チア☆ダン 「女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」の真実
- KADOKAWA (2017年1月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048923828
作品紹介・あらすじ
福井県立福井商業高等学校チアリーダー部「JETS」。
チアダンスど素人の集団だった彼女たちが、たった3年間で全米制覇を成し遂げるに至ったきっかけは、前任校で挫折を味わっていたひとりの女性教師のある決意だった!
テレビのニュースで見た、チアダンスで全米制覇したという女子高生の爽やかな姿。
「いつか、こんなチームを作ってアメリカに行く!」
そう意気込んだものの、当時の福井商業高校にはチアリーダー部すらなく――。
映画『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』の感動をより深められる真実の物語を単行本化。
苦悩と成長を繰り返しながら、体あたりで夢をつかみとった女性教師と生徒たちの、勇気をもらえるノンフィクション!
感想・レビュー・書評
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アメリカで輝かしい実績を残し続けている福井商チアダンス部JETSも、実質上の創部はつい近年で、顧問もこの競技の素人だった。そこからどうやって大躍進が始まったのか、それを成し遂げた教師と生徒たちにはどんな人間模様があったのか、この2つが読む間ずっと関心を引き続ける。映画化に絡めて出しただけに、本文はややくだけており、表紙もアイドルを押し出しているが(それが悪いというつもりもないが)、一から成長するには何をしなければならないか、目標を達成するには何が必要なのか、など生き方自体においても学ぶべき要素が多く含まれ、思い当たるところも沢山あった。日本の部活の長女短所も随所に見受けられるが、確かなのはそこには何かを犠牲にした努力が詰まっていて、濃密な時間が流れている事。一度我が身を鑑みずにはおれないのも、本書が持つ作用と言えそう。
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最初は映画を見るつもりだからという理由で読み始めたのですが、奇跡の夢ノートを読むきっかけとなり、夢ノート再開のきっかけになりました!
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この本で印象に残ったのは、福井商業高校チアダンスチームJETSの監督である五十嵐裕子教諭のキャラクター。
とにかく、「それダメでしょ!」ということを数多くやらかすのだ。
生徒の気持ちも考えずに1人で物事を決めて進める、試合に勝つために生徒との約束も破る、劇団四季の見学のために東京行きを決めたり、競技用の靴を何度も変更してその度に生徒の親に金銭的な負担を掛ける・・・。
当然心が離れていってしまう生徒もいるわけだが、そんな生徒が「辞める」と言い出すと顔に平手打ちを食らわせる始末。
でも、(五十嵐教諭含めて)チアダンス未経験のチームにたった3年で全米制覇を達成させたのも事実。
スティーブ・ジョブズもそうだったが、何か「普通でない」ことを成し遂げるのに必要なのはただ「がむしゃらさ」だけのように思える。
この五十嵐教諭が何を決めるのにも生徒や親の顔色を伺い、試合に負けるとしても生徒との約束を優先するような監督だったら、恐らく生徒たちは楽しくクラブ活動を楽しむことができ、きっと高校時代のそこそこいい思い出になっただろう。
でも、五十嵐教諭含め、チームの生徒たちはそんな道を選ばなかったからこそ偉業を達成することができた。
成功に「人として」の完璧さなんて邪魔なだけなのかもしれない。