リア充にもオタクにもなれない俺の青春 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048659536

作品紹介・あらすじ

一奈々子。オタク女子。3ヶ月ごとに「嫁」が変わるタイプの絵師。おどおど小動物系の美少女。口には出さないけど、俺は密かに≪イナゴさん≫と呼んでいる。
 上井恵久。リア充女子。カラオケでタンバリン叩いてた人。いつもいい匂いがするクール系の美少女。こっちも口には出さないけど、俺は密かに≪ウェーイさん≫と呼んでいる。
 クラスこそ一緒だけど、イナゴさんも、ウェーイさんも、俺とは別世界の住人だ。リア充でもオタクでもない俺は、きっと深いかかわりを持つことなく終わるんだろう。
 ……そう思っていた。
 あの夜、あの公園で、あんな秘密を知ってしまうまでは。
 2017年、オタクがメジャーになりすぎた時代。何にもなれない「俺」たちに贈る、新・青春ラノベ開幕!

感想・レビュー・書評

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  • リア充であり続けるためには嘘を付くことも辞さない。オタクであり続けるためには「覇権」に乗り続けなければならない。自分はオタクだと思っていた主人公・亮太が実は真のオタクではないことに気付いたので、リア充になろうとするも、そちらはそちらで気苦労が絶えない。結局、どちらにもなれない半端者だった。でも、そんな『中途半端』な状況だって『青春』は出来るのだ、というお話しで、リア充&オタクの定義にとても興味深く、面白く読み進めることができました。三ヶ月契約の後はどうなるのか。続きが楽しみです。

  • 主人公の思考がグダグダしてて女々しかった。あとイラストが顔と体のバランスが合ってなくて違和感。
    よくあるハーレムとかじゃなく、ほどよい現実感があってよかった。

  • 「好き」という気持ちは一様ではなく、度合いも方向性も(再燃したり飽きたりといった)経年変化も、人や作品によって全然違う。でも、オタクという言葉が、「好き」という気持ちの多様性を奪ってしまった。
    「オタク」という類型から漏れた「好き」が、作品愛として認められなくなってしまった。そうでなければ、クラスタやオタクのコミュニティを維持できなくなってしまった。
    いつ頃からこういう現象が始まったのだろう?

    「オタク」や「リア充」の定義を登場人物は「そのコミュニティの一員であること」に置いている。だから、主人公は「オタク」でも「リア充」でもない。しかし、それは仮初のものでしかない。コミュニティの外で行う条件付きのオタ活や制約付きの人間関係がある。だとしたら、この二つの言葉をどう定義するべきなのだろう。結局、自分は何者か?という哲学的問答の答えは出ないまま終わる。

    なんにせよ「好き」の方向性が一致する人と出会えるのは羨ましいことだ...
    「好きなもの」が見つからないまま終わってしまうことだってあるかもしれないから。

    ____
    関係ないんだけど、前読んだ1984年の印象が強すぎて、
    アイドルファイブへの態度から二分間憎悪を連想し、
    教室政治の体制を維持するために、恋人関係の演技をする場面で二重思考と犯罪中止を連想し、
    体制の中うまく立ち回るメグからジュリアを思い出し(性格違うけど)、
    美術部の部屋を提供しているオタヒメがチャリントン爺さんに見えて、ディストピアだなぁと思ってしまった。

    向こうはビッグ・ブラザーという個人を仕立ててるのに対して、こちらは意図せず空気に振り回されているだけなのだけど。
    守るべきもののために空気を利用する主人公の賢さがうらやましく感じる。
    その一方で、美術部を守ることを優先したため、(1984年と違って)反体制派の運動を起こしたわけではない。好きな作品について、オタクの潮流に反して語る権利を完全に得たわけではない。あくまでも秘密裏にする場所を守ったというだけである。続きが出るらしいけれど、この権力構造は変わっていくのだろうか?
    気になる。

  • あまり印象に残るシーンがなかった作品。会話の掛け合いが面白いわけでもなく、ストリーがいい訳でもない。だけれど、つまらないという訳でもない。平凡で印象に残らない作品だった。

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著者プロフィール

第19回電撃小説大賞、最終選考候補作『俺のかーちゃんが17歳になった』でデビュー。

「2021年 『琴崎さんがみてる ~俺の隣で百合カップルを観察する限界お嬢様~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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