- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048929035
作品紹介・あらすじ
それは、いつからだったろう。
この世界に奇妙な現象が起こり始めた。人が、その名前も、周囲の人たちとの関係も、そしてその存在すらも、全てを忘れ去られてしまう。忘れられて、誰の記憶からも消えてしまうのだ──。
──忘却病。
いつしかその現象は、そんな名前で呼ばれるようになった。全ての人が全ての人を忘れたとき、それが世界の終わりになるのだろうか……。それに抗うかのように、僕は保健室登校の桜良先輩と、忘却病に罹った人の最後の望みを叶える『忘却病相談部』を始めることになったのだが──。
感想・レビュー・書評
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1冊。先輩が可愛い。忘却病にかかっているのは忘れられる人の方じゃ無いと思ったりした。
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作品中の忘却病は、関わりのあった人、知人、友人、家族から忘れられてしまい、最後には世界からも消えてしまうという病。乃木坂春香の秘密(ラブコメ)から十年余り。泣ける、という表現は好きではないが、泣ける作品になっている。仄悲しい成分を含んだライトノベルは多く心に残っているがこれも心に残る一冊となった。
五十嵐雄策さんのWikipediaページが2017年11月15日現在、最終更新 2016年11月10日 (木) 12:06 で止まっている。
p.248-l.2:新火線→新幹線? -
人が本当に死ぬ時は、生命活動を終えた時ではなく、全ての人の記憶からその人のことが喪われた時である、という考えがある。
本作は「忘却病」という現象で、人や社会から忘れ去られていく人々(女子高生)を描いた青春小説だ。忘却病という病(現象)に対する説明やその真相に弱いところはあるが、その辺のロジックは置いといて、忘れる側と忘れられる側の感情を綺麗に描いている。
自分の生き死にとは別に、自分は誰に忘れないでいて欲しいんだろう、そんなロマンチシズムで人との関係を見返すのも、面白いかもしれない。