- Amazon.co.jp ・マンガ (134ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047260856
作品紹介・あらすじ
世界を震撼させた受賞作『パノラマ島綺譚』に続き、漫画界の魔神・丸尾末広が再び挑むは、巨星・乱歩の全作中…いや、日本文学史上、最凶の問題作。妖美極まる驚愕の画力で描く、比類無き怪奇と戦慄に満ちた、愛欲の地獄。
感想・レビュー・書評
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嗚呼、石川球太版も読んでみたい…
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『パノラマ島綺譚』に続いての江戸川乱歩×丸山末広コラボ。
前作よりも、エロ・グロ・ナンセンスが強くなっています。
時代はロシア戦争を経てのシベリア出兵の後、
戦傷で両手両足と、声を失った兵士とその妻が主人公。
貞淑な妻の中に潜む嗜虐的な性癖、、
不具となった夫のやるせなさと、抑えきれない欲望、
それぞれが徐々に“壊れながら”つまびらかにしていく、
そんな人の“欲望”の描きようが、なんとも衝撃的です。
原作自体が、いろいろと衝撃的な内容ですが、
なんとも上手く表現されているなぁ、、と。
原作を初めて読んだ時にゾッと感じたその世界観、
それがそのまま伝わってきたと感じています。
冒頭の「許す」との言葉、哀しいほどに痛く伝わってきました。 -
江戸川乱歩×丸尾末広の最強タッグ堪らない
江戸川乱歩の世界観に丸尾末広さんの絵柄がとても合う
最高な気持ち悪さです(褒め言葉) -
絵が美しく、どうしようもないこのお話と丸尾末広の描き方の相性が良いと思った。
突然のグロテスクなシーンには驚いたが、虚しさ、切なさが独特のタッチで助長されていて非常によい。 -
知っていたけどなんとなくスルーしていた一冊を不意に思い立って購入。
江戸川乱歩「芋虫」漫画版。
短いのでパッと一気に読んで、軽い吐き気に襲われた(笑)
ストーリーは、ほぼそのまま原作どおり。
もちろん――というかなんというか、
小説のイメージよりも妻・時子が美しく描かれているけれど、
それは丸尾作品だから当然と言えば当然で。
時子の外見があくまで美しいことが「事件」の醜悪さを引き立てるわけですね。
セリフもモノローグも控えめで、グロテスクだけど幻想的。
一幕のグラン=ギニョル劇のような。 -
エロ、グロ、カオス。ここまでくると、美しいね。
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個人的に江戸川乱歩と言ったら、『少年探偵シリーズ』や『明智小五郎シリーズ』、『孤島の鬼』などより先に、初期の大傑作である『人間椅子』や『芋虫』――殊に『芋虫』が浮かんできて、その救いようのないラストを思い出し、身震いしてしまうのは私だけでしょうか? 私が初めて乱歩という小説家に感化されたきっかけになった作品は、紛れもなく『芋虫』で、初読の衝撃と感動は今でも忘れられません。
そんな大好きな作品のコミカライズをあの丸尾末広先生が手掛けているということで、読みたくて仕方なかったのですが、ついにその夢が叶いました! うれしいー
やはり圧倒的なまでの画力! 痛々しく醜い須永中尉の姿や、そんな彼と時子との官能的な交接、絡み合う植物、不気味な昆虫達・・・・・・と、とにかく一つ一つの要素に業を感じます(美と醜を同居させた離れの描写とか、凄すぎる)・・・・・・! 原作の小説自体はそこまで長い話なわけではありませんが、丸尾版ではふんだんにページを使い、贅沢でデコラティヴな仕上がりになっているのも、この話を残酷劇に終わらせない、どこか儚く耽美なものにしていると思うんですよね・・・・・・。
やっぱり強烈だったのは時子が就寝中に見た、悍ましい異形や蟲の幻ですね。ぞっとする嫌悪感と、やはりひれ伏されたような「凄み」を見せつけられた感じがします。あとバナナ(笑)
追記:時子が須永中尉の目を抉る場面を襖から黒猫が覗いてるのって、もしかしてポーの『黒猫』を暗示してるのかな? -
バナナ。
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原作に忠実だけど、所々シーンが前後している。
世界観を崩さずイラストも素晴らしい。
エログロだと思ったら耽美に近い。
傑作だと思います。