トヨタの育て方

  • KADOKAWA/中経出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046026828

作品紹介・あらすじ

トヨタの元リーダーが語るメンバーを「考える人材」に変えるメソッド。

感想・レビュー・書評

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  • トヨタの育て方 (中経出版) 2013/9/26

    リーダーや上司は部下を育て、自分の分身を つくらないといけない
    2018年1月10日記述

    ㈱OJTソリューションズによる著作。
    2013年9月14日第1刷発行。

    いわゆるトヨタ式による部下を育てるノウハウ、考え方をまとめた本。
    かつて若松義人氏の著作でも似たような話を読んだ記憶がある。
    しかし改めて部下を育てるかの大切さを気づかせてくれた。
    特定のカリスマや出来る人だけに頼る経営には限界がある。
    またその人が亡くなった後が続かない。
    スーパーマンがカバーできる範囲には限界がある。
    だからこそリーダーや上司は部下を育て、自分の分身を
    つくらないといけない。

    参考になった部分を列挙してみたい。

    効率的にモノをつくり、生産性を最大限に高めるには、
    自分で考え、自律的に動ける社員を育てることが不可欠だ

    人間がモノをつくるのだから、人をつくらねば仕事もはじまらない(豊田英二)

    部下を伸ばすリーダーは、仕事のプロセスにこだわるので、
    部下に自分で答えを見つけるように促します。
    部下はもらった答えよりも見つけた答えのほうが達成感を得られるのでどんどん成長していきます。

    やれと命令するだけでなく、上司が自分で率先してやるのです。
    上司が自ら率先垂範して本気になって職場を良くしようとすれば、必ず部下もそれを見習ってついてきます。

    ひとり一人が意識して考えないと、会社の利益は生まれない

    部下にすぐに答えを与えるのでは無く考えさせる

    人を責めずに、しくみを責めろ
    部下がミスをしたり、トラブルを起こすのは、しくみに問題があるからです。
    例えば標準のようなものが職場にないのであれば、自分の職場の標準を作成してみてはどうでしょうか。

    部下が標準を守れないなら、標準自体に何か問題があるということです。
    部下からヒアリングして標準を見直さなければなりません。

    結果が間違っていても、プロセスが正しければ頭ごなしに叱るようなことはしない

    評価で差をつけることはあっても、仕事の機会に関してはえこひいきはしません。
    上司は常にアンテナを張っておいて、部下の良いところ、得意なモノを探す。
    そしてそれが活かされる場を探してあげることも大事な仕事です。

    人望のある上司
    自分の責任をわきまえていて、その責任を取ることを恐れない人
    部下から信頼されているかどうか

    問題はあることが問題なのではありません。
    解決されていないことが問題なのです。

    きづく
    問題に気付くこと。現場を視える化することによって
    問題に気づきやすくなります

    うずく
    顕在化した問題を改善することです。
    ひとたび問題が明確になると、治りかけのかさぶたがかゆくなるように
    人はそれを解決したくてウズウズしてくるものです。

    ねづく
    改善した結果、その状態が定着し、現場の管理がレベルアップすることです。
    文字通り、改善結果が根付くという意味です。

    上司があるべき姿(標準)を示して、部下の気づきを促してあげるのも大事な役割だ。

    問題を顕在化するには、現場を視える化することが大切です。
    視える化とは情報を組織内で共有することにより、現場の問題の早期発見、効率化、改善に役立てることを目的とする手法です。

    片付けをすることで改善すべき問題が浮かび上がってくる。
    必要のないモノが現場に散乱し、床が汚れている状態では問題はひと目ではわかりません。
    片付けは問題に気づきやすくする視える化の大きな第一歩です。

    原因を探すな。真因を探せ。
    真因を見つけ出すためのトヨタのツールが「なぜなぜ5回」
    5回にこだわる必要はありません。
    3回で見つかることもあれば10回目で見つかることもあります。
    その原因に手を打てば、問題が解決され、同じ成果を上げ続けられるという所までなぜを繰り返していくのです。

    上司がなぜ問題が起きたのか?を部下に問いかける習慣をつけること
    緊急を要する案件は別ですが、少し余裕のある問題であれば、部下に考えさせることが必要です。

    研修は学ぶ場にとどまらず、能力の確認の場という位置づけです。
    トヨタの階層別研修は、新しいことを学ぶ機会ではありません。
    あくまでも、昇格に必要な能力があるかどうかを確認する場なのです。

    部下から相談された時は、すぐに答えを与えずに、目的をはっきりさせることが重要だ
    部下に考えさせるだけでなく、上司はそれに対して自分なりの答えを
    もっていなければいけません。

    上司にかみついてくるような人は、良い悪いは別にして信念を持っています。
    不平不満を聞く。
    ひとくせある部下にも機会を与えることが大切。

    立場や権力だけでは人は育たない。理解・納得してはじめて成長する。
    どんな仕事でも相手が納得しないと、教えても元に戻ってしまう。
    腑に落ちるような説明をしないといけません。
    納得させるには相手に考えさせることが必要です。
    →あなたの一番の仕事は何ですか?何をやると付加価値が生まれますか?

    上司は部下のことを知らなければマネジメントすることは出来ません
    部下がどんな情熱をもっているのか、どんな考えをもって働いているのかを上司は部下と接点をもって知っておかなければなりません。

    実践がともなわない座学は意味がない
    聞く→見る→体験する→やり続けられる までやらないと教えられるようになりません。

    部下のミスを防ぐには上司が現象だけを見るのではなく、そこに意思があるかどうかを
    見ることが大事になります。

    こうしなさいと言うよりも「こうすると楽になる」という言い方をしてあげると納得して行動に移してくれるようになります。

    部下の意見には必ず応える。だから、人が動く。

    現場を見てまわる時にポイントは「けもの道」を通ること

    いきなり「困ったことはないか?」と聞いてはダメ
    最初のうちは日常会話でもいい。関心を持っている、君のために時間を確保している
    ということが伝われば十分

    時間をかけずに改善できるものは、すぐに行動に移し、改善すること。
    すると部下は、上司は本気で自分のことを考えてくれていると実感します。
    もしすぐに改善できない場合でも、そのまま放置しては、部下の信頼を失います。
    「いまはこういう理由で改善できない」
    「キミの言う通りにはできないが、代わりにここまではできる」
    このように必ずリアクションを返す。それだけでも
    部下の言葉に関心をもっていることが十分に伝わります。

    部下がどんな事を考え、どんな気持ちでいるかを把握するのも上司の仕事です。
    大事なのは少しずつでもいいから部下と対話する時間をつくること。

    単に褒めても効果はない

    部下のどうありたいかが見えていないと褒められません。
    例えば部下が整理整頓がきちんと出来ることを目指して努力をしているのであれば
    整理整頓について褒めてあげるのが一番効果的です。
    他の事を褒めてもいいのですが、一番部下が評価して欲しいことを褒めてあげるのが大切です。

    この考え方は叱るときも同じ。ただ頭ごなしに怒るのではなく
    キミは◯◯になりたいと言ったじゃないか。だからしっかりやりなさい。
    と叱ってあげるのです。
    部下の「どうありたいか」に合わせて褒めたり叱ったりしないと、部下の心には響きません。
    ということは部下の事を知らないと褒めることも叱ることもできないということ。

    厳しく叱るだけでは、部下は育たない。
    1つ叱ったら、10個褒めるくらいの感覚

    長所を認めると、その人の短所を指摘しやすくなります。
    信頼関係が出来ているから、相手もここは直さないといけないと思ってくれる

    相手の言い分を聞いてから叱れば、たいていは素直に注意を聞くものです。

    全員の顔写真や表彰状を張り出してモチベーションアップ
    意外と他の社員がどんなスキルをもっているかということは見えていないものです。
    スキルの視える化を図ることは人材育成や活用のうえで様々な効果があるのです。

    人事異動や出張で部下を外に出さなければいけない時、
    ナンバーワンを外に出す。
    一番手を出すと二番手が必ず伸びます。
    ただし外に出した優秀な人材が帰ってきたら、さらなる上のポジションを用意して、厚遇してあげる。
    そうすることで、一番手の社員を目標とする人材が次々と育っていきます。

    部下が行動してくれるまで、手を変え品を変え伝え続ける
    組織を動かす時は、本当のキーマンを探し出すことが大切です。
    なんでも「はい」と言うようなイエスマンに方針を伝えることは楽です。
    しかし、そのような人ばかりに伝えても、組織全体は動かないということを肝に銘じておきましょう。

    求心力リーダー
    →組織の中心で部下を引っ張る

    遠心力リーダー
    →それぞれの部下の長所を引き出し、最大限に能力を発揮できるようにサポートする
    人を育てるリーダーのあるべき姿は、この遠心力リーダー

    メンバーの中心で偉そうにしていては、部下の気持ちは見えません。
    部下が置かれた状況やヒアリングした内容などあらゆる情報を参考に外から部下の気持ちを推し量る必要があります。
    そうすることで、部下の気持ちに沿ったリーダーシップを発揮できるのです。

  • 人に教えるときに結論だけ述べていたことが多かったが、この本を読んで目的を必ず伝えようと決めました。また批判から入るのではなくなぜそうしたのか相手の心意を必ず聞き取り、正しければ褒めたり、経験上こうした方が良かったことなど補足したり、意見を伝えあってお互いに成長できる関係になりたいと思いました。

  • 現在日本企業が世界の企業価値ランキングでは上位にはランクインしていない。
    しかしながら、長年製造業の雄として、日本経済を支えてきたトヨタ。トヨタで働く人財の本質がわかる一冊。
    どんな職種でも当てはめることができると思うので参考にしたいと思った。

  • 学生時代リーダなどを多くしてきたが、後輩の育て方には、多くの問題点があったことを気づかされた。 社会人として、部下を持った時には、同じ過ちをしないよう、教育を行う側の知識や技術を習得していく

  • トヨタの社員教育についてはよく知れる本です。
    具体的に自分に落とし込んで使うには少し具体性が少なく、要所要所で自分に使えるものをピックアップする形の学び方になりそう。

  • 自動車メーカーのトヨタの人材育成の指南書。

    主に上司がどういう部下を育てるか、また育て方。

    整理整頓の環境づくりや問題の真因の追及、褒め方、叱り方を通し、自分で考えられ、継承していける人材を作り出すためのヒントが詰まっています。

  • ●「人を育てるとは、「モノの見方を伝える」こと」「関心をもって、期待をかけて、対話する」といった事例が参考になった。

  • もう少し「考え方」から説き起こして欲しかった。
    トヨタの育て方のノウハウだけを説明されても。背景となる考え方が分からなければ仕方がないのだけれども。

  • オーディオブックで聞きました。

  • 部下を育てるメソッド
    人材育成しなければ企業も育たない

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