オーダーは探偵に 謎解き薫る喫茶店 (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2012年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048910842
作品紹介・あらすじ
就職活動に疲れ切った女子大学生・小野寺美久が、ふと迷い込んだ不思議な場所。そこは、少し変わったマスターと、王子様と見紛うほど美形な青年がいる喫茶店『エメラルド』だった。お伽話でしか見たことがないその男性に、うっかりトキメキを感じる美久。…が、しかしその王子様は、なんと年下の高校生で、しかも口が悪くて意地悪で、おまけに『名探偵』で…!?どんな謎も解き明かすドSな『探偵』様と、なぜかコンビを組むことになった美久。謎解き薫る喫茶店で、二人の騒がしい日々が始まる。
感想・レビュー・書評
-
就活中の美久が行倒れたのはエメラルドという喫茶店の前。おっとりした店長と美久に対して強烈な悪口を言う高校生の弟だが、弟の悠貴は実は探偵で、霊や雛人形のあやかしの謎や夫婦喧嘩を解決したりする。何やかやで事件に関わる大学生・美久がとろとろすぎて、悠貴に馬鹿にされっぱなしで残念な主人公なのが、あまりにも強い脱力感を誘う。謎の魅力ももう一息か。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
連日の就活に疲労困憊な美久はバスを走って追いかけて、気が遠くなり、気づいたら喫茶店「エメラルド」に。
コーヒーは美味しい喫茶店には「貴方の不思議、解きます」という謎の張り紙があり。
夜泣きの娘を泣き止ませる妻の幽霊の行方は。
憎たらしい悠貴にコーヒーシュガーを触らせる攻防。
夫婦喧嘩をおさめる方法とは。
子どもの頃に出逢った雛人形と、もう一度出逢えるか。
井の頭公園のほとりにある喫茶店「エメラルド」。
願いを叶えるエメラルドの魔法使いに因んだ喫茶店には、謎を解く名探偵がいて。
就活に奔走して自分を見失う大学生の小野寺美久と喫茶店のクセツヨ兄弟。
彼の鋭い洞察力が不思議な謎を解いて、それが家族の絆を深めていくのがほっこり。
でも、女子がきゃんきゃん言うのが苦手なんだよねー。話を進めるには楽なんだろうけど。 -
申し訳ないことに残念ながら、個人的にはなんで小説なんだろうと思うような、するっと抜けてしまうものだった。
主人公の美久は莫迦正直過ぎるほどに正直。昔の少女漫画鉄板のような存在。それがまた良いと云う人も居るかもしれないが、個人的にはそれで心動かされる依頼人の気持ちがわからなかった。抜けすぎている、のが狙いかもしれないが、逆に失敗しているような気もする。
それを証明するかのように、夫婦喧嘩の仲裁をしようとして見事失敗している。主人公の言葉で心動くのなら、おそらく夫婦喧嘩もそんなヒートアップしなかったのではないか、と思う。
探偵役の悠貴はさらに上を行く設定というとおり、常に上から目線で人をけなすことしかできない高校生。徹頭徹尾冷たいままなのかと思えば、ラストになんでそんなことしたのだろう、と思うオチがある。残念。
就活で中身がない空っぽだと思う気持ちはわからなくはない。落ちる度に自分の存在を否定したくなる気持ちもわかる。だがそう思うには、美久は正直過ぎて空回りしている。あの大事な宝物で「なんとなく」を脱することができるのか、続編では描かれていくのだろうか。 -
読みやすかったのですが
主人公にどーしても共感がもてない。
それ以外は個人的に気になるところは
ないので、続きが楽しみ! -
どうも主人公に共感が持てない。
探偵のドS具合もちょっと違う。
まぁ、読みやすいし気になるところはあるので今後も読んでみようかとは思う。 -
「オーダーは探偵に」シリーズ1作目。
図書館で見かけて、どっかでドS探偵ものって、紹介されていたような気がして。
就職活動中の小野寺美久は、必死で会場に行こうとしている途中、貧血を起こして倒れてしまう。
美形に抱き起こされたような気がしたが、何と‥ゴミ捨て場に捨てられてしまう。
目を覚ましたのは、とある喫茶店の中。
上倉真紘という青年がカウンターの中にいて優しく接してくれるが、悠貴というその弟はサイアク。
すごい美形だが、口が悪い高校生。
ところが、彼が探偵だという。
喫茶店を手伝うようになった美久は、謎を解いて欲しいというお客に応対し、悠貴が解明する様子を見ることになります。
妻の幽霊が出てこなくなったという相談。
常連の夫婦が料理のことでケンカするのを仲裁したいと思う美久はかえってこじらせ‥?
美久は将来のことを何も考えていないうちに就職活動の時期が来てしまい、がむしゃらに突っ走るばかりで、自分を見失っていた。
そんな美久をこきおろしながら、上手いこと誘導する悠貴、実は気に入ってるのかも。
生意気すぎてむかつく(笑)のでカッコイイとは言いかねるけど~
文章のテンポはよく、謎解きは趣向が変えてあって、気軽にさらっと読めます。
キャラクターを真面目に考えると穴だらけのような気もするけど‥
あと「目を丸める」とか、謎の表現が。目を丸くする、を間違って覚えてるのかなんなのかしら。
飲み物食べ物は美味しそうだし、親しみやすいもの。
真紘さんが実は料理出来ないエピソードとか、ちょっとした楽しさもあり。
大好きな絵本を悠貴が見つけてきてくれるというサプライズで、続きも読もうかなという気分に☆ -
表紙に惹かれてパラパラと読み、主人公の境遇が自分と被っていたので気になって買いました。さすがに、バスを自分の足で追いかける無茶は自分にはできませんが...笑
主人公の女の子のキャラは賛否両論のようですが、これくらいおとぼけていないと、探偵役の男の子のキャラが引き立たないと思います。
少し台詞に「!!」が多いのが気になりましたが、飾らないおバカさん加減に好感が持てました。
内容ですが、人が死なないミステリーでサクサク読めます。
謎解きが少し読めてしまうところがありますが、ストーリー一つ一つに色んな人の気持ちが溢れていて、ほっこりしました。
-
あーっ、あーっ、うっとおしい女。
大嫌いなタイプである。
彼女はおそらく多分絶対、
女子に嫌われるタイプの女子。
最後のひな人形のお話は
たまたまとはいえ話の内容はとっても深く、
季節にあっていて嬉しかった。
短編ははひとつひとつ、丁寧で面白い。
喫茶店の変な兄弟も面白い。
弟が徹底的に愛想がなければ
もっといいのに。
でも、あの女子大生が
もう、もの凄く嫌。
理由はない、生理的に無理。
だから、残念。