- Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048737357
感想・レビュー・書評
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さらりと掌を流れていくような文体で書かれた詩的な小説。類を見ない、今まで手にしたことのない新しい世界観が描かれていて、流れるように進んでいくストーリーの中に優しさと切なさが詰まっています。
特に難解な言葉で綴られているわけでも、癖のある言いまわしをしているわけでもないのに、本全体に漂う雰囲気が独特。簡単に読めてしまうと思いきや、この本の世界を理解するのは意外にも奥深く、シンプルなのに底の見えないところが魅力です。薄い=単純、シンプル、読みやすい、という先入観は一気に覆される。抽象的で水彩画のような物語。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一瞬だった。
一瞬で走り抜けて、あとかたもなく消えてしまう。
静かな雪の夜を疾走する電車。
優しくてまろやかでリズミカルな言葉の連なりに、みるみる、持ってかれた。
軽いの、速いの、せつないの。
ファンタジー っていうのかな。こういうの。
不思議ちゃんな作品。
普段は読まない苦手ジャンルなんだけど、装丁が好きで手にとった。
結果、成功。好きです。 -
やっぱりこの古川さんが好きだー☆
東京がもうひとつ(あるいは二つ三つ、)あるってファンタジーがまず好き。死者の東京に向かうとことかわくわくする。
ただ、物語が浅くて安直な感じはするなあ。せっかくの魅力的な設定、もっと膨らませたら面白かったのになーて気はちょっとする。 -
作者である古川日出男さんの作風は、言葉が疾走しているとよく形容されている。言葉が疾走するとはどうゆうことなのだろう?
確かに鋭利な言葉の槍のようなもので貫く、そういった感覚は少なからずある。何度も何度もその槍に貫かれると、身体が麻痺し、やがて身体を蝕まれる。少しずつ少しずつ侵食されていく。そして彼の中毒になる。彼の言葉のはじわりじわりと自分の世界に引き込んで離さない中毒性がアル。そして野望がある。
26時間の東京と同じように。 -
古川版絵本という感じで良かった。
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青春ファンタジー。少し不思議の意味のSF。
100ページほどで、イラストもあり、ほぼ短編作品くらいの分量。
序盤はほのぼの。中盤から一気に冒険ものに。
苦手な作家さんと思っていたけど、なかなか楽しめた! -
不思議な世界観。
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26時間制のあちら側の東京に行ってギリギリまで時間を使って生きたい。
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ふと気が付くと、妙な場所にいた。
知ったはずの場所なのに、知らない場所。
それは、狭間の様な世界。
現実よりも2時間多い場所で知り合った知人達。
彼らは料理人で、その2時間多い世界で自分の想像した料理を
形作って楽しんで、彼らに共通するお客様を呼んで、という
こっそりとスキルを上げる話かと思ったら、違いました。
内一名が…。
そして会いに行こう、と頑張る後半。
これでようやく題名の意味がわかりました。
触ったら、その時点で全員脱落かと思いきや
触った人間だけ、なのですね。
ある意味何かのアトラクション。
やっている側からしたら必死ですが。
結構淡々として終わる状態なので、すぐ読み終われます。
30分くらい、でしょうか? -
一日でサラッと読めた。
独特の語り口が心地いい。テンポがいい。
ただ、引き算とかないはずの2分とかゼロ地点とか、私の頭が足りないせいでイマイチ理解できず。そのあたり楽しめなかったのが残念。
物語そのものよりも雰囲気を楽しむ小説って感じでした。