もう一つのシアタ-!: 有川浩脚本集 (メディアワークス文庫 あ 1-3)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.57
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本棚登録 : 2666
感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048705882

作品紹介・あらすじ

春川巧が主宰を務める小劇団『シアターフラッグ』。300万の負債を抱え解散の危機が迫る劇団に、地方都市の高校から学校公演の依頼が舞い込む。利益が見込めないことを理由に反対する鉄血宰相・春川司を尻目に、初めての公演依頼に舞い上がる『シアターフラッグ』のメンバー達。しかし、意気揚々と学校へ乗り込む彼らに思いも寄らぬトラブルが次々と降りかかり…!?有川浩が舞台『もう一つのシアター!』のために書き下ろした珠玉の脚本集。巻末には、大和田伸也、阿部丈二とのスペシャル対談も収録。

感想・レビュー・書評

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  • ドリカムの懐かしい歌じゃないけど、
    とにかく、「うれしい!たのしい!大好き!」

    脚本という性質上、最小限のト書きの他は
    全てがセリフで構成されているので、
    キャラクターの造形が「これでもか!」というほど際立っていて
    もう、細かいやりとりから、笑いっぱなしでした。

    特に、「シアター!2」で衝撃の2次元萌えをカミングアウトした茅原の
    さらに磨きがかかった変人ぶり!
    途中、かなりあたふたする田沼先生を、大和田伸也さんが
    あの太くて低い美声で演じていると思うと
    それだけで笑いのツボが刺激されてしまう♪

    70か所にもわたる有川さんの註が、また贅沢で
    役の気持ちになりきった役者さんの意見で、原作者である有川さんが
    「参りました!」とばかりにセリフを素直に変えた経緯や
    数行しかセリフのない役のために、驚きのキャラ設定を作りこんでくる
    新人俳優さんに感激する様子や
    小説なら静かな感動を呼ぶシーンのはずが、
    舞台だと、客席から予期せぬ笑いが炸裂して呆気にとられる有様が
    とても率直に語られていて、註だけでも十分楽しめてしまいます。

    本だけでも楽しいけど、どうせなら舞台を見たかったな~!
    再演してくれないかしら。。。

    • まろんさん
      そうなのです、柱の陰でワクワクしてました!

      私は、本に限らず、
      誰かが誰かを楽しませようとすることはとても尊いと思っているので
      有川さんの...
      そうなのです、柱の陰でワクワクしてました!

      私は、本に限らず、
      誰かが誰かを楽しませようとすることはとても尊いと思っているので
      有川さんのように、自分も思いっきり楽しみつつ
      読者にも楽しんでもらおう!という姿勢の作家さんは、大好きです(*^_^*)

      「シアター!」予約してくださったんですね、うれしいです!
      koshoujiさんのレビューが登場する日も間近だと思うと、さらにうれしいです♪
      2012/06/04
    • 永遠ニ馨ルさん
      わぁ、とうとう読まれたんですね!
      舞台を観たくなる気持ち、すごく良く判ります。
      作者も予期せぬ客席からの笑い。
      役者さんが役を理解しているか...
      わぁ、とうとう読まれたんですね!
      舞台を観たくなる気持ち、すごく良く判ります。
      作者も予期せぬ客席からの笑い。
      役者さんが役を理解しているからこそ、何気ない言葉に動きをつけることで生まれる笑いってあるんですよね。
      その時々で起こるハプニング、空気ですら立派な舞台装置なんだろうな、と。
      ますます、"3"の発売が楽しみですね!
      2012/06/05
    • まろんさん
      永遠ニ馨ルさんのレビューのおかげで弾みがついて、無事読むことができました!
      ありがとうございます♪

      有川さんの註を見ると、司の役をはじめ、...
      永遠ニ馨ルさんのレビューのおかげで弾みがついて、無事読むことができました!
      ありがとうございます♪

      有川さんの註を見ると、司の役をはじめ、
      役者さんの解釈の深さと、そこから生まれるコンビネーションが
      すばらしい舞台だったみたいですよね!

      千歳役の役者さんが、自分のファンに対してのセリフで
      「迷惑です」っていう言葉は言いたくない、と主張したというところで
      もはや千歳の気持ちにすっかりシンクロしていることに感動しました。

      ほんとに、3、早く読みたいです!!!
      2012/06/05
  • タイトルにあるように、全編脚本で、「掃きだめトレジャー」をアレンジして実際に舞台で上演されたもの。
    対談集の中の、「人間って、自分のためにはあまり頑張らないと思うんですよ。人のためだから頑張れる」って言葉に「なるほど」と思った。

  • シアターフラッグが、地方公演に出掛けるっていうお芝居の脚本集です。
    小説のキャラクターに俳優さんがなりきるトコにかなり重きが置かれたようで、まるで、シアターフラッグが実在しているかの様です。

  • 舞台の反応って本当面白いのね!!
    それを見れる役者さんたちもどんな反応が起こるか分からないから面白くてやめられないんだろうなぁ。 私は舞台はあまり見たことないけれど見に行く側にも、反応を見る傍観者側にもなってどちらの反応も見てみたい!絶対面白そう( ̄▽ ̄)ニヤリッ

  • そのまま演劇の台本を本にした感じで、臨場感が味わえてよかったです♪

    ハプニングを乗り越えていくところが、面白くて・・・!!


    この「シアター」シリーズはやっぱりハマってしまう(●^o^●)

    • まろんさん
      脚注も楽しい、有川さんの魅力満載の作品ですよね!

      そうそう、つい先日、有川さん描き下ろし脚本、劇団キャラメルボックスの『キャロリング』の舞...
      脚注も楽しい、有川さんの魅力満載の作品ですよね!

      そうそう、つい先日、有川さん描き下ろし脚本、劇団キャラメルボックスの『キャロリング』の舞台を観てきました♪
      有川さん初のクリスマスストーリーで、きゅんきゅんもハラハラもぎゅっと詰まった
      素敵な舞台でしたよ~(*'-')フフ♪
      2012/12/19
    • しをん。さん
      はい!
      こんな、本初めて読みましたヽ(^o^)丿

      おお!
      いいですねー♪
      神戸公演に行きたかったのですが、学生の私としては学割の特典があっ...
      はい!
      こんな、本初めて読みましたヽ(^o^)丿

      おお!
      いいですねー♪
      神戸公演に行きたかったのですが、学生の私としては学割の特典があってもお値段が張ってて(笑)時間も合わず、見に行けずでした(゜o゜)

      キャラメルボックスのサイトを見て、いつもうっとりしているので、いつか行ってみます♪
      2012/12/20
  • 「シアター3」が待てなくて、検索していたら引っかかった舞台の脚本集「もう一つのシアター!」です。

    面白いですね。こんなの読んだら、舞台も見てみたくなる。

    ところで、「シアター3」はまだか・・・

  • 予想以上に面白かった。

    シアターを実際に観たことはないけど、
    読んでいるだけで劇場にいるような感覚。

    一緒に笑って一緒に泣けた。

    元々、大人計画やウーマンリブが好きで、
    劇団にも興味は持っていたけれど、舞台というのがますます好きになった。

    そして「シアター!」も「シアター!2」も「もう一つのシアター!」も
    最高に面白い、素敵な作品だなと改めて感激。

    有川さんのこういう作品、もうホンットに大好きだなぁ…。

    • まろんさん
      脚本ってあんまり読む機会はないけれど、
      この本は、ひとつの舞台としても楽しめて、
      その舞台裏のドタバタも、シアターフラッグのメンバーになった...
      脚本ってあんまり読む機会はないけれど、
      この本は、ひとつの舞台としても楽しめて、
      その舞台裏のドタバタも、シアターフラッグのメンバーになったかのように楽しめて、
      その上有川さんの脚注も楽しめるという
      3段階で楽しめる、オトクな作品でしたね!

      司が憑依したかのような好演も、実際に観てみたかったです(笑)

      早く「シアター!3」が読みたくてたまりませんね♪
      2012/07/11
    • ゴロウさん
      まろんさん

      とっても贅沢な一冊ですよね(・∀・)
      面白さ満載、楽しさてんこ盛り、
      想像力と創造力を掻き立てられること間違いなし!!

      DV...
      まろんさん

      とっても贅沢な一冊ですよね(・∀・)
      面白さ満載、楽しさてんこ盛り、
      想像力と創造力を掻き立てられること間違いなし!!

      DVDも出てるみたいですよね!!
      チェックしてみましょう(笑)

      シアター!3、待ち遠しいですね♬
      2012/07/11
  • 小説「シアター!」「シアター!2」で見事にシアターフラッグにハマってしまい(笑)、こちらにも手を伸ばしてみた。
    「シアター!」のスピンオフでありながら、本当の舞台で演じられたものの脚本。形式もそれに準じているので、読んだことがない人は少し戸惑うかもしれない。
    有川さんご本人も舞台や練習に立ち会われていて、
    そこで感じられたことが【註】として書き加えられているのも面白い。

    本編を知らない人でも把握できるよう最初に設定説明が入っているが、本編を読んでおいたほうがキャラ立ちがしっかりしていて面白いと思う。
    舞台でこれを見たら(アドリブなんかもあるかもしれないし)また格別なんだろうなぁ。

    • 永遠ニ馨ルさん
      えぇ、気に入ってしまうととことんまでハマってしまう性分なもので(笑)
      本編は図書館で借りたのですけれど、
      また読み返すだろうな…とも思ってい...
      えぇ、気に入ってしまうととことんまでハマってしまう性分なもので(笑)
      本編は図書館で借りたのですけれど、
      また読み返すだろうな…とも思っていたので、
      古本屋で偶然3冊が並んでいるのを発見し、買いました。
      有川さんの【註】を読むと、さらに本当の舞台を観に行きたくなっちゃうこと、請け合いですよー(*^ー^*)
      2012/05/31
    • jardin de luneさん
      これ悩んで読まなかったんですけど、永遠ニ馨ルさんのレビューを読んでいたら読みたくなっちゃいました。どうしよう(笑)
      知ったときにはとっくに終...
      これ悩んで読まなかったんですけど、永遠ニ馨ルさんのレビューを読んでいたら読みたくなっちゃいました。どうしよう(笑)
      知ったときにはとっくに終わっていて残念だったんですが、舞台見たかったです。
      2012/06/17
    • 永遠ニ馨ルさん

      読むといいと思います!(笑>どうしよう(笑)

      舞台脚本のスタイルなので、セリフが8割くらい。あとは背景描写と役者さんの登場退場タイミング...

      読むといいと思います!(笑>どうしよう(笑)

      舞台脚本のスタイルなので、セリフが8割くらい。あとは背景描写と役者さんの登場退場タイミング、有川さんの【註】とで構成されています。
      実際に演じる役者さんがその役になりきったからこそ、「司ならこう言うのでは?」と科白の変更があったり(それがバチっとハマっている)、本編を読んでいるなら、司や巧、千歳が本当に動いているようなイメージで楽しめると思いますよ♪
      ただ、やっぱり本当の舞台の空気に触れたくなっちゃうのは、困ってしまうところですけれど(苦笑)
      2012/06/17
  • 実際の舞台「もう一つのシアター!」のために、有川さん自らが書き下ろした脚本。本当は別の作家さんが担当する予定だったけど、途中で変更になったそう。
    脚本集だから、台本みたく”○○(役名) ××××××××××(セリフ)”という構成。でもつい、小説のようにも思えてしまう。
    小説「シアター!1」で描かれていた、地方高校への遠征演劇が舞台。そこの生徒に「三匹のおっさん」の清田祐希も登場!また、おじさまキラーぶりも存分発揮されるのが田沼先生!!いいねぇ。最後ほろりときちゃったよ。演劇の世界って本当に大変なんだろうな。でも…一度きりの人生、その道み導かれた人々にとっては運命で楽しいんだろな。劇団の舞台を観に行きたくなった。
    「シアター!1」「シアター!2」も再読したくなっちゃったし、なんと言っても「シアター!3」が待ち遠しい☆

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「実際の舞台「もう一つのシアター!」のために」
      舞台を観てみたいです。。。
      「実際の舞台「もう一つのシアター!」のために」
      舞台を観てみたいです。。。
      2012/04/20
  • 「シアター!」は劇団のお話。
    その中に出てくる劇の脚本だと思ってたら、そうじゃなくて、「シアター!」そのものが劇になったんだね。
    その時の脚本。
    ややこしいけど。。。

    「三匹のおっさん」の祐希くんも登場し、これまた良い青年なんだな。

    後書きに、ほんとの劇の役者さんとの対談が載ってるんだけど、その話に共感した。

    劇団員ってのはなかなか食って行けない。
    食っていける役者は、ほんの一握り。
    テレビ・映画に出られるような役者さんだけね。
    で、公演のチケット売っても会場費や運営費を賄って終わりで、役者のギャラはナシってのが通常なんだそうだ。
    そういう構造になってしまっている。
    有川浩は、そこを小説にしたんだけど、実際、それじゃダメだと思ってる役者さんもいる。
    一般的な若い役者は、自分たちが出られるだけで充実感を味わい、楽しんで終わっている。
    お客も、他の劇団員だったり演劇が好きな極一部の人達だけ。
    観に来てくれた時は、次は自分が観に行ったりする。
    結局、すごく狭いグループの中でお金が廻ってるだけ。
    それじゃ、食っていけるわけ無い。
    一般的な・・・演劇に興味を持ってないような人達が観に来てくれるようにしないとダメなんだ・・・というような対談。

    これって、音楽も映画も、何もかも同じ構造だよね。
    ダメなんだよ、自分たちが楽しんでたら。
    もちろん自分たちが楽しめていなかったら、お客も楽しめない。
    けど、それだけじゃダメなんだって事に気がつかなきゃねって。

    まあ、許されるのは趣味の範囲でやってる場合かな。

    いろいろと考えさせられました。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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