澄江堂主人 後篇 (ビームコミックス)

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047284159

感想・レビュー・書評

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  • 山川解釈の芥川の一生。
    ぼんやりとした不安か。
    そうだったなぁ。

  • 第二十三話 世紀末の悪鬼
    第二十四話 或阿呆の一生
    第二十五話 闇中問答
    第二十六話 澄江堂主人
    第二十七話 西方の人
    第二十八話 「善き者」たち
    第二十九話 守らんとするもの
    第三十話 エリ、エリ、ラマサバクタニ
    第三十一話 その日
    第三十二話 ぼんやりした不安
    最終話 エピローグ

    エピローグが、作者の山川先生が、芥川さんのお墓参りで、漫画家にして描いてすみませんでしたと終わっているのが、現実に戻ってきた気分になれてよかったです。
    実質のラスト、奥さんのフミさんが、お父さんやっと死ねましたね。お父さんよかったですね。
    といっているところもすごくしっくりきました。
    中篇ラストで、発狂した宇野浩二の方が長生きして、病からも回復して作品も書いてるのが人の関係性って面白いと思います。

    読んでない作品の、方が多いので、芥川さんの小説を読みたくなりました。

  • 芥川の不安に共感してた頃もあったけど、いまはそうでもない。でも、世の中はどんどん悪くなってる。社会に出て淀んだ水に慣れちゃったのかな。

  • ああ、終わってしまった。
    迷って、翻弄されて、不安に苛まれて、
    時に懸命に時に流されるまま生きて
    そしてある日ふと逝ってしまう…。

    読み終わった後の何とも言えない虚脱感に
    自分の年齢的なものをちょっと感じました。

  • ある種の主義者が貧乏に憧れるように
    芥川はイエスの苦しみに憧れたのかもしれない
    いや、単にやや過剰な自意識をイエスに重ねただけかもしれないし
    あるいは、母親たちにマリアを重ねたため
    自らもまたイエスである必要に駆られたのだと考えることもできよう
    結局はよくわからないのだ
    しかしとにかく彼は、その薄ぼんやりした不安ただよう己の一生に
    そのぬるま湯のような物語に
    神ではなく自らの意思でもって劇的に幕を下ろしてみせた
    それによって生じたインパクトが、芥川龍之介の名前を
    「超人」ならぬ「超阿呆」として今に残しているのは確かなことである

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著者プロフィール

一九六二年大阪生まれ、東京育ち。高校時代から同人誌活動を始め、一九八八年『シリーズ間借人』(ヤングチャンピオン連載)が漫画雑誌初掲載。主な著書に『コーヒーもう一杯』『澄江堂主人』『シリーズ小さな喫茶店』(以上、KADOKAWA)、『道草日和』『写真屋カフカ』(以上、小学館)、『ハモニカ文庫と詩の漫画』(ちくま文庫)、『日常の椅子 菅原克己の風景』(ビレッジプレス)、『猫町』萩原朔太郎原作付(タイムレスブックス)など。ほか自主制作本多数。

「2021年 『短篇文藝漫画集 機械・猫町・東京だより』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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