難局の思想 (角川oneテーマ21 A 136)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102866
作品紹介・あらすじ
田中角栄、三島由紀夫からゲバラ、司馬遼太郎まで、古今東西、右も左も語り尽くす、予定調和なしの必読・人物列伝。
感想・レビュー・書評
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タイトルに惹かれてぱっと買ってしまった一冊。
いまどきこういう思想というか内容の本が存在することに驚き。「日本人は…がだめでね」という感じの語感がきもかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イデオロギー的には対極に立つ西部邁と佐高信が、9人の人物について語り合った対談集です。取り上げられているのは、田中角栄、毛沢東、三島由紀夫、チェ・ゲバラ、ジョン・F・ケネディ、親鸞、司馬遼太郎と松本清張、そしてマイケル・サンデルです。
ただ、両者の評価が一致することが多く、やや退屈に感じてしまいました。取り上げられているそれぞれの人物について踏み込んだ議論もおこなわれておらず、気軽な文学談義や思想談義に終始しているように思えます。 -
ケネディの章と、司馬遼太郎&松本清張の章に出てくる、近代主義の考え。いまや使いふるされた「チェンジ」という言葉、人工的な流行、大衆への押し付け。
なんでもかんでも分かりやすい単純すぎる言葉に集約されがちな今、ブツ切り状態のパーツをつなげて、俯瞰して物事を考えてみるのもいいんじゃないかい?
ってメッセージが伝わってくるような気がした。いい本。 -
外国の方の話は私には少し難しかったけれど、司馬遼太郎については、私が今までに思っていた通りのお話で、溜飲が下がる思いで読みました。この章を読めただけでも この本を読んで良かった!皆さんにもぜひ読んでほしい。
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第1章 田中角栄
第2章 毛沢東
第3章 三島由紀夫
第4章 チェ・ゲバラ
第5章 ジョン・F・ケネディ
第6章 親鸞
第7章 司馬遼太郎と松本清張
第8章 マイケル・サンデル
世間一般に流通している見方とは別な角度から、多様な評論を加えています。個人的には異論があるところも多々ありますが、それでもおもしろい。
「なるほど、そういう見方もあったのか」
という気持ちになります。
たぶん、司馬遼太郎をボロクソ言っている部分は、世の多くの人の 反感を買うと思いますが(笑)、そういう見方もできるよね、ということで僕は納得できました。 -
読み始めは聞きなれないカタカナ語や暗号めいた表現についていけず、
ご年配の井戸端会議くらいしか思えなかった。
しかし読み進める中でまったく思いつかなかった考え方が所々にあり、いかに自分が世間の事情に対して表面的にしか見ていなかったのかがわかる。
ケネディ大統領という理想論者、ゲバラに対する日本の評価の矛盾、司馬遼太郎がなぜ経営者に好まれるのかという背景などなど。
大衆がこぞって夢中になるものこそ、人は盲目であることが多い。
そんなことを再確認した一冊である。