- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048735902
感想・レビュー・書評
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とても静かな、なのに(特に後半)とても、とても、とても切ない物語でした。
人を好きになる時、恋をする時、これを理性で制御しようと思っても全く叶いません。
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夏もそろそろ終わりかな?
ってな事で、島本理生の『ナラタージュ』
禁断の純愛…………。みたいな感じで、映画も良かったとか……。
個人的に後半はボチボチな感じはあったけど、どうもしっくり来ない。
禁断な純愛ってよりは煮え切らない優柔不断な教師が寂しさの余り生徒にちょっかい出して、騙して都合の良い二股をかけたみたいな印象じゃね。
ラストも再婚したが、まだ定期入れの中に泉と二人の写真を入れて想っているよみたいな……
全く煮え切らん男と女じゃわ
2018年64冊目 -
本当の最初は結婚の文字があって、
結末がハッピーエンドなのかと思ってた。
でも、すぐにそうじゃないと気づいた。
主人公の彼女は、今でも再び顔を合わせることはない彼を思い出しているから。
彼女と彼と演劇を通じて知り合った友達、
3人の間で移りゆく様々な関係。
そして、3人の周りにいる仲間たちにも様々な事情があり、
またたく間に展開されていくストーリー。
彼女と彼の関係に苦しくなりながらも、
最後には言葉では表せないなんとも言えない何かが残っていた。
その何かはきっと忘れることは無い痛みに近いと思う。
読み始めたら目が話せなくて、
時間なんか忘れて夢中で読んでました。
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なんでしょう、タイトルがいい。
綺麗事ではない、苦い恋愛をリアルに見せつけられる、印象に残る本。だからこそまた読みたいとは思わない。 -
人が人を好きになるのはタイミングか。それを人は運命と呼ぶのか。
1人の学生と教師の恋が主軸になっているが、これはどうしようもない弱虫たちの物語ではないかと思えた。
間違っているはずなのにズルズルと恋愛の深みにはまっていく。卒業も出来ず、前進も出来ず、そのままで居続けるしかない者たち。そんな風に思ってしまうのは筆者がまだまだ子供だからだろうか。それでもこの居心地の良い文章にはずっと溺れていたいと思えた。もしかしたら彼らにとっての恋愛はこうだったのかもしれない、そんな風に思えた。 -
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https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
高校生時代の主人公(泉)の演劇部の顧問(葉山)への想いを中心に物語は進む。
子供だからそれが恋だと気付かなかった…なんて、あまりにも鈍感。周りを振り回すだけ振り回す行為は読んでいて不快。これは最後まで変わらなかった。
葉山も自分勝手な思考で、二人とも「面倒くさいヤツ」
これを純愛と言われたら、うーん…って感じ。 -
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一度に2人の女を愛する主人公・葉山に対する、読者からのバッシングをよく見るけれど、むしろ現実的だと思う。
「ごめん」って謝るけど、何も変わろうとしないなんて話も吐いて捨てるほどあるよね。
それでも「恋なんてするんじゃなかった」って思えないから、この小説が純愛だと言われる所以かな。
泉ちゃんが小野くんとつき合うことを決める心情はちょっと分かるというか。この人のこと好きになりきれないけど、好きって言ってくれているからそこに逃げてしまうことって、若い頃の恋愛ではあったなぁ。
【本文より】
「そんなことを言ったら近くに知り合いがいても、そばに夫がいても、淋しいときはあるの。逆に人間がいるからこそ淋しいことだってあるでしょう。そんなのはどこに行ったって同じだし、それなら一番好きな男の人のそばがいいわよ。そりゃあ、まだ自分一人ではろくに言葉も通じなくて、ストレスや閉塞感もあるわよ。息が詰まって突発的に日本に帰りたくなるわよ。だけどそんな感覚はどこにいたってあるし、特別なことでもなんでもなくて当たり前なのよ。」p156
「あなたはいつもそうやって自分が関われば相手が傷つくとか幸せにできないとか、そんなことばかり言って、結局、自分が一番可愛いだけじゃないですか。なにかを得るためにはなにかを切り捨てなきゃいけない、そんなの当然で、あなただけじゃない、みんなそうやって苦しんだり悩んだりしてるのに。それなのに変わることを怖がって、離れていてもあなたのことを想っている人間に気づきもしない。どれだけ一人で生きてるつもりなの?あなたはまだ奥さんを愛しているんでしょう。私を苦しめているものがあるとしたら、それはあなたがいつまで経っても同じ場所から出ようとしないことです」