信長革命 「安土幕府」の衝撃 (角川選書 484)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047034846

作品紹介・あらすじ

若き日の織田信長は伝統的な室町幕府体制に理解を示していた。その彼がなぜ天下人をめざしたのか。大量殺戮戦を可能とした火縄銃・大砲による軍事革命、キリスト教の浸透、基軸通貨だった中国銭の信用不安。戦国時代末期の島国日本を襲った未曾有の危機に、信長は卓抜した合理思想・実力主義で改革を断行していく-。日本史上類を見ない大変革を図った「安土幕府」の実態に、良質な史料と最新の発掘成果から徹底的に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 178ページからの信長が中世領主の土地に対する考えを改めさせた云々という部分。さらっと読んでいたが周囲の敵大名に囲まれて戦争しつつ達成したことを知れば偉業と思える。

  • 年々、歴史が楽しくなる新事実

  • 後から見れば当然に見えることが革命的だった。
    都市と商業を育てて資金を稼ぎ、兵農分離が可能になり戦闘集団を生み出した。
    天下統一というのは当時の常識ではなかった等々。

  • メモ

     著者の本は何冊か拝読していて、面白いなと思う。
     環伊勢海政権(父の時代から津島などの要所を押さえ経済的に優位)
     武力での大名の淘汰が天下統一に繋がったのではない。信長以外に天 下を目指した大名はいない。大航海時代への対抗。鉄砲の導入。中国  の思想に影響を受ける。
     足利義昭を追放後暫くまでは、信長は伝統的権威(天皇‐幕府‐守護)を 重視していた。信長は斯波氏の後継者、上杉謙信は関東管領の後継者 の扱いで、足利義澄系統の立場に属していた。

     信長の「安土幕府」と義昭の「鞆幕府」。天皇家の相対化。安土遷都。
     信長の革命=武士を先祖からの土地から切り離し鉢植えにした。
     武士の官僚化。
     一門や若い側近を近国の大名とし、秀吉・光秀・勝家・一益などの老将を 遠国に追いやる。光秀は四国政策の変更(親長宗我部から親三好へ)を 余儀なくされ、出雲・石見への左遷(周りを秀吉系統に囲まれる)への危 機感から義昭に推戴し本能寺の変を起こした。
     
     秀吉の惣無事令は否定。武力で天下統一を行い信長の政策を継承し、 大名の鉢植え、明への侵略(金のヌルハチと同じような立場)。

     土地と人民は大名の私有ではないという考え方は江戸時代に入り、受け 入れられていく。

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著者プロフィール

1958年愛媛県生まれ
神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了
学術博士
三重大学教育学部・大学院地域イノベーション学研究科教授

「2023年 『近世武家政権成立史の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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