"葵" ヒカルが地球にいたころ……(1) (ファミ通文庫)
- エンターブレイン (2011年5月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047272811
作品紹介・あらすじ
「心残りがあるんだ」恋多き学園の"皇子"ヒカル-その幽霊が、是光の前に現れそう告げた。このまま幽霊につきまとわれ続けるなんて冗談じゃない!と渋々"心残り"を晴らす協力をすることにした是光だが、対象の左乙女葵-"葵の上"と呼ばれる少女は、頑なに話も聞こうとせず、生徒会長の斎賀朝衣にも不審がられ、敵視されるハメに。そんな時、ヒカルの死にまつわるある噂が聞こえてきて-!?野村美月が贈る、ミステリアス現代学園ロマンス、堂々開幕。
感想・レビュー・書評
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野村美月さんの新シリーズということで早速読んでみました。
最初は「なんだかなあ」という感じでしたが、後半から一気に面白くなっていきました。読み進めるうちにじわじわと涙が押し寄せてきて、最後には泣いてしまいました(ノω`)、
この話は源氏物語をベースにしているそうですが、それを知ったとき文学少女とダブってると一瞬思ってしまいました。そういうこともあり星は四つです。
ですが女の子との絡みもあり、ヒカルとの友情もあり、続きが楽しみなお話です。
早速夕顔を読んでみます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新シリーズでありながら、文学少女シリーズで確立した既存の古典作品と絡めながら現代にストーリーを膨らませる手法は軽快で、安心して導入から読める。
ヒカルのとんでもない設定(それは幽霊で有ることでは無い)でありながら嫌味を感じ無いのは、ベースになった人の高性能が故か。 -
主題・副題から連想されるとおりにモチーフは源氏物語なんだけど序盤はギャグ先行。冒頭でヒカルが亡くなってからストーリーが進むとなると、切なさが後半にピリリと効く話が続巻にも続くのでしょうか。それでも、是光と帆夏がまっすぐすぎて可愛いわ。
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凄く好きなシリーズ。主人公組のキャラクターが見事。
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二人の想いは交わらず。
誰彼構わず親しげな様子を見ていたら、何をしても本当に自分の事を想っているのか信用なんて出来ないよな。
魔の手が彼の命を奪ったのであれば、真相を解き明かすことは重要なのでは。 -
「哀しみも…痛みも…遠い世界の、出来事なのよ…。
ここでは、傘を差さなくても…平気…なの」
という、ヒカルが地球にいたころ……②/夕顔です。
①よりも、なんだか主人公たちに好感が持てるようになってきました。
慣れたから?
それぞれの弱さが出てたから?
…ヒカルがあんまり喋らなかったからかも…?
作風としては、文学少女と似た感じだと思います。
その前の、ちょっと迷走し続けた感じの作風に戻るよりは当然、そうなるのでしょうけど…。
静かな物語りの中に強い感情が込められた作品です。
ちょっとモノローグ長めで焦れったくなることもありますが、
じっくり読んでいくと良いです。
『ちょうちんあんこうを拾った。
放課後、持って行ってもいいか?」 -
全10巻完結。
女の子苦手男子が、モテまくる話。しーこ可愛い。
源氏物語を知るともっと楽しめる。
強い言葉、強い思いも、ともすれば人の足かせにもなってしまう。本当の対等に付き合うのは、守るだけではなく守られること、そんな事を"六条"を読んで感じました。 -
『文学少女』は面白がりどころがよくわからなく
同じレーベル先達文学賞受賞者作品と同じくへんにミステリなのがなんであったが
こういう作品だとなるほどわかりやすい
伝統正当のらいとのべらないず(=登場人物の個性付けが極端な「キャラクタ小説」化)された少女小説
現代現在を舞台にほどよく浮かせてこういう話を設ける作者の技量に感心 -
はじめは葬儀で騒いだりきつくて可愛げのない葵が苦手だったけれど、いつの間にか微笑ましく思えるようになっていた。是光にしか見えない幽霊のヒカルと回る、彼を思い出しながらの是光と葵の遊園地デートが切なさより温かくて瑞々しくて良かった。葬儀で笑っていた朝衣他、暗くどろどろしたラストに続きが気になった。