- Amazon.co.jp ・マンガ (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048534536
感想・レビュー・書評
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理想の家庭という幻想に裏切られ、母親は狂死
それに負い目を感じる父はいつも苛立っている
双子の妹は、町で出会った怪しい男についていってしまい
取り残された姉は、やはり狂ってしまう
出ていった妹は、師(マスター)と呼ばれるその男に
ひょっとすると理想の父親を見たのかもしれない
しかし、人の心の弱さにつけ込んだ商売と自覚している師は
彼女を遠ざけようとする
それ自体、洗脳のプロセスである可能性は否定できない
物語は、家庭の崩壊を経て
妹がひとりで生きていこうとするところで終わるが
彼女が師への思慕を捨てたわけではなかった
むしろ「師とわたし」のセカイ系がここから始まっていく予感もある
ダメンズがどうとか、みたいな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何かにすがるってのは楽だけど怖い事ですな。
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無垢ななにかが、ぼくたちを救ってくれる。
そういう物語が、消費されていた時代だったのです。
でも、現実には、すがられた無垢なものは、耐えきれなくてつぶれちゃう。
救済の物語は、すがる側だけしか理解できないものであったりしました。
そんな中で、すがるのではなくて、捨てていき、自分の足で立つことで、自分自身をすくっていこうというこの物語は、とても、新鮮でした。
けっして、成功しているとは、いえないけれども。
やっぱり、ついていくことは、メチャクチャ魅力的に見えます。
ここではないどこかに、だれかに手を引いてもらって。
その誘惑は、なんどでも、なんどでも、人を襲います。 -
兄と母をほぼ同時になくした忌まわしい過去を背負う双子の片割れ花歩。彼女は街で師(マスター)とよばれるまだらな金髪の男に出会う。きたならしい髪だった。売っている写真だってうそくさい。ちゃちなにせものだ。そうおもったのに、花歩はやがてかれと行動を共にしはじめる。よからぬ噂を耳にして、姉はこころをいためたが、そんな心配をよそに、妹はどんどんのめりこんでいく。師の運営する「マグダラのマリア」は、かれいわく「教会」で、デートクラブのようなシステムをとっているものの、性風俗ではない。救いをもとめる人を助けるために、信者の女性たちを派遣している。しかし、姉はうさんくささをぬぐえず、妹のかわりに客のもとへむかう。そして、電波虫とあだ名される中年男にレイプされてしまう。父母の反発もあり、その後「教会」は社会問題化、マスメディアに糾弾され、解散。それでも花歩は師についていく。いったいなぜなのか_____というおはなし。絵柄がいかにも少女漫画でまず引くのだけれど、内容も信仰の上っ面をなぞっただけのようなかんじで、惹かれる要素がみじんもない。イエスの方舟事件に触発されて描かれたものだそうだが、最終的にはちょっと変わった一夏の体験みたいにまとまっていて、根本的になにかがひどく間違っている気がした。
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甘くて媚びた絵、新興宗教を扱った特異な雰囲気がどうも好きになれなかったのですが、良い忌みでも嫌な意味でも大層胸にしみる話です。好き嫌いは結構出る話だとは思いますが、一度は目を通しておいて欲しい一冊。
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これで少女漫画嫌いになった
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この復刻版のほうが大きくて読みやすい。短編の師のほうが格好いいと思うのは私だけ?