路地裏のあやかしたち3 綾櫛横丁加納表具店 (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2014年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048666947
作品紹介・あらすじ
路地裏にひっそりと佇む、加納表具店。店を営むのは、若く美しい環。掛け軸や屏風に込められた思念を鎮める仕事を引き受けている彼女のもとには、様々な事情を抱えた妖怪が相談を持ち込んでくる。今回登場するのは、ミュージシャンをめざす"鵺"、弁護士として働く"天邪鬼"、そして"雪女"の蓮華。彼らの悩みに触れるうち、高校生・洸之介は自分の将来を考えるようになるのだった-。人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも、どこか懐かしい不思議な物語。これにて完結!!
感想・レビュー・書評
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読み終わるのがとても名残惜しいシリーズ。常連の登場人物だけではなく、出てくる出てくるあやかしたちがみんな非常に暖かい人柄で魅力的だ。今回は、鵺、天邪鬼、雪女が話の中心になるが、主人公の洸之介の進路も重要なテーマになっている。そう言えば、主人公のお母さんやその部下たちもいい人ばかりだね。こんな世界へ行ってしまいたい。
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あー読み終わってしまった。シリーズ完結編です。2からだいぶ時間があいてしまったので、前作や前々作に出てきたキャラのま名前を忘れがちになりつつ、なんとなく思い出しながら読了。なんだか綺麗におさめたなーって印象。あやかし系は好きですが、今回はあやかしが印象に残らなかったかな。
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前二巻と違って鮮やかさよりナチュラルな印象が強かった。爽やかなラストだった。
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高校卒業後の進路について悩む洸之介。今までかかわってきた人間もあやかしたちの応援を受け、あったかいお母さんの思いを受けながら、自分が心からやりたいことを見つけていくのが素敵。お父さんが家を出た経緯もわかって、洸之介くん家族って素敵♪と思っちゃいました。
これでシリーズ完結はちょっとさびしいな・・・
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ほんわかしなはなしでよかった。
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「鵺の話」
毎日鬼ごっこを続ける彼らの想いは。
叶わぬ夢を何時迄も追い続けるのでは無く、再度新たな夢を持つことも時には大切なんだろうな。
「天邪鬼の話」
ひねくれ者の彼女が本当に思っている事は。
自分の価値観だけで物事を図り、尚その価値観を相手にまで無理やり押し付けるのは自分勝手にも程があるな…。
「雪女の話」
姿を消してしまった彼女と果たせなかった約束を。
自分が気にしている事でも相手にとってはさほど重要で無いことは、意外と多いのかもしれないな。
「人間の話 其の三」
決めつけたレールの上を歩み続ける事は。
家庭の事情は本人は気にしていなかろうと、進路を決める時に道を狭める一番の理由になるのかもしれないな…。 -
路地裏のあやかしたちシリーズ、3作目。今作にて完結。
母子家庭であることを考慮し、自分の進路を決めつけていた洸之介だが、表具師という仕事に触れることで本当に自分がしたいことへの意識を高めていく。
予想通りの展開で完結したけれど、この終わり方で本当に良かった。表具師という、一般的にはなかなか触れることのできない職業であるだけに、物語上でありながら、洸之介にその道を突き進んでほしいなと切に思う。
あやかしたちのお話も相変わらずほっこりして良かった。雪女の蓮華さんのお話、大好き。昨今は冬の打ち上げ花火もあるから、見てほしいなぁと思ったり。
いつかまた加納表具店に洸之介が帰ってきて、あやかしたちが笑顔で迎えてくれる、そんな後日譚があることを期待したい。 -
シリーズ最終巻。
前巻から匂わされていた洸之助の進路問題を縦軸に、いつもの絵画絡みの問題解決を横軸にした展開だった。
今巻のあやかしは鵺と天邪鬼と雪女。
前者二人はいつものようにあんまりあやかし設定とは関係ない話だった(笑)
そんな中、雪女の蓮華さんの話は雪女ゆえの悩みと友達への想いが描かれて、個人的にはシリーズの中でも一番好きな話かな。
なので、そんな本巻のハイライトは蓮華さん友達の娘が彼女に「ママ、お姉ちゃん、キラキラしてるね!まるで、お星様みたい」と告げる場面。
その素直な言葉にウルッときてしまった。
このお話を読んだ後には口絵の花火の絵が胸に沁みる。
洸之介の進路は、まあ、予想通りなわけで物語の終わりとしては文句は無い。
ただ、シリーズ読んできてひとつ不満なのは洸之介の恋話がなかったこと(笑)
と言うか、洸之介の環さんに対する気持ちって、どうなのかなぁ。
もちろんあやかし狐とわかっているわけだけど、ちょっと恋心が無いわけじゃ無いような気がするんだよなあ。
そこのところ、もうちょっとはっきりさせて欲しかった気がする。
そういう意味で、洸之介が大人になったあとの続編を見てみたい。
期待してます。 -
予定調和的な終わり方かな。
でも、ああいうのは好き。
今回の収録作では、鵺のお話が1番好き。
好き、というか、つい涙ぐんでしまった。