「夜のオンナ」の経済白書 ――世界同時不況と「夜のビジネス」 (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21 B 125)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102095

感想・レビュー・書評

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  • 2009年刊行。著者は同志社大学大学院非常勤講師。◆世界全体の年間売上が55兆円とも目される『夜』の経済。ポーランドの年間GDPに匹敵する産業は、合法と非合法の間に揺れつつ、現代版南北問題の象徴とも見える。また世界の経済不況にも影響される。本書は夜の産業に関する海外事情、日本の現状に筆が及ぶ。◆「SEX税」の導入(著者の持論のよう)、すなわち非合法なSEX産業の合法化によって、業態の透明性が進み、女性労働者の地位向上に繋がる。◇確かに、酒税法に妥当したロジックだ。しかし、売春・買春を軸とする夜の産業。この業務内容の女性労働者にもたらす羞恥心・忌避心を軽く見ているきらいはする。女性のセックスに対する意識に関し、①生物学的に見ると男性よりも慎重な姿勢に終始する論、②好意を持つ相手以外は嫌悪感を滲ませる点から、女性労働者が秘匿を希望するのではないか、との疑念があるからだ。◇裏社会に対する徴税権力の実力行使の可能性如何も関係するかもしれない。

  • あまり表には出ない夜のビジネスの経済効果や実態について簡単に解説した新書。

    日本人男性がかつて東南アジアで売春ツアーを盛大に行っていたり、海外から留学生などの名目で女性を連れてきてパスポートを取り上げ、劣悪な環境で売春を強要するなどの「人身売買」を行っていることが、国民よりも海外で周知されていることが残念。

    セックス税の導入など、現状ではムリであっても、グローバルな視点で新しい切り口を提案しているのは興味深かったです。

    by太郎

  • http://www.bigsisterlive.com/
    ビックシスター ただでセックスして動画を流す

  • テレビで人気のエコノミスト門倉貴史氏の著作。
    同氏の類書「地下経済白書」では多様な地下経済を俯瞰するだけで物足りなかったが、本書ではセックス関連ビジネスに対しする筆者独自の考察があり、一読の価値あるものとなっている。

    セックス関連ビジネスが健全に発展していくために、筆者は「セックス税」の導入を提案している。
    セックス関連ビジネスの弊害を抑止するためにも、政府は真剣に「セックス税」の導入を議論する必要があるのではないか、と思ってしまうほど、それなりに説得力のある文章。

    軽やかな内容で、移動中の読み物に最適。

  • ポーランドの経済規模に匹敵する55兆円の経済規模である「夜のビジネス」,
    それに対しての世界各国の関り方を紹介、考察している。

    「セックス税」の導入とか非常に興味深い。

  • [ 内容 ]
    「夜のビジネス」の世界市場規模は55兆円。
    世界の「夜のオンナ」たちが稼いだお金の行方を探る。

    [ 目次 ]
    第1章 搾取される開発途上国の「夜のオンナ」たち(開発途上国の男性優位社会が売春を促す;タイの「夜のビジネス」はベトナム戦争の遺産 ほか)
    第2章 合法と規制の狭間で揺れる先進国の「夜のビジネス」(先進国の「夜のビジネス」の仕組み;米国デンバーで買春するとテレビで顔と名前が晒される ほか)
    第3章 日本の「夜のオンナ」最新事情(締め出される「風俗案内所」;わいせつDVD販売に対する規制も強化 ほか)
    第4章 世界同時不況と「夜のオンナ」(金融危機が「夜のビジネス」を直撃。エコ割引の登場;カジノの収入減がセックス関連産業にも影響 ほか)
    第5章 「セックス税」導入のススメ(「タバコ税」「酒税」のように「セックス税」を;「セックス依存症」という恐ろしい病気 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 世界の性産業について。売春を合法化し、その代りにエイズの検査を行い性感染症を予防する国もあるようで、非常に興味深い内容だった。これからの性産業の在り方について考える必要性を感じた。

  • 日本を含む世界各国の性産業(キャバクラやホストクラブを含む)事情を詳しく紹介。売春が合法の国、セックスアカデミー、セックス税について、など現在やこれからの性産業について考えるのにもってこい。合法化することで性病やエイズの根絶につながることや性産業からの税収を見込めることには強く同意。日本にもセックス税を導入すべきと主張しているがこれはそう遠くない将来に実現するんじゃないか。

  • 日本と世界の夜のビジネスの実態が紹介されている一冊

    著者は、夜のビジネスを合法化し、セックス税を導入することで
    業界全体の透明性が向上するのではと主張している

    日本で昭和初期まであった公娼制度ではないが、公認する代わ
    りに人身売買など非人道的行為を規制するのも、一案だとは思う

  • セックス産業がなくなる見込みはまずない。
    日本にも、酒税、タバコ税と並んで、セックス税を導入せよと言う著者の意見には賛同する。
    ただし、セックス税はアルコールやタバコに比して抜け道が多そうな気もするのだが。

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著者プロフィール

神奈川県立横須賀高等学校出身。慶應義塾大学経済学部卒業。浜銀総合研究所入社。1999年日本経済研究センターへ出向。2000年シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)へ出向。2005年6月まで第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト。2005年7月からBRICs経済研究所代表。2007年同志社大学大学院非常勤講師。日本で初めて地下経済の研究に取り組み、地下経済に関する著作も多数発表している。またワーキングプアの啓蒙書も多数発表。BRICsに続く経済発展が見込まれる国々として、ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンを総称したVISTAという造語を提唱した。

「2018年 『日本の「地下経済」最新白書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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