- Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048736213
感想・レビュー・書評
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素晴らしかった。ヒトが抱える「致命的なバグ」にどうしようもないやるせなさを感じる。自身を振り返って悲しくなる。それでも、切なる希望を込めて夢や理想を語ることはできる。フィクションが生み出す、真実より正しい何かを確かに感じる。物語への深い信頼に共感した。
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久しぶりにSFを読んだ。
人工知能に対する可能性について論理的なストーリが展開され、一気に読むことができた。
結論も十分に納得が行く内容だったが、そうなってしまうのであれば、人間は悲しい存在だと思った。 -
桁違いに面白かった、ここ5年で一番面白かったし、価値観が変わった。勉強になりました。
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読んでる間は甘くていい気分だったけど、読み終えてしばらくするといくらか疑問がわき上がってきた。
見たいものだけ見るというゲドフィールドという概念は人間の愚かさの象徴として描かれてるけど、これは一方で賞賛されている物語る力というものと表裏一体ではないか?これにより、物理的には1つしかない世界を仮想的に多数作り、相互に事実やアイデアをフィードバックしあうことでより高速にそれぞれの世界を進化させることができる。
AI にゲドシールドがないとするなら、あらゆる命題は真偽判定されてすぐに全体に共有されるのだろうか。それは必然的に多様性のない均質的な社会を生む。そして、その社会を支える唯一の正しさとは、フレーム問題の回避のために妥協した推測でしかない。それは人間社会よりよい社会?価値観の摩擦がないのでより快適な社会?
フィクションにせよAIにせよ、それが人の救いとなるのは、多様性に貢献するからではないのかな。 -
【感想】
ヴァーチャルとリアル、アンドロイドと人間。その関係で芽生える感情を、5つの短編と長編で表現した作品。
途中までは?だったが、最後まで読むとなかなか考えることが見えてきた。
アンドロイドが考える「人のため」の行為が「もてなし」の作法に通じているのが面白い。マトリクスで元人間のマスターが支配という形をとったのとは対照的。
「愛」をi、即ち虚数として表現したのも面白い。究極の「愛」とは相手を気遣い、相手に気づかれないように相手の望みを叶えることなのかもと思えた。 -
SFはこれまで敬遠していたが、大森望オススメとあって手にとってみました。最高のSF体験ができる、素晴らしい本。
全部で7編の未来の話で、それぞれ独立している。
どの作品もレベルが高く、読み始めたら止まらない。
特に第五話「正義が正義である世界」が最高!
仮想空間やら、アニメの定番やら、特撮の矛盾やらをパロディ調にぎゅっと詰め込んだ作品で、かなり笑えます。
この作品を読んで思ったのは、我々の今の生活って、既にSFの世界に入っているのかもしれないってこと。
そういう意味で、自分の生活に身近な物語として読めるSFですので、面白い物語を探している方には非常にオススメしたいです。 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB00160167 -
とあるアンドロイドと、語り部の物語。
ヒトとアンドロイドの、もしくは虚構の世界にあった何かとの、ふれあい。
絶対的な正義、とか、間違いの無い世界を描いてみても、最終的にヒトやアンドロイドがたどり着くのは、矛盾に満ち溢れた現実世界というのは興味深い。
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連作短編集。
どの話も面白く、引き込まれた。
「紫音がきた日」なんて、珍しい題材の話だが、とても良かった。
他の本も探して読みたいな。
SFが苦手な人にもお薦め。