ルージュ

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 59
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048731690

感想・レビュー・書評

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  • 印象的な顔立ちなのだけど、化粧嫌いな里彩。
    一般的な幸福の定義を受け入れず拒否する里彩は、作者が理想とする人物像(見た目の美しさも含め)なのではないかと思った。そう言う意味では限りなく夢物語のような気がする。作者が書いていて快感を覚える夢物語。
    当然ながら作者の他の作品とは印象が全然違う。だからこそ読みやすいのだけど。

    全体的には悪くないのだけど、一新入社員が、突然新製品のキャラクターになってしまう説得力を私は感じなかった。あと「印象的」だとされる里彩の顔がうまく想像できなかった。
    そう言う点が物語にグイグイ引っ張りこむ力を弱くしてる気がします。

  • 女性社員のシンデレラストーリー的なお話。
    話の内容が化粧品やモデル業界などで、化粧という概念を詳しく説明しています。
    美容に興味のある人が読むと楽しいかもしれません。
    この話の主人公・里彩は少し良い意味で変わっている。
    素朴、素直にありのままの感情を持つ女の子。
    きらびやかで少し暗くドロドロとした人間模様がある世界でも、里彩はそれに屈しない汚れない。
    それが彼女の「強さ」とは書かれていないけれど、
    どこにでもいるようなモデルと違う考え方を彼女が持っているからこそ、
    里彩は不思議な雰囲気を醸し出すモデルとして居られるのかもしれない。
    最後まで彼女は「自由」を貫き通す。でもその先に待つものが幸せだとは限らない。
    ハッピーエンドで終わらせない、現実そのままを生きる彼女に男性とは違う女性が持つ肝が据わった強さを感じた。

  • 柳美里の恋愛小説。でもダークじゃないよ。
    女の子のシンデレラストーリー。主人公が愛せるキャラクターなので良。軽く読めるので高校生とか若い女の人におすすめです。

著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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