- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048537964
感想・レビュー・書評
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初版 帯
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失ったものの大きさ。しかし失意に任せて嘆いている暇すらない。剣を持つことを拒んでいた生意気な少年の姿はもうそこになく、若いながらも民を導く英雄がいるばかりだ。大切なものを、守りたいものを、守れなかった。だからもう二度と失わない、守るべき民たちにも失わせない。
少年王が永遠に失った大切な存在は、それでも彼の魂とともに生涯ずっと歩きつづけていくだろう。
やっぱり紫堂さんの物語です、コミカルに描かれる場面はあっても、根底に流れるものは暗く重い。アンハッピーエンドではなく、希望あるラストシーンが導かれるけれどハッピーエンドだとはやはり言えなくて切ない。 -
「王国の鍵」最終巻です。
前巻で、折り返し地点かなと思ったら、一気に最終巻、一気に展開してビックリです。
最後は、怪獣大決戦に(笑)
少しの悲しみや、苦みをかかえながらの終幕というのは、「指輪物語」から続くファンタジーの王道です。 -
《辺境警備》《グラン・ローヴァ物語》などの紫堂恭子さんが描く正統派ファンタジー。
呪術の失敗から隠れひそんでいた《竜使いの王》が、汚れた土を纏い狂った竜として復活。人間の手では止められない竜を前にしたアーシャのもとに現れたのは……?
裏表紙の《クライマックス》の文字を見て、実は、えっ、もう? と驚きながら読みました。
しかし改めて読み返してみると、見事としか言いようのない展開と幕引き。
あまり他では見られない(気がする)という意味で、《王道》とは言いがたいかもしれませんが、とても良質のファンタジー作品です。
いわゆる萌えとは無縁(笑)ですが、もっと売れていい作品だと思う……。 -
少年と少女が子ども時代に別れを告げるとき、そこにはどんな「きっかけ」があったのだろう。私自身、旅の初めではこの王子を繊細で臆病だが利口な子と思っていました。その行動を変化させていった存在との決別からラストまで。