- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048742016
作品紹介・あらすじ
一人の少女が、この路地で消えた。1987年10月23日-。あの日、少女に何があったのか。拉致?神隠し?UFO?それとも-かつて一緒にUFOを呼んだ6人の少年少女。その人生が再び交錯する時、世界は揺らぎ始める。現実が静かに壊れていく。著者渾身の最新長編。
感想・レビュー・書評
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ランディワールド炸裂。UFOをアイテムに、語られているのは、今まで通り、人間の根源。
人間の生死が、混沌としていること語り尽くし、そこにマッチするかのように語られている日本文化の解釈は、私の思考にぴったりきた。
目を閉じながら、視点をぼかす。闇の色が薄まって、少し空っぽに近づく。私は、ヨガしめ、そんな風にシャバアサナに入る。当作中の、真実を見るためには、一端に視点を合わせるのではなく、全体をフォーカスしつつ、視点をぼかし、重厚に折り重なったものをそのままとらえるのに通じるなとおもった。
いいとか、悪いとか、決めてしまうその前に、あるがままを感じて、できるだけ多くの人を受け入れようとする私のスタイルも、大人になり、としを重ね、ますます、強まっている。人はマアジナルを求め、それが世界に、宇宙につながるなら、素敵だ。
大団円に対する悪評もあるけれど、混沌とした生を混沌と生きるには、あれが腑に落ちるし、明日から、自分が頑張るためにも、あれがよい。はじめて、後味のよいランディ作品とも言えるくらいだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ランディさんの小説の中で一番好きになった!
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1987年10月23日。
江上紗子という当時中学3年生の少女が忽然と姿を消した。
舞台は能登地方のひなびた集落。
この事件がプロローグとして語られる。
時は下って2002年9月。
主人公は大学卒業後5年勤めていた出版社をリストラされ、不本意ながらオカルトを扱った雑誌「マアジナル」を出している出版社に転職。
オネエ言葉を使う風変わりな編集長との面接と、配属された後との岡田淳子という女性編集者との会話がきっかけで、江上紗子の失踪事件に記者という立場から再び関わることとなる。
量子力学、UFOとの遭遇…
自然科学と、超常現象が独特な精神世界を通じて奇妙に繋がり合う。
不思議な力に導かれ、ぐいぐいと時空を超えた旅に誘われる、田口ランディ渾身の長編です。 -
返却されたばかりの本の棚に目に止まり、借りてみた。
が、あまり入り込めず、読み終わるのに苦労しました。
独特の世界観で、好きな人は好きなんでしょう。
主人公かと思っていた編集者が結局大した役割がなく、成長する場面もなく、拍子抜けでした。 -
やっぱり面白かった
小さい頃好きだった世界の謎大百科
今だとやりすぎコージー
世界の解明されない謎
大好きだがどこかで胡散臭さもある
フィクションだとストンと心に入る
世界はこんなんだと納得してしまった -
急にいなくなるって……。そんなことあるのかもしれないなぁ。どこへ行ってしまったんだろう?
UFO!? 何にせよ、こうだったから見つからないのかも、という理由付けがあれば納得できるのか。 -
朝方にレビューを書くということは、つまりおもしろくて眠りもせずに読み切った本ということだ。
ただ、いかんせん他の読んだ方たちの評価が低い。
まさに田口ランディの真骨頂の物語にもかかわらずだ!
(倒置法)
オカルト、宗教、UFOの物語。
読んでて先がまったく予想がつかない。
非科学なんだけど科学的。そんな内容をわかりやすくエンターテイメント性たっぷりに書いている。やっぱりすごい作家だなと再確認。
僕たちが考える常識は、ニュートン力学、つまり重力下での世界に限定される。
この物語でしょっちゅう登場する量子学は、重力下の物理的な法則は関係ない。想いが、祈りが、具現化する。
思った事が何でもありえるし起こる。
多分、評価が低いのは、登場人物の登場の仕方が唐突すぎて誰が誰なのか把握しにくい所なのかと思う。
僕も一度登場人物を整理するために、途中から読み直したので。
ただ、そこを払拭するくらい内容が興味深いし、登場人物のキャラも魅力的でパンチが効いている。
とにかく、毎日が忙しくて仕事三昧な人には、おすすめの本。
当たり前の日常が実はそんなに確固たる世界でもないかもしれない。この世界に疑問を持って非日常な空想をすることは、ストレス発散方法にもなる。 -
ランディさん久々に読んだ。
『家族に乾杯』で観て借りた。
古代からのUFO目撃や誘拐、未だに謎で本当にいるの
だろうか~ 臨場感あるストーリーに一気読み。