人生が変わるすごい「地理」 【学問】の力で働き方と生き方の【答え】が出る!

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046021755

作品紹介・あらすじ

私たちの人生は自分の力でどんなに切り開こうとしても、周りの状態=環境に常に左右される。その呪縛からは逃れられない。つまり、人生を切り開くためには、いかに環境と自分を合致させるかが鍵となる。そのお手本は地理。人類は誕生以来、常に環境との因果応=地理で進化・発展してきた。つまり、その人類と地理の関係に学べば、そして地理から得られた知見=地理思考を人生にフィードバックすれば、あなたの人生の成功の鍵を手に入れたことになる。

つまり、地理思考こそ最強の人生の指南本である!

感想・レビュー・書評

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  • 筆者独自に編み出した「地理的思考」を駆使して、様々なトピックを読み解いた本。
    タイトルの「人生が変わる」は大げさとしても、筆者の思考はかなり洞察力に富む。


    1. 日本人とは:海洋国家に帰属するアイデンティティをもった人々というのはオンリーアフター明治時代
    2. 「働く」という価値の変化:農業革命から産業革命そして情報革命へ。食べるために働くから働くために食べる
    3. 組織の必要性:世界は子供の集まり
    4. すべて白黒決めなくていい:パレスチナや北方領土のようにそれぞれの見方に決着をつけないことも大人の対応
    5. 競争は本当に大切か:ランキングは何を基準にするかによって変わる。空間は時間軸で俯瞰
    6. 逆算する視点をもつ:結果だけを見て判断しない。原因にさかのぼる
    7. 縁起:語源と由来の両方が入っている点がより適切
    8. 結果に隠された「必然」:人がたくさん往来するから通りができて街ができた。
    9. 人と都市:地理的環境とは、自然にどれくらい人が手をいれたか
    10. 難しい相手との付き合い方:他者に寛容になること
    11. 固定観念のほぐし方:地図にはイデオロギーが入っている。ピーターズの世界地図をみれば一目瞭然
    12. 公平と平等:公正という概念が先立つが、本質が一緒なことが公平であり、形式が一緒なことが平等。
    13. 横並び対個性:栃木市は、鉄道を嫌ったおかげで今独自の個性を発揮できている。
    14. 決まりは誰が作るのか:決まりはいつの間にかつくられる
    15. 世界の価値観。「モノ」から「情報」へ:サッカー大会の冠が変わることから読みとれる、日本の衰退と中国の発展

    人生のとらえかたとして「ロケとロケハン」というのは、さすがテレビマン。

  • 人生が変わる地理という題名に惹かれて買いました。さらに、作者は地理学者ではなく、元テレビプロデューサー、現在バラエティプロデューサーであることにも驚きました。
    地理なのに、(地理だから?)、決まりとは何か、組織はなぜ必要なのか、など、魅力的なテーマが並んでいます。さらに鎌倉幕府の成立についても言及されています。
    何度も読み返したくなる一冊です。

  • 地理好きな人って歴史が苦手なことが多いが自分もそのひとり。なので地理よりも歴史について書かれてる部分が多いんじゃないかとさえ思う本書は頭に入りづらかった。タイトルに誘われた感が否めない。

  • 「人生が変わるすごい」というタイトルはちょっと大げさですね、読んでいるあいだ、どうしてもそのタイトルと書かれている内容のギャップというか違和感がアタマから離れませんでした。
    確かに「地理」として扱う内容は人間の営みを反映したものや自然の摂理の結果、あるいはその自然に人間がどう向き合ってきたのかというその結果を学ぶことにほかなりません。単なる受験勉強としてさまざまな項目を暗記するだけではなく、そういった深い点を掘り下げ、自らの生き方にフィードバックすることでよりよい人生を歩むことができるのでは、という著者の考えは理解できます。
    であるからこそタイトルはおおげさにならず、その訴えたい点をもう少し謙虚に示すもののほうが内容との親和性が高かったのではないか、と思います。

  • この本には「地理思考」という言葉が何度も出てくるのですが、他の思考との明確な区別がないまま使われおり(著者は「はじめに」に定義したつもりだと思われますが、それをなぜ「地理思考」と呼んでよいのかは判然としません)、帰納も演繹も類推も、何でもかんでも「地理思考」と呼んでいるので、ものすごく違和感があります。

    ただ、発想としては、面白い部分がそれなりにあります。
    が、発想とその思考の結果として得られた「結論」について、正しさの裏付けがあるかと言うと、そうではない部分も多いので、書かれていることを事実として受け取るのはかなり危険だと思います。

    ある意味、竹内久美子の本に近いような気がします。
    竹内久美子の専門(?)は生物ですが、この本は、その地理版だと思っておけば、この本を上手く活用できるように思います。

  • 地理思考
    地理〜ちのことわり

    環境の力は圧倒的に大きい

    「現代日本に見られる欠陥の一つは、偏差値信仰のせいで智(wisdom)」より知(knowledge)を過剰に評価する点にあるのではないだろうか。人が人として生きていくのに必要なのは、知ではなく智であるべきだ。知は大脳皮質の表面だけの能力を示すのに対して、智は大脳の奥底から湧き上がってくる叡智、つまり、脳力の総和を示すといえるからだ」麻生川静男『資治通鑑に学ぶリーダー論』

    資治通鑑しじつかん
    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/資治通鑑

    01日本人ってなんだろう?
    アイデンティティとは、拠り所、帰属意識
    先祖は誰か?
    日本人という意識はいつから?〜明治維新以降

    p27
    自分とは異なる時代に生きた人が、そのときどう思っていたのか?
    とこまで知っていて、何を知らなかったのか?
    何を当たり前と感じ、何に違和感を覚えていたのか?

    02働くという価値は、どう変化したか?
    地形と気候
    食と文明
    島国、温暖湿潤
    米が主流になったのは、気候

    三代穀物
    とうもろこし、米、小麦

    06逆転の視点を持つ
    淀川よどかわを遡る

    地名、先に結果を知ってることが多い
    が、原因は必ずある
    地名を学ぶと、多くの人の思考や行動がわかる
    よど、と えどは語源が一緒
    川が合流して淀むのが淀
    海岸付近で海の水が淀むと江戸

    淀んでいる場所=都市

    ロンドンのロンドの意味は泥

    ヘゲモニーとは
    指導的な立場、地位、主導権

    07由来や語源より深い縁起を知る

    国名は基準が不明瞭

    アメリカ=商人の息子
    オーストラリア=未知の南の土地
    中国=世界の中央の華やかな人民の国
    イギリス=角張った土地
    イタリア=仔牛
    トルコ=強い人
    日本=日出ずる処

    08結果には必然が隠されている
    道があるから街ができる

    物流が必須 =船の
    なので、川のそば


    寛容こそ、未来を生き抜く知恵だ

    公表と平等の違いは?

    お金は日本から中国へ
    価値は、モノから情報へ

  • 教養があるから人生を楽しめる。その切り口、物事に触れる感性の一つに、地理から事象を理解する方法がある。私なんかは、固有名詞を一々覚えることに中々情熱をもてないタチだし、地理にも疎い。だから、何かに触れた時、既に有する知識に結晶化させながら理解を楽しむなんて事が、著者ほど出来ない。内容は、趣味程度と言えば失礼だろうが、しかし、学者ではないのだから、趣味で良いのだろう。だからこそ、何かしら知性よりも感性に響く本。
    中に、人生とはロケやロケハンなどという格言?が出てくる。はてと思うと著者はテレビマンであったよう。道理で、モンゴルの話などは読ませるものがあった。

  • 11章でピータースの世界地図について扱うが、ほぼ同じ文章がLSPブログというサイトでyodaという方によって書かれている。筆者がそのサイトでコラムを書いているようなので、その文章もおそらくこの筆者が書かれたものだと思うが、昔書いたものを編集し直した本であるなら、そうと書いて欲しかった。参考文献等が何も書かれていないのも、こういった理由なのでは推測してしまう。

  • 事実に基づき、見た目にとらわれず、何と比べて客観的に見てどうなんだ、という考え方、そのベースに地理と言った事実に基づき思考しましょう、地理というか歴史、過去に形成された事実ということでしょうか。分かったような分からなかったような、この感想書いててもうまくまとまってないですが(笑)

    このあと読みたいファクトフルネスと似た考え方なのかなと推測してみる。ファクトフルネス読んでないけど前評判とかオリラジ中田さんの動画見た感じ、そういう思考なのかなと感じたので。

  • タイトルがちょっと大仰過ぎる気がした。
    「世の中の見方が変わるすごい地理」くらいがちょうど良い気がする。地理に興味のなかった人たちへの入門書としてはちょうどよさそう。
    面白く読んだ章はもちろんあったのだけど、旅行のコラムで、福島原発事故の影響でゴーストタウンになった街の電柱に東北電力のコピーの入った看板があったという件で、東北電力の東北に傍点がついているのがどういう意図なのか量りかねた。なぜ東北電力をわざわざ強調する必要性があるのか。「地域とともに」というコピーを揶揄しているようでいい気がしなかった。

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著者プロフィール

角田 陽一郎:
バラエティプロデューサー/文化資源学研究者
千葉県出身。千葉県立千葉髙等高校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。

「2021年 『仕事人生あんちょこ辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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