人それぞれ。
    信仰の仕方も人それぞれなんだなということがよくわかった。
    全て一人称で語られているのも、ドキュメンタリーを見ているようでよかった。

    ただ、トークイベントで最相さんがおっしゃっていた「いけないあとがき」は、全然いけないというわけではなく、むしろ6年間話を聞き続けたリアルな感想だなと思った。
    「イエス像」について、同じように思っていた部分があったので、深く共感した。

    トークイベントで「話を聞いてるうちに入信してみようという気になりませんでしたか?」と聞いたが、「何度もあった。でも今じゃないと思った」とおっしゃっていたのが印象的だった。

    「なぜ人は宗教を求めるのか」
    と考えていたけど、いまは「イエス」という人物について、もう少し知りたいと思う。

  • 別の本でこの本の存在を知り、図書館で予約、順番が回ってきて取りに行った瞬間「えっ、こんなに分厚いの⁈」と驚いた。結局、一回の貸出期間では読みきれず、改めて予約をして二度目の貸し出しで読了した。
    ボリュームはあるが、一人一人生身の人間の声や生き方に圧倒された。特に戦争や震災を体験した人たちの証言は、一市民の生の体験談として、歴史的にも価値あるものだと感じた。
    日本のキリスト教の宣教は難しいとよく聞く。しかし、どのような苦難の中でもこの信仰に拠って立つ人々が確かにいる。そして神様は決してこの人たちを見捨てることはないのだ。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566636

  • 濃厚すぎる

  • 「証し」とは神から受けた恵みを人に伝えることだという。
    そのせいか教会で聞かれる証しは、
    多勢の人の前ということもあるが、
    時に綺麗にまとまったものであることも多い。
     この本のタイトルに異議もあるようだが、
    そもそもタイトルが「証し」でなかったら、
    読んでいなかったと思う。
    期待に違わず、それぞれに与えられた人生
    (平坦でないことが多い)と格闘しつつ、
    神の働きに思いを巡らせ、
    真摯に向き合う様子が生々しく、呼吸感をもって表現されていた。
    この本がなかったら、知る機会もなかったであろう証しとの出会いに感謝する。

    それぞれの証しは重く、
    祈りたくなるような時もあったが、
    今後個人的に考えを深めていきたいことを
    二つ発見して、ワクワクしている。
    ひとつは、「女性神学」という分野があるということ。
    この視点から聖書を読み直してみたい。
    もう一つは、「イエス・キリストはゼロ神教」
    だという晴佐久神父の言葉。
    ピンときた。
    イエスはキリスト教の一神教におさまらない、
    そんな気がしていたのだ。

  • 著者が6年にわたり日本各地の教会を訪問して聞いてきた質問、神をどうして信じたのか、自然災害や戦争などの不幸が起こる中でどうして神を信じ続けることが出来るのか、どうして牧師・神父になったのか、など多くのインタビューイーの言葉の数々。東日本大震災、LGBT問題、ウクライナ侵略戦争、コロナウイルス禍など、最近起こった信仰を考えさせられる問題にもしっかりと向かい合った人々の姿である。語り手約120人は実に広範囲、カトリック、正教会、聖公会、救世軍、無教会主義の集会、日本キリスト教団のリベラルな教会、ホーリネス、バプテストなどの福音主義教会、ペンテコステ系教会、戦後宣教師により開拓された教会…。場所も北海道、東北、東京、小笠原、神戸、鳥取、福岡、長崎、五島、鹿児島、奄美、沖縄など日本各地。そしてブラジル・韓国など外国出身者、在日など。年齢も90歳代から若者まで。信仰的な話もあれば、信仰的とは全く言い難い不信に満ちた話も。それが日本のキリスト教界の生々しい実情をそのまま表しているような迫力である。「証し」は教会では多く使う言葉であるが、私にとっては普段の教会では知ることが出来ない、様々な人たちの正直な言葉(証しとは言えない言葉)を聞いて、キリスト教会の知らない面が多く分かり、驚きでもある貴重な体験になった。14章が回心、洗礼、家族、献身、開拓、奉仕、社会、差別、政治、戦争、運命,赦し、真理、復活、現在というテーマで区切られており、キリスト者を取り巻くテーマを示し、興味深く読めるようになっている。最後の「現在」は著者自身のキリスト教理解が示されている。そして著者は神戸市灘区の教会付属幼稚園に通っていたことが明かされ、この問題意識の背景が分かったように思う。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『青いバラ』『セラピスト』『れるられる』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』ほか、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月のさいとび』『最相葉月 仕事の手帳』など多数。ミシマ社では『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)『胎児のはなし』(増﨑英明との共著)を刊行。

「2024年 『母の最終講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

最相葉月の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×