考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? (角川oneテーマ21 A 114)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102385
感想・レビュー・書評
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イビチャ・オシム氏は、世界の頂点であるサッカー指導者のひとりだ
その指導者が日本にきてくれて、日本のために、本場のサッカーを教えてくれていた
なんと幸運な時代であったのだろう
本文は、「リスクを負わない者は勝利を手にすることができない」で始まる
分岐点となるのは、彼らが「自分たちはできる」と信じること。つまり「自信」を持つことなのだ。
自分たちには「何ができて、何ができないのか」。もしくは相手が「何ができて、何ができないのか」、それらを客観的に分析することが必要なのだ。
相手にとって一番強いポイントこそ、最も傷つきやすいウィークポイントなのである。
サッカーには集団的インテリジェンスが必要である。
人間は目の前に目標があると仕事がしやすくなる
走りながら素早く考えろ!
捨て去るべきことは捨てる。情報の取捨選択の能力
自分たちより強いチームとのコンタクトなしには前進はない
日本人は自分が誰より劣っていることを認めることを嫌がるのだ
負けないためにどうするのではなく、勝つためにはどうすべきかを考えよう
常に高いレベルを追い求める。1つをクリアすれば、さらに上へ、あくなき欲望とハングリーはメンタルである。
日本人はどうも負けることの悔しさを正面から受け止めない。それが美徳だと勘違いしているようだ。
偽物はいつまでたっても偽物、模倣はいつまでたっても模倣なのである
日本人はプレーにおける責任感に欠いている。まるで疫病から逃げるようにして責任から逃れる
急ぎすぎず、子供がノーマルに成長するような育成を心掛けなければならない
目次は以下です。
はじめに
第1章 日本はW杯グループリーグを突破できる
第2章 サプライズがあるからW杯は楽しい
第3章 日本代表への提言
第4章 なぜ日本人はリスクを冒さないのか?
第5章 日本サッカーの未来へ
おわりに詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「リスクを負わぬものは勝利できない。そしてリスクとは、負けることによって認識すべきものではない」
この言葉は響いた。
でも木村元彦が書くオシムのルポの方が、100倍良かった、、、読み返そうかな。 -
ホームページに感想を書きました。
「「リスクを負わない者は勝利を手にすることができない」」
http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage131.htm-
HP読ませていただきました。
オシムと中田の組み合わせ・・・・、想像したことなかったですが・・・うん、確かに、いいかも、と思いました。
...HP読ませていただきました。
オシムと中田の組み合わせ・・・・、想像したことなかったですが・・・うん、確かに、いいかも、と思いました。
オシムイズムを理解した中田がどんなプレイをするか・・・、想像してみたらやはり、中田の早すぎる引退と、オシムの病気を、惜しまざるをえない気持ちになります(笑)。
【あのPK戦の敗戦を美談、妙な友情劇に仕立て上げようとした雰囲気にだけは到底納得がいきません。本田圭佑選手がベスト16の結果に一つも満足していなかったことだけが今後の唯一の希望です】
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まったくもって、同感です。2012/09/26
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オシムさんは特にだけど、外国の指導者の精神は日本の風土のみでは培われない(にくい)芯がある。いくら厳しく接していても、人間一人一人に対する根本的な敬意を感じる。信仰心とかも関連してるのかな。
エッセイ本としても、風土による考え方の培われ方の違いを知るという意味でもすごく面白い本でした。 -
4月に出版されたにも拘らず、サッカーW杯の日本代表の結果が出た今読むと、尚更感慨深い示唆に富む内容。日本代表がベスト16、そのメンバー構成まで事細かに書かれた内容がことごとく当たっていてびっくりさせられます。
私にとって特に印象的なのは、やはり日本の教育の課題。
学校での教育が、サッカーの勝ち負けを左右するその姿勢に大きな影を落としていることが指摘されています。
試合中にタイムのないサッカーにおいては、目まぐるしく変化するピッチで選手自身が瞬時に判断をしながら局面を打開することが求められますが、日本人選手は、いつも誰かに指示を受けなければ行動できないと繰り返し述べられています。
みずからリスクを負って行動すること。
まちづくりにおいても全く同じだと思いました。 -
日本サッカー界の名将で去年亡くなったイビチャ・オシム氏の著作。
日本サッカーを文化的側面から分析し、日本人のメンタリティ、思考について論じられた本。
フォーメーションや戦術にフォーカスされがちなサッカーをメンタリティの観点から分析されたものは新鮮に感じられた。
リスクを負うことの重要性や、考えながら走ることが説かれていて、特に走力の重要性は今でこそ重視されているが、10年以上前からこれ程重要性を強調していたオシム氏には改めて驚かされた。文中にも代表監督候補やJリーグの底上げなど日本サッカーの展望を描かれており、先見の明を持たれていたことが伝わった。
日本サッカーの発展に寄与され、日本を愛されたオシム氏に尊敬の念を抱くと共に、心から哀悼の意を表したい。 -
スポーツニュースは恐い 刷り込まれる<日本人>でオシム氏の発言が取り上げられていたので興味を持って読んでみた。サッカーのルールすら分からないので、意味不明のところも多々あったが、プロサッカーは自分と相手の分析、練習、実行…の繰り返しであり、知的なゲームなのだなと理解した。
この本の中でオシム氏は日本語は分からない、と明言している。それでは誰がオシム氏にインタビューし、日本語にまとめたのだろう。無名のライターさんなのかもしれないが、全くその情報がないのが気の毒だし、ちょっと不気味だ。 -
目次を見ずに買う方が悪いが,内容的に南アW杯に特化していたのはちょっと想定外だった。
南アでの中村2人と本田の扱いはこの時点とこのあととでオシムさんにどう映ったのだろうか。