ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年6月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048850582
感想・レビュー・書評
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読了時の2024年時点でNintendo Switchは発売より7年くらい経っている。スペック的にはゲームPCやプレステ5に遠く及ばないが売上については世間の知るところ。前置きが長くなったがこのSwitchの快進撃の背景(ニンテンドーDS辺りから顕著になる)にある「枯れた技術の水平思想」の体現者であり花札の任天堂をゲームの任天堂へと進化させた功労者である事は本書を読めば頷けるであろう。もちろん映像重視ではゲーム業界は先細ると初代プレステの時から予言していた山内社長の慧眼も大きいが。
特大級の功績を持つ方だが特にゲームウォッチとゲームボーイを生み出した事は日本のゲーム史に刻まれる。ゲームボーイが無ければポケモンも無かっただろうし。全世界に影響を与えたのに謙虚な人柄にしてモノづくりが好きという軸がブレていないのが素晴らしい。個人的には文句なく偉人。ワンダースワンが遺作になるのだろうけど交通事故死が惜しすぎる。袂を分った山内社長が泣いたエピソードがそれを示している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
横井さんの人柄や遊び心が垣間見れますね。
この横井さんを見抜いた山内社長も見事です。
ファミコン以前の任天堂の歴史も分かりますね。
長嶋さんとゴルフを楽しむ中だったいうのは意外でした。
バーチャルボーイをバカにしてるヤツこそ読んでもらいたいですな。
そして、交通事故で亡くなれたという事で残念でなりません。 -
本書を読むと「枯れた技術の水平思考」について、その言葉の意味以上について分かった。業態も規模も何もかも違うが、同じ開発職として非常に同感させられるし、それをいくつもの商品という形にしてきたことには敬意しかない。
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名前だけはどこかで聞いたことがあったが詳しいことを知らなかったので本書を手に取りました。私自身はゲーム&ウォッチからの世代ですが、小学生の頃ゲーム&ウォッチに熱狂したのをよく覚えています。
枯れた技術の水平思考、という任天堂の特徴は他の本でも読んだことがあり知っていましたが、それをDNAとして植え付けたのが本書の主人公、横井軍平さんです。本書を読んで、横井氏の人柄にはとても共感を覚えました。そもそも人間として尊敬できます。またヒット商品をこれだけ生み出す発想力はすごいですね。
本書は自分の子供時代からの記憶がよみがえり、横井さんのおかげでずいぶん遊ばせてもらったし、ずいぶん勉強もさぼったなあなど、感傷的な気分になりながら、全体的に読み物としてもおもしろい構成になっています。日本にこんなにクリエイティブな人がいたんだと思うと誇らしい気分になります。またいろいろと遊ばせてもらってありがとうございます!と天国の横井さんにお礼したい気分です。 -
世にあまた咲いては散った開発者なるものの中には
一向に日の目を見ることもないままだった人物の方がその実多数であろうが
任天堂の屋台骨を作り上げた数多くのヒット作を残しながら、その裏で予期せぬものばかりでなくある種必然的に積み上げてきたこともある失敗の歴史や
それでもなお時代の潮流に抗う姿に
逝去から10年後の著書の発刊、更に10年を経た上でなお
任天堂やゲーム業界といった枠を超えた、現代のコンテンツ業界の進展につながる探究心の偉大さを見いだせる。 -
「任天堂の遊びの原点を探る」と題して、8/22の日経新聞書評に掲載されました。横井さんの開発思考は「枯れた技術の水平思考」だったとのことです。既に故人。ファミコンの十字キーは横井さんの発案だったそうです。他のヒット商品は、ウルトラバンド、ラブテスター、光線銃SP、ゲームボーイ・・。
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#2591-105-353
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面白かった。枯れた技術の水平思考という考え方を活用していきたい。
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昔から思っていたことに
ああ同じことを考えている人がいたことに安堵する
すべての本質はやっぱり昔から変わらないのだと思う
無理に今の情勢の流されるのではなくて
変わらない確かなものをしっかりと手にしていたいと思う -
「枯れた技術の水平思考」という本に興味を持ち、この本も手にとってみた。任天堂を単なる花札、トランプ屋さんから転換させた立役者、横井軍平さんへのインタビューをもとに書かれた本。この人が任天堂に入らなかったら、ファミコンもマリオも生まれなかったと思う。直接開発したわけじゃないけど、そもそもゲームを作るような会社になっていない可能性もある。でも、たまたまコネ入社しただけだし、電気設備の点検担当として雇われたとか、そんなエピソードを聞くと、世の中偶然で出来上がってるなぁと思う。
常に子どもたちが「画面の外」でも遊ぶことを意識して、仕事をしていたという姿勢に感銘を受けた。