最後の記憶

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 519
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733991

作品紹介・あらすじ

若年性の痴呆症を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖」の記憶だけだった。バッタの飛ぶ音、突然の白い閃光、血飛沫と悲鳴、惨殺された大勢の子供たち…死に瀕した母を今もなお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?本格ホラーの恐怖と本格ミステリの驚き-両者の妙なる融合を果たした、綾辻行人・七年ぶりの長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 怖さはそれほどでもなかいが、終始不気味な感じ。
    あとがきに記されているように、結末ですべてが理に落ちるわけではなかった。でも、そういうことなのか〜と区切りはつきました。

    頻発する「ああ」に、主人公の疲れ、病み、諦めがにじみ出ていた。

  • 母が白髪痴呆症になって苦悩する森吾が主人公。
    母の異常な惚け方も気になるがなにより自分も遺伝するのではないかと恐れている森吾。
    毎日鏡を見ては白髪を確認する森吾。幻覚や幻聴に悩ませられる森吾。もし自分がと考えるときっと怖いのだろうけど。森吾の怖がり方は異常だった。
    それがこの物語をさらに怖くさせている…。でも最後にとった森吾の行動はとっても立派だった。ホラーというより不思議なお話って感じだった。

  • SF?ファンタジーホラー?嫌いじゃないジャンルだと思ったのだが…。
    するすると読んでしまって何も残らない感じ。
    遺伝性の痴呆症の件はどっかに行った?

  • いつものミステリーではなく、ホラー寄りの作品。
    綾辻行人って思って読むと、少し残念な感じかも。
    話はちゃんと繋がってるし、途中までは囁きシリーズみたいだけど、最後の方で不思議なダークファンタジーが入りつつ、戸惑っている間に完結してしまった。

  • 2000年から2002年にかけて、月刊誌『KADOKAWAミステリ』に連載された作品を2002年に単行本化。
    帯には「本格ホラー小説」と書かれていますが、どちらかというと、ダーク・ファンタジーという感じでしょうか。
    クライマックスまでは記憶がテーマのミステリーで、ダーク・ファンタジー的なクライマックスがあり、実は〇〇でした、という仕掛けがある、と、結果的にはファンタジー要素のあるミステリーという感じです。

    「ホラー」というと、幽霊が怖い、とか、狂人が怖い、とか、〇〇が怖い話、だとは思うんですが、この作品の場合は、記憶が無くなることが怖い話。まあ、読んでても、全く怖くないですけどね。
    ただ、多分10年ぶりくらいの再読なんですが、この作品の内容を全く覚えていなかった自分の記憶力の無さには、ちょっと怖くなりましたけど。

  • ミステリーなのかホラーなのか分からずに読んでいた。ストーリーが凄い。白髪痴呆に囚われてしまった主人公が、病んで、踠いて、気付く。

  • 流して読んでしまったためか、面白みが感じられなかった。
    ホラーとしてじっくりと読めばたしかに怖い部分もあると思うのだけど、やはり主人公に共感することが出来なくて感情移入することが出来ない。

    全く駄目とは思わないけれど、うーん。と唸る以上には言葉が出てこない。
    そうこう考えてみると体質的にホラーが合わないのかもしれない。

    結局、どうしてこの子達を殺さなければいけないのかがさっぱりもって解らない。わからないんだ。

  • -----バッタが
    -----バッタの飛ぶ音が
    三章までひたすらひっぱっり続けるこの描画、最高ですw
    一気にまとめてしまったので、もう主人公と母、狐面のおっさんだけでいいやんってなっちゃいそうw

  • 綾辻さんの作品大好きだけどこれはつまらなかった。
    伏線を重ねて重ねて、最後は不思議な世界と旧家独特の風習に頼ってなあなあにした感じ。
    なんか息子ならもっと他の解決策なかったのかな?
    死ぬ瞬間まで、恐怖体験の記憶に支配されていく母の姿に、仕方がなかったとはいえ自分が原因なのにどこか満足げなラストの主人公の姿に苛々した。
    連続子供殺しも結局なんだったかわからないし、塾の子どもたちが消えていくのも全然よくあることじゃないですよ……

  • 私にとっては初・綾辻行人作品でした。
    所々ゾクゾクとするところもあり、
    ちょっとした推理要素もあり、
    思いがけずスラスラ読めました。
    とても読みやすい、絢辻さん……。
    ショウリョウバッタは序盤できっとこうなのでは?と思っていたらやはりその通りで、あとはキーワードが出てくるものを繋ぎ合わせて答え合わせのように謎解きをしていく感じが面白かった。
    それでも少し、ホラーでありつつファンタジックでもあったような気がする。
    ミステリー小説やホラー小説は
    先がどうなるのかというワクワクした高揚感や
    このあとどうなってしまうの?何が出てくるの?
    という先の見えない恐怖、
    自分で想像してまうよくわからないモノたちの怖さ。
    そういうものが楽しいのじゃないかなぁと思ったりする。
    自分で想像したモノが特に怖いのじゃ、ないかしら。
    映画で見て驚いたり、音を聞いてびっくりしたりするけれど、
    もしかしたらこの扉を開けたその暗闇の先に、
    見知らぬナニかがいたらどうしよう、
    そんなことを考えている瞬間が一番緊張していて、
    ドキドキしていて、それに似た先のわからない怖さが、ホラー小説を読む時の楽しさなのかもしれない。
    人はよく分からないものが一番怖い。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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