そして、君のいない九月がくる (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2015年10月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048655309
作品紹介・あらすじ
友達の死から始まった苦い夏休み。僕らは、幽霊に導かれて旅に出た。
その夏、恵太が死んだ。
幼いころからずっと恵太と一緒に育った美穂と、仲良しグループだった大輝、舜、莉乃たちは、ショックから立ち直れないまま呆然とした夏休みを送っていた。
そんなある日、美穂たちの前に現れたのは、死んだ恵太に瓜二つの少年、ケイ。
「君たちに頼みがある。僕が死んだ場所まで来てほしい」
戸惑いながらも、美穂たちは恵太の足跡を辿る旅に出る。
旅の中でそれぞれが吐き出す恵太への秘めた想い。嘘。嫉妬。後悔。恋心。そして旅の終わりに待つ、意外な結末とは――。
隠された想いを巡る、青春ミステリ。
感想・レビュー・書評
-
中学生の娘の朝読用に購入した本。娘が読み終わり放置していたものを読んでみました。
若者向けでおばちゃんが読むべき本ではないかなと思いましたが、おもしろかったです。登場人物が高校生である本は、普段あまり読まないので、久しぶりに若い時代を思い出しました。
世の中みんな良い人をよそおって生きているけど、人を羨んだり、自分の都合のいいようにごまかしたりするよね。それが当たり前の感情。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物達の恋というより、愛を深く感じることができたと思います。
登場人物の言動が物語が進むにつれてつながっていくのが面白いと思いました。
見返しの絵にあるような入道雲や、空の青が何度も流れてきて、夏の美しさと青春を感じました。
最後は予想外の結末で驚きました。 -
綺麗に整った美しい物語なのでこれ以上特に言うことはありません。
人間っていいな。 -
夏休み直前の友人の死。
死んだ友人ケイタの幽霊とともに、4人の高校生が旅をする物語です。ケイタが何故死んだのか、旅の最後に明らかになります。
ファンタジー的要素と現実的な要素が上手く組み合わされた小説です。学生時代の友人関係が上手く描写されており、恋や憧れ、嫉妬、後悔、誰しも経験したことのある感情が表現されていました。
4人の高校生が旅を終えるとき、以外な結末が待っています。ときに切なく、キュンとくる小説です。
思春期から大人になっていく様子、男女の友情、恋心、感情移入できます。読んでよかったおススメの一冊です。
図書館スタッフ(東生駒):iku
----------
帝塚山大学図書館OPAC
https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/823260 -
【どうかこの世界から消えたとしても、僕の傍にずっと居て】
友達の死から始まった少年少女達の苦い後悔の夏が始まる物語。
親友が居なくなって、哀しみに沈む彼女の元に現れた真夏が見せる白昼夢。
確かに死んだ彼と瓜二つの面影を持つ親友と共に恵太の足跡を辿っていく。
そして、仲間同士だったのにも関わらず、自分達は様々な感情を隠して付き合っていた事に気付く。
消えた恵太と共に歩き出す旅路。
秘め続けた罪悪の後悔は、彼の死を通して顕になる。
いくら悔いた所で取り戻す事など叶わないが、どうかこれからも美穂達の心の中で生き続けて欲しい。 -
ケイタ、ミホ、タイキ、シュン、リノは同じ高校の仲良しグループ。その高校の夏休み直前、ケイタが行方不明になり、キャンプで行く予定になっていた山の中で死体となって発見されます。ショックで立ち直れずに夏休みを過ごしていたそんなある日、ケイタとそっくりで幽霊のような存在のケイがミホの前に現れます。ケイはケイタの死んだ場所まで一緒に来て欲しいと頼みます。戸惑いながらも、ミホ、タイキ、シュン、リノの4人は歩いてケイタの足跡を辿って行きます。その中で、それぞれがケイタに対しての嫉妬や後悔などの想いを語ります。そして目的地に着いた4人は、意外な結末を迎えます。
このお話の中で、4人の少年たちが好奇心から線路づたいに“死体探し”の旅に出るという、ひと夏の冒険を描いた映画「スタンド・バイ・ミー」が登場します。ケイタの死んだ山までの道のりは、まさしく、ひと夏の冒険で、そこで語られるエピソードが苦くて切ない青春時代を思い起こしてくれます。 -
結末にびっくり。
-
登場人物それぞれの視点、さらにそこに綴られた各々の苦しみ等。自分としては『完全なる第三者』の状態で物語を読めた感じがします。
ラストの展開には驚きの一言です!エンド的にはトゥルーエンド?なのかな?(´・ω・`) -
なんという王道の青春物語だろう!
ただ、それは青春の煌びやかさとは正反対の、苦悩や僻みや後悔という負の感情とそれからの解放の物語だけど。
事故死した友人そっくりの幽霊(ドッペルゲンガー)が現れて、4人の仲間が友人の最期の願いを叶えるために旅に出るという展開。
それぞれが故人に対して持つ葛藤を幽霊が解いて行く様は、もしかして彼は友人たちにちゃんとしたお別れをさせるために来たのかと思えた。
もちろんそういう面もあるのだろう。
けれど、ラストの展開には、まさかと思った。
そこでもう一人いたとは!
ちょっとビックリ。
ただ、ラストをこう言うふうに持ってきたために、そこまでのテーマがズレたと感じて違和感が湧いたのは確か。
そしてやっぱりハッピーエンドが見たかった。
この作品以降、作者は死者からのアプローチ的なお話が多くなるのだけど、個人的にはもっと青春の明るい面を描いた作品を読みたいと思う。
-
タイトルで思わず即買。思わずうるっとしたり。久しぶりに泣けるラノベでした。