十方暮の町 (カドカワ銀のさじシリーズ)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年9月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048742580
作品紹介・あらすじ
最近、和喜の町に流れる"神隠し"の噂。靴だけをポツリと残し、ごく普通の人が突然、いなくなるのだ。半信半疑の和喜だが、ある日、公園に居座る不思議な青年に出会う。日下慎治と名乗るその青年によると、町は今"十方暮"という魔の時期にあたり、異界への扉が開いて神隠しが起きているというのだ。慎治とその仲間に協力して、町を守ろうと立ち上がる和喜だがやがて和喜の後ろにも、恐ろしい魔は忍び寄ってきて-!?読むと必ず勇気が湧いてくる、感動の青春ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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ティーンズ配架。主人公 和喜の暮らす街で「神隠し」が起こる。鬼との対峙、訳ありの人間関係を描く。
「靴」をキーワードに、異世界と通じるのか。「靴を履く」という行為を改めて意識したくなった。 -
ごく普通の人が靴だけを残して突然消える「神隠し」が起きているらしい。中学生の主人公は、不思議な青年たちと出会い、60年に一度の辛卯の年、十方暮という危険な時期から町の人々を守る活動に協力することになる…というストーリー。
特殊能力があるわけでもなく活動も地味(だからこそ中学生でも参加できる)なので、主人公の抱える思春期の中学生らしい悩みに折り合いをつけるっていうのももうひとつメインな感じ。中学生が読むと共感できるのかも。 -
図書館の『Dog ears』というおすすめ本リストにピックアップされていて、以前から読みたいと思っていた本でした。
主人公が住んでいる町が十方暮という時期にあたり、神隠しが起きているという。神隠しから町を守ろうと主人公や周りを取り巻く人たちと共に奮闘するお話です。
たくさんの出来事が起きるのですが、とっちらかった感じがなく、パズルのピースがぴったりはまるように、しっくり収まっている感じがします。
いろいろ言いません。とにかく読んでみてほしい一冊です。 -
神隠しの起こる町。
2014/3/17 -
神隠しという題材、話のテンポがよく一気に読んでしまい面白かった。
ただ、登場人物がそこそこいる割にはひとりひとりの心情にあまり触れていないのが残念。 -
ちょっとだけホラーテイスト。
町で起きている神隠しをきっかけに少年達が成長していく物語。
個人的にはもっと怖くても良いなぁなのだけど、銀のさじレーベルなのでこの辺りが丁度良いかなと。 -
和喜の暮らす街で、頻発する失踪。それは神隠しと言われる。
靴だけ残るのがこわすぎる…。
夜の公園を守るっていうのが良かったです。
甲申(きのえさる)から癸巳(みずのとみ)までの10日間の称。この間は十方の気がふさがり、万事に凶とされる。 -
和喜(中3)が年代・所属の異なる仲間と協力して、
強大な鬼から町を守ろうとする物語。
テンポ良く語られる物語の中で、「ライ麦畑」や「十干十二支」に関する認識も揺さぶられた。その辺りはホラー色全開。
主人公たちの活動から、昔々、英国であった犯罪撲滅キャンペーンを思い出した。悪人、犯罪を見かけたら手を打って他の人々の注意を引きつけるのだ。
身近なデモ行進においても、どこまで周囲の人々を
信頼し、協力し合えるかが成果につながるのだろうか。
「ひとりひとりの力は小さくても」という言葉と裏腹なようだが、
個人の立ち向かう覚悟、流されない意志が実に大切であるかという点も考えさせられる話だった。