大正忌憚魔女 2 (MFC キューンシリーズ)

著者 : うさみみき

• KADOKAWA (2023年10月27日発売)

作品紹介・あらすじ

大正時代の日本で暮らす小さな魔女の物語。大正時代の日本と西洋の魔術。 異なる文化を繋ぐのは 嫌われものの魔女でした。

感想・レビュー・書評

[てのはさんの感想 · 2024年3月9日]

夜迷への偏見は未だに根強いが、先生の協力もあって、徐々に改善されつつある。また、先生から魔女や魔術に対する感情も、少しずつ良くなってきている。こうやって、夜迷は人を頼り、人に頼られることを小さく重ねていく。ちなみに夜迷は日本だけではなく、故郷でも魔女狩りや罰といった目に遭っていたらしい。夜迷が3年で帰らなければならないこと、過去にあった出来事などが少し明らかになる。

一方麟さんも、実は夜迷と似たような境遇。女性であること、世間からの目などが逆風となり、それに耐え忍び、「大丈夫」と言い続けて、ずっと一人で生きてきた。そこに今度は夜迷が手を差し伸べる。

相変わらず麟さんは未来に対する希望的な言葉が多くてかっこいい。その日が楽しみだ！ ってはっきり言えるのが素敵。なんか良い。好きなセリフです。

いつかの別れが明らかになってしまって悲しいけど、一生の別れではない……。この二人に幸あれーー！！

[myomyaさんの感想 · 2023年11月8日]

マジでイヤガラセがなくなる（影藤先生の影響力スゲェ）。
影藤先生にお礼をしたくなって、
なんとか説き伏せて悪夢を見なくなる儀式を行う。
麟さんに悩みがあることを知る。
麟さんが泊まりに来て真夜中の魔術。
麟さんと古本屋デートの日に麟さんの悩みを知る。

今回、銭湯がありますよ！
谷間、お尻、ドロワーズ！
っていうか、男湯が見えるの？
ってことは、男湯からも見えるってこと！？
なんて羨ま・・・大丈夫なの？それ。
そもそも大正時代って、少なくとも都会では毎日お風呂に入る分かが定着してたんだろうか？
普通に夜迷ちゃんみたく自宅で身体拭いてる人もいたような認識だけど。

ゲーマーズで貰えるブックレットが面白い。
コレ、二人の会話の吹き出しに作者が延々と言い訳を描いてるだけだから会話じゃないんだよね？
ぶっちゃけ夜迷ちゃんがガチでミスをしてるってシーンでも良いと思うのだけど、たぶん会話が成立しちゃってたから描き直しなんだろうなぁ。
ちなみに表情とかコマ割りとかが全然違うから、修正ではなく完全に描き直したんだなぁ、と。

でも、本編での電話のシーンもちょっとオカシクない？
本体に設置されてるマイクに向かって話さなきゃならないよね？あのタイプの電話って。
ただでさえ背の低い夜迷ちゃんが下を向いて話してたら声が届かないんじゃなかろうか？
大正時代なんだから、そんなにマイクの収音性能も良くないだろうし。

何枚か貨幣を追加してるけど昔の公衆電話って時間制限がなかったって話なんだよね。
あまりにも長電話するヤツがいて他の人が使えない問題が多発したから時間制限が設けられたのだとか。
大正時代はどうだったんだろう？
そもそも公衆電話ってあったんだろうか？
しかも一般民衆が使えるような金額で。
・・・いや、コレ、よく見ると掛ける前に左、その後に右に硬貨を投入しているな。
硬貨を追加して通話時間を延長したんじゃなく、交換所へ繋ぐためのお金と、目的の電話に繋がった後が別料金になってるんだろうか？

夢関係の魔術だからバクなのか。
いちおう関連のある幻が出るってことなのかな？

大正時代の１円の価値は、いまだと百円～４千円ほどなのだそうな。
なにを基準にするかで価値が大きく変わるし（為替、米、初任給など）、そもそも硬貨に使われている金属自体に価値があったらしく対比が非常にややこしいのだとか。

さて、夜迷ちゃんの箱には何が入ってるんだろう。
まさか９歳とは思わなかったけど、こんな子供が孤立無援で日本にいるってのは不自然だとは思っていた・・・。
生まれの問題・・・。
「人間のみなさん」と言っているので魔女は人間ではないということだろうか？
だとすると、ママは魔女だけど、パパは普通の人間っぽいから、ハーフなのが問題とか？
そもそも魔女の男版っているんだろうか？
魔女狩りも、その関係でターゲットになった可能性があるか？
自分の出生のヒミツすら言わなかった娘が、魔女狩りを意外とよくあることみたいな感じで話してるのがキツイ。

夜迷ちゃんは、なんで麟さんが影藤先生のところに通ってるのか考えなかったってこと？
ちょっとボンヤリがすぎるぞ？
おかっぱの娘の言葉（「だからって好かれる理由には・・・」）は間違っていない。
この娘、明らかに他のモブ娘たちとは意識の高さが違うので、そのうち再登場するのでは。



お味噌汁は外国人にはしょっぱかろうに。

著者プロフィール

漫画家。著作に『カラクリショウジョ』など。

「2019年 『頽廃の花売り』 で使われていた紹介文から引用しています。」