脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047913202

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    切断された手足がまだあると感じるスポーツ選手、自分の体の一部を人のものだと主張する患者、両親を本人と認めず偽者だと主張する青年―著者が出会った様々な患者の奇妙な症状を手がかりに、脳の仕組みや働きについて考える。
    さらにいろいろな仮説をたて、それを立証するための誰でもできる実験を提示していく。
    高度な内容ながら、一般の人にも分かりやすい語り口で、人類最大の問題「意識」に迫り、現代科学の最先端を切り開く。

    [ 目次 ]
    第1章 内なる幻
    第2章 「どこをかけばいいかがわかる」
    第3章 幻を追う
    第4章 脳のなかのゾンビ
    第5章 ジェームズ・サーバーの秘密の生活
    第6章 鏡のむこうに
    第7章 片手が鳴る音
    第8章 存在の耐えられない類似
    第9章 神と大脳辺縁系
    第10章 笑い死にをした女性
    第11章 「双子の一人がおなかに残っていました」
    第12章 火星人は赤を見るか

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 『バカの壁』で有名な養老さんが解説。つまり安心していい(笑)。
    そういえば、デカルトの方法論叙説でもやられてたなぁ。

  • 人間の脳がとても不思議なものであることがよく分かりました。なかでも、「視野の中の盲点」を実際に試したときは、自分の脳が機能していることを実感できると共に、脳というものに心底興味を惹かれ、大興奮でした。

  • 読みたいと思ってから、大分時間が経ってしまったけれど、やっとこさ読了。
    期待を裏切らない内容で、大変面白かったです。ただのエンターテイメントではないので、こちらの脳みそも助力を惜しまずに積極的に「読む」ということに参加しないといけませんが、それがとても楽しい、有意義な時間でした。
    内容としては、この本が出版されてから軽く10年近く経っているので、色々と変化したりする部分は多いのでは?と想像します。ただ、こういった研究は、ゆっくりと進むものでもあるでしょうし、もしかしたらあんまり変わっていないのかもしれません。
    音楽家が数学に秀でていることが多いのと同じように(現に、モーツァルトは数学者になるか音楽家になるかで悩んだという話があります)、科学と宗教は相容れない、と真っ向から線を引くやり方ではなく、言葉や言い方は違えど、すべては同じようなことを言っているのではないかと示唆するラマチャンドラン博士は、本当に頭の良いひとだと思います。
    爪のある鷹でないと爪を隠せないように、彼ほどに知性が高いと、ひとを攻撃せずに自分の意見が述べられるのだなあと感心しました。人間というのは、奥深い生き物ですね。
    肝心の内容は、博士が専門にされている幻肢や視覚の観点から、脳科学というものを通して、ひとのあり方を探る本、でしょうか。脳に関する専門用語なども多々出てきますし、そういった意味ではとてもアカデミックな本なのですが、博士のユーモアが色々なところに散りばめられていて、単純な読み物としても読み応えのある本だと思います。
    個人的に、多重人格も脳で説明が出来る(かもしれない)というのは、心躍る発見でした。

  • 2005年に読んだ本

  • 脳と意識のつながり。

    突き詰めるところ、哲学と科学は重なり合う部分が見えてくるんじゃないか、と思う。
    臨床症例を上手く出しながら、未知なる脳の役割を考察していく。
    まず、著者の実験センスが面白い。実験方法もだし、考察についても。その結果からそういう結論がいえるのかー、と感心。
    脳科学とかやってると、特にヒトだと実験方法は制限されるし、高次機能は複雑だしで、ホント、論理に強くないとやっていけないだろう。

    症例は不可思議で、本当に患者は自分の発言を正気で言っているのだろうか、と疑問に思ってしまう。きっと一昔前なら「狂った」と表現されてもおかしくない。
    また、クオリアの考え方は哲学的だ。例えば色彩について、この「青」という感覚を言葉だけで生来盲目の人に理解させる事が出来るのか。
    うーん・・・脳は面白いけど、底無し沼のようだ。

  • ・腕や足を無くした人たちが、なくなったはずの四肢がかゆくなったり痛くなったりすることがあるらしい。それを幻肢と呼ぶ。これは脳の中でなくなった四肢を司る部位が、周囲の部位に取り込まれてしまい、それらが司っている部位の刺激を感じるようになるのだが、そのときにもともと司っていた部位の刺激と勘違いすることで感じるらしい。

  • こういう、実際の症例扱ってるような本を、娯楽的な意味でおもしろいっていうのはあれかなーって思ってたんだけど
    養老猛司さんの解説読んだら別にそれでもいいみたいなので。
    おもしろかった!
    脳って、研究する人の分野とか立場とか興味とかで、全然変わって見える器官なんだなあ
    『脳死』が、まだ途中なんだけど、
    出てくる器官の名前は一緒なのに、視点が違うから印象が全然違うの
    10年くらい違う本だから、研究が進んだってことなのかもしれないけどね

    あと著者のユーモアのセンスがすき
    訳者の方も細かいとこおもしろく訳してあって、楽しんで読めた!
    文章が本当に読みやすくてね
    でもわかってないとこがあるから、
    もうちょっと修行して、もう一回読みたい

    『自己がまったくプライベートなものであるのは自明に近いことなのに、その自己はかなりの程度まで、社会的な構築物―他者のためにつくりあげた物語―なのである』

  • 信じられない!

  • 一冊目を読んだのが大学生のとき。
    新刊が出ているということで、張り切って借りてまいりました!(←印税生活者の敵)

    神経生理学の学者から、一般向けに、幻肢・カプグラ症候群・コタール症候群などなどの臨床例を交えつつ、脳の秘密にせまる一冊。

    続編なので、同じようなと言えば同じようではありますが、相変わらずの面白さです。
    今回は芸術性についての考察に多くのページを割いていました。

    「ふたたび」の方が、よりくだけた感じで、密度は一冊目の方が濃いかしら?

    こういう、一般向けの本は、外国の人のもののほうが多いような気がします。

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