- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047284586
作品紹介・あらすじ
明日の命より今日のパンと肉。戦場で畏怖される少女-その名は"死神"。
感想・レビュー・書評
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終盤、戦闘シーンが減ってちょっとだるんだが、最後までそれなりにエンジョイした。
死にかけたら死神が出て、食うて復活して、と不死なのでは?
なかなか久しぶりにどこまでもダークな話だが、気が滅入る系ではない。
最後にナン(nun)になるのが、ちょっとエグすぎるのではと、思った。
宗教に中指的なやつか?!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「部下を捨ててまで助かりたいとは思わない。どうせなら貴方達と一緒が良いわ。長い間食事を共にした仲だもの。私も混ぜてくれないと。仲間外れは絶対に許さないわ」
(P.325) -
下巻です。読み終えた後は、しばらく、余韻に浸っていました。
それだけ読み応えがあり、とても面白い内容であったと思います。単なる戦記、立身出世ものではなく、様々なメッセージを投げかけてくる内容だったと思います。
無常な世の中、伝播しめぐる悪意、戦争という狂気が生み出してしまった化け物のお話でした。
メッセージ性が強いんですよね。様々な問題を投げかけてきました。何が正しくて何が間違っているのか。歴史は勝者がつくり、結果、再び過ちを繰り返す。そんな戦争が持つ狂気が描かれていました。
話の中で、シェラの愛馬だった「青ざめた馬」が死んでしまったときは、思わず涙ぐんでしまいましたね。「我が家」と形容した砦で、部下の騎兵たちとともに芋を育て、それが実るのを楽しみにしていたシェラ。部下たちと食事をし、一緒に行動しているときは、確かに彼女は「死神」ではなく「少女」だったのではないでしょうか。
善良な者がいるけれど、それを上回る害悪がおり、真面目に戦っているものたちが死んでいく。また大義のために立ち上がったはずの解放軍も、結局は、圧政を敷いた王国の悪と同じ悪へと落ちる。
作中でシェラが言う「あるのは憎悪と執念だけ」という言葉にも頷けます。
作中の軍師ディーナーは、「一が汚れ、十を生贄にして、千を救う」という言葉を座右の銘にしていましたが、解放軍の食料を調達するために、村を襲ったことで「死神」シェラを生み出し、最後にはシェラに殺されました。
綺麗ごとだけでは世は回りませんが、「歴史は勝者が作る」のでは結局同じことを繰り返す。「汚れ」も必要であり、正しく「歴史を記録」し、「過去から学ぶ」。
そういった「あたりまえ」のことができないのが、人間なのだな、と……。
シェラは「今」を懸命に「生き抜き」ました。
その原動力が、「復讐心」であったり、満たされることのない「飢餓感」であったとしても、彼女は最初から最後まで、「まっすぐ」に生き抜きました。彼女は最終的に解放軍が樹立した新生王国を滅ぼして、その後どうなったのか、それは話の中では語られません。
「死神シェラ」。彼女に救いがおとずれたのかは、誰にも分かりません。それでも、彼女は復讐を終え「満足」したことでしょう。彼女の行った行為は、彼女に返ってくるでしょうが、それでも、彼女は「満足」して生を終えるに違いありません。
(意図的なのか)謎や伏線は残りますが、いつか明かされるときが来るのでしょうか。 -
上巻に引き続き面白い。ただ主人公の陣営は負け続きなので、ストレスがたまる。主人公に肩入れしたいのにイマイチ。でも面白かった。
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主人公であるシェーラの内面ほとんと焦点が当たらず、全く共感できない行動を取り、かつ悪役側であり(しかもどうしようもない)、という……ここまで書き出してみても小説として成り立つのかよく分からない設定なのに面白く読ませる一冊。
では、なんで面白いんだろうか。
シェーラ本人に魅力がある事はもちろんだが、ご都合主義では片付かない歴史を描いているからではないだろうか。(もちろん物語的なご都合主義はある)
勇者が一人居ても世界は救われない。
文体にリズムがあり、流れるように展開するので読んで心地良い。 -
小説家になろう
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